文章見本
『雛人形』その言葉を聞いただけで、ウキウキするというか、心の中がじんわりと温かくなるのは、女性だからでしょうか。女性と言っても、まだその意味のわからない赤ちゃんも小さな女の子でも、小学生でも中学生でも、高校生になっても。二十歳、成人式の節目に振袖に手を通した時も、和装で結婚式をあげた時も、赤ちゃんが生まれてお母さんや、おばちゃま、おばあちゃまになった時も、きっと、女性なら、何回でも同じような気持ちが訪れると思います。結婚式の時は、お内裏様が隣にいる「お雛様」になった気持ちが一番するかもしれませんね。今の時代は、物心つく前から、初節句のお祝いとしてお雛様があるお宅が多くなりました。それでも、自分がどういうお雛様が欲しいか、わかるようになってから買っても良い、じゃないかしらという方針のご家庭もあるでしょう。だからこそ、お持ちにならない女の子は、きっと「いつ買ってくれるのかな」という思いで溢れていると思います。そう、女の子が生まれたら、同じく女の子だったお母さんもおばあちゃまも、バリバリ働いていて自分のお雛様を出すことすら忘れているおばちゃまだって、「こんなお雛様を買ってあげたいな」と思う気持ちはみんな持っていると思うのです。昭和の時代は、大きなおうちに、家族が一緒に住んでいることが当たり前だったりしました。おばあちゃまが赤ちゃんの時からあるお雛様を、1つのお部屋いっぱいに飾って、その家にいるいろんな世代のこんなの子たちが集って、桃のお節句を楽しみました。時が流れ、令和の時代になって、なかなか家族が一緒に住むということもできなくなりました。昔から代々持っているお雛様を、何の問題なく飾
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