思想や信条等による不採用は認められる?

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法律・税務・士業全般
本日はタイトルにありますように「採用の自由」についてお話ししたいと思います。

社会人の方であれば就職する際に「採用面接」や「採用試験」を受けた経験をお持ちではないでしょうか?

合格した人だけが入社の運びとなるわけですね。

このように企業側には人を採用する場合に「採用の自由」が認められているわけですね。

では、思想、信条によって不採用とすることは認められるのでしょうか?

日本国憲法第19条では、「思想および良心の自由は侵してはならない」と定めています。

しかしながらこれに反する過去の判例があるのです。

判例(三菱樹脂事件(S48.12.12最大判))

 企業には、経済活動の一環として行う契約締結の自由があり、自己の営業のためにどのような者をどのような条件で雇うかは、法律その他による特別の制限がない限り、原則として自由とされています。特定の思想、信条を有する者をその故をもって雇い入れなくても、当然に違法とはできません。

上記判例によりますと特定の思想、信条を有する者をそれを理由として採用しないとすることができるわけです。

一方、労働基準法3条では以下のように規定されています。

第3条 使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない

ところが 労働基準法3条は雇入れ後の労働者の労働条件について規定されたものであるため雇入れそのものを制約する規定ではないとするのが一般的な解釈となります。

さて、今日はここまで。

次回は「採用の自由」の例外についてお話ししたいと思います。

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