自学自習のための「観察力」-お手本と同じに作ってるのになんか垢抜けない問題-

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デザイン・イラスト
こんにちは、yuccoと申します。
ココナラでは主に、各種画像処理ソフトの使い方をご指導するサービスを提供しております。
これまでに沢山の方のお悩みをご相談いただく中で、ぐんぐん上達する方もいれば、時間が掛かってしまう方もいらっしゃいました。そこで今回は「ここが変わればぐんと伸びるようになる」ポイントの一つをご紹介します。


「お手本通りに作ってみたけどなんか違う」問題


まず前提として、画像処理関連のスキルを身につけ、磨いていく為には「自学自習」がとても大切です。
基礎的なソフトやツールの使い方は各種のスクールやサービスなどでも教えて貰うことができますが、そのソフトやツールを実戦の場でどう使っていくかは、自分で練習して、鍛えていくほかありません。
そのためには、様々なチュートリアルを見てマネしてみる、気に入ったデザインをマネして作ってみる(あくまで練習として!)、各種ソフトのTIPS本を買ってマネしてみる…………とにかく、上手な人のマネをすることが何よりの近道です。

ところが、私の元に持ち込まれるご相談の半分くらいは、「お手本通りに作ってみたんだけど、なんか違うんです……」というもの。

そこで拝見してみると、確かに、あっちこっちが明らかに違うんです……
でも、ご相談者様が一生懸命「お手本通りに」作ろうとしていることは伝わってきます。

ご相談者様は「同じように作った」と思っているけれど、私から見ると「全然違う」、このギャップにこそ、上達のコツが隠れているんです!

その「大体同じ」、本当に「同じ」?

その上達のコツこそが「観察力」です!
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例えば、こんなお手本があったとします。
緑の菱形の枠の中に、「yucco」と書いてあるロゴマークです。(記事用に5分で作りましたので、細部のクオリティは見逃して下さい)
練習の為に、これと同じものを作ってみようとしたら、まずこんな風に全体を観察しますよね。
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「ひし形の枠の中に、『yucco』って書いてあるな。枠は実線と点線の二重線だ。枠と文字は緑色だな」
よしよし、これなら作れそうですね。実際に作ってみましょう。
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大体同じに出来ました!ひし形で、実線と点線の二重の枠の中に、「yucco」の文字。枠と文字はちゃんと緑色です。観察したとおりですね!

観察した通りのはず、ですが、きっとこれを作り上げたあなたは、達成感に包まれつつも、ちょっぴりこう思う事でしょう。

「…………観察した通りに作ったはずなんだけどなあ、やっぱり自分が作った方はなんとなく垢抜けないなあ、なんとなく違う感じがするなあ……なんでだろう?」

その「なんとなく違う」の正体を探る力、それこそが「観察力」なのです!

ちなみに、ここまで見てきた時点で「いや、あそこもここもそこも、全然違うじゃん」と思った方は、もう十分な観察力をお持ちです!
「なんか違うのは分かるけど、どこをどう直せばいいのかは分からない……」という方は、これから一緒に見ていきましょう。

「観察」の精度を上げていこう

さて、お手本と、できあがったものは、本当に「同じ」でしょうか。もうちょっと二つをよく見くらべてみたいと思います。
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・お手本のひし形は、どうやらもう少し縦長のようです。
・さらによく見ると、お手本はひし形の角が少しだけ丸くなっています。
・「yucco」の文字のフォント(書体)もちょっと違うようです。
・緑は緑でも、お手本はもう少しくすんだ緑ですし、お手本は枠と文字が同じ色ですが、作ってみた方は枠と文字の色が微妙に違います。

よくよく見ていくと、これだけの違いがありますね。

ほんの少しでも「何か違う……」と思ったときは、諦めずに、お手本と自分が作ったものをよく見比べて、可能であれば画面上で重ねて表示してみたりして、一つずつ違いを見つけて、修正していきましょう

最初から完璧に出来なくて大丈夫。一つ見つけて、直したら、また比べて、また一つ見つけたら直して……を繰り返していけば、どんどん細かい違いが見つかるようになるはずです。
そして、どんな細かい違いも見逃さずに観察する習慣が付けば、さらにさらに小さな違いにも、自然と目が行くようになります。

「なんか垢抜けないなあ」からの脱出を目指したい方は、ぜひ「大体同じ」で妥協せず、「ぴったり同じ」になるまで頑張ってみてくださいね。

では最後に、次の二つのロゴマークはどこが違うでしょう。左がお手本、右がマネして作ってみたもの、という想定です。
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先ほどはパッと見て「違う!」と思った方も多いことと思いますが、今度はかなり似ています。ひし形の大きさも、文字のフォント、角の丸さも同じ……でもやっぱり、なんか違う、右の方がちょっと、垢抜けない感があると思います。さて、どこがどう違っているのでしょう。
正解は……

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まず、「yucco」の文字の大きさと配置が違います。
左は枠にぴったり収まるサイズで、中央が揃っています(yの字が大きいフォントなので、cの真ん中とひし形の真ん中が揃う訳ではありませんが、左右の余白がほぼ均等になっているはずです)。
一方右は、ちょっと余白が広めな上に、全体が若干右上に寄ってしまっています。

そしてもう一つ、外枠の色が微妙に違います。左は文字の色と同じ外枠ですが、左は文字の色と外枠の色がほんの少しだけ違います。
文字の色と枠の色については、必ずしも統一しなければいけないものではありませんが、今回は「お手本通りに作る」が目標ですから、色の違いは気付きたいところです。

この二つの違いが見抜けたら、観察の精度はかなり向上してきています!

観察の精度を上げることで、スキルの向上も早くなります。
是非「よく見る」に挑戦してみてくださいね。

何が違うのかは分かったけど、どこをどう操作すればそうなるのかが分からない

さて、しっかり観察出来るようになって、何がどう違うのかを見抜けるようになった!と、しても、今度は次の壁……「操作方法が分からない」が立ちふさがる事が往々にしてあるかと思います。

例えば、
・この色どうやって作るの?
・ここ、グラデーションになってるけど、複雑なグラデーションってどうやって作るの?
・点線書くのめっちゃ大変なんだけど……簡単な方法ない?
・角丸作るの面倒なんだけど……
……などなど。そんなときは、もちろん自分で調べていただくのが一番!ですが、調べ方も分からない……とか、探しても出てこない……ヘルプが何言ってるんだかわからない……という事も多いと思います。

そんな時の為に、各種ソフトの使い方をご説明するサービスをご提供中です。

ちなみにさきほど、頂くご相談の半分くらいが「お手本通りに作ってみたけど何か違う」だ、と申し上げましたが、残りの半分くらいは「専門ソフトを買ったはいいけど、何をどうしたらいいか分からない」です。
そんな状態でも大丈夫です。基礎の基礎から丁寧にご説明しますので、お気軽にご相談下さいませ。

余談


ここから先は完全に余談です。

私は趣味でDTM(デスクトップミュージック)を勉強しています。
ただそのくせ私、2和音以上の音が聞き取れないんですね。全く。「なんか2つ以上鳴ってる」しかわからない。
二つの和音が順番に鳴ったら「なんか変わった」は分かっても、真ん中の音が動いたのか、下の音が変わったのか、はたまた全部変わったのか、全然分かりません。耳がぽんこつです。

そんな私、先日から先生についてDTMを教わっています。そこで手始めに色々な曲の耳コピ(完成された曲を聴いて、パートごとの音を聞き取って、自分で演奏を再現すること)から挑戦することになりました。

まさに、デザインで言うところの「上手な人のマネをしてツールの使い方やデザインのやり方を学ぶ」のステップにいます。(なかなかそこから抜け出せません(笑))

そこで、どんなにどんなに必死に聞こうとしても、ベースの音が全然聞こえないという悩みに直面しているのですが、それを先生に相談すると、先生は事もなげに「ここはこれこれこう動いて居ますねェ」なんて言うわけです。
「聞こえた通りに弾けばこうなる」とのことなんですが、こっちは聞こえないんですよォ~~!って。

そこで、「ああこれって、相談者さんは精一杯同じにしようとしているのに、何がどう違うか分からない、けど、私から見れば一目瞭然で違う、っていうのと同じ状態だなぁ」……と、思いました。

慣れてくると「何がどう違うと言われても、だってぱっと見からもう全く違うじゃ無いか」と思ってしまうようなことでも、慣れないうちは「なんか違う」までは分かっても、それが具体的にどう違うのかを理解するのって結構難しいんですよね。

そんなわけで、観察力が低いときの気持ちも忘れないように、ひとつひとつの違いの見つけ方を含めて、丁寧にご指導できたらいいな、と、思いながらやっておりますので、サービスの方もご利用頂けたら嬉しいです。
有り難いことに枠が埋まっていることも多いのですが、DMでご相談頂ければ枠を増やしたり、スケジュールを調整することが出来る場合もありますので、お気軽にお問い合わせください。
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