私を呼ぶ翼

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「さあ、来いよ」
“その人”が、柊子(しゅうこ)に向かって手を伸ばす。
 逆光だ。
 大柄な人影が、長い指の、大きな手を差し伸べる。
 背中に後光のように輝いているのは、金色に輝く翼。
 古い異国の神のように、まばゆく神々しい巨大な翼である。
「もうつまんないことは考えなくていい。”こっち”に来るんだ。もう、あんたの居場所は、その世界にはなくなっちまった。わかるだろ?」
 そうだ。
 わかっていた。
 柊子は、我知らずうなずき。
 そして――
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