(就職・転職)面接対策-ダイニング・クルーガー効果について知っておこう-

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就職、転職等の面接の準備を進めるにあたっては、自身の経験、体験を棚卸していくことが必要です。どんなことをやってきたか、どんなことができるか、得てきた経験やスキルを新しい環境でどう活かせそうか、等。

面接は自身をアピールする場だと思い込み、多少「盛った」実績や経験をお話しされる方もなかにはいらっしゃいます。しかし「盛った」エピソードは面接官にはすぐわかるもの。私も面談、面接時に自己PRや志望動機を聞いていると、早い時は1分程度、時間がかかっても5分程度あれば、「盛って」いそうかどうかの判断はついてしまいます。

自己評価と他己評価の差が著しく大きい場合は、本人の感じているストレス度が高いというデータも出ています(常に「自分は適切に評価されていない」と感じているので当然といえば当然です)。
また就職・転職の面接においては、「正しい自己評価ができていない人だ」という印象を面接官に与えてしまうことになります。

意図的に話を「盛って」いるのであれば、修正の余地はありますが、自己評価が他己評価に対して圧倒的に高い、またそれを本人が認知できていない場合は少々やっかいです。

そして「自己評価」の傾向としては、自身を過小評価していることよりも、過大評価してしまっているケースが圧倒的に多いという現状があります。

そこで今日は自身を過大評価していないかどうか、自身を過大評価をしてしまっている場合はどのように修正していけばよいかについて、まとめていきたいと思います。

ダイニング・クルーガー効果について

突然ですが、「能力不足の人ほど、自分の能力不足に気づけない」現象を、ダイニング・クルーガー効果といいます。
能力が低い人ほど自身の能力を高く見積もる傾向にあります。結果、現状を改善していこうとする意識・スキルが向上しない、ひいては低下していくことになります。

これはどのうような属性、組織においても発生することです。
ある大学で学生にテストを受けさせ、自分の成績を見積もらせる実験を行いました。すると、成績が低い生徒ほど、自己評価と実際の成績が大きく食い違っていた結果が出ました。
また教授陣においても、「自分はこの大学で、平均以上の教授であるか」の設問に対し、なんと8割以上の教授が「自分を平均以上」と回答したという結果も出ています。
これは企業組織においても似たような調査結果が出ることが多く、多数の人が「自分は組織内で平均以上」と考えているという現状があります。

ダイニング・クルーガー効果に陥りやすい要因

「平均以上の人が全体の8割」というのはほぼ起こり得ないことですが、なぜそのように自己評価が高くなってしまうのでしょうか。要因として以下3つが挙げられます。

1、フィードバックを受けることが少ない
 大人になって以降は、自分を本気で怒ってくれる人は就学時に比べ、どうしても減ってしまいます。健全に否定的なフィードバックをしてくれる人がいない環境に身を置いている場合は要注意です。

2、原因を把握していない(他責にする)
 物事が前向きに進まなかった際に、原因を自分以外に求めてしまうタイプの人は要注意です。自分以外に原因を求めてしまうと、改善することはできません。

3、他人の評価を適切にできない
 人は自分の能力を、絶対評価ではなく相対評価で下す場合がほとんどです。特に経験が少ないうちは、周囲の人の能力を正しく把握できない場合もあります。そうなると、自分を評価するものさし自体がおかしいので、必然的に自己評価もおかしくなってしまいます。

ダイニング・クルーガー効果を回避する方法

それではどのように、ダイニング・クルーガー効果に陥らないようにすればよいのでしょうか。

1、フィードバックを積極的に貰いにいく
 自分を客観的に見て、良い点も悪い点も率直にアドバイス、フィードバックしてくれる人を見つけ、自分からフィードバックして貰えるようお願いしましょう

2、自分に原因を求めるクセをつける
 原因を自分以外に求めるのではなく、自分に非はなかったか、もしまた同じ状況に陥った時、どのように自分が対処すれば善処できるか、事象の結果、原因を「わがこと」として捉えましょう。
 一方で、自己評価が高いことは、悪いことばかりではありません。自己評価が高いことで、自己肯定感が高まり、物事に自信を持ってあたれるというメリットもあります。自身を「客観的に」「正しく」把握しよう、という意識を持つことが重要です。

3、自分の評価は誤っているかもしれないという認識を常に持つ
 自分の判断基準が誤っている場合もありえます。自分の主観が絶対、という意識は捨て、常に客観的に、事実をみるように心がけましょう。

まとめ

・自己評価が他己評価よりも高くなってしまっていることがとても多い、という事実が存在する

・能力が低いほど、自己評価が高くなる傾向がある
 これをダイニング・クルーガー効果という

・ダイニング・クルーガー効果は、自分にフィードバックしてくれる人がいないと発現しやすい

・ダイニング・クルーガー効果を解消するには、自分に対してのフィードバックを積極的に貰いにいき、自責にして物事を捉え、自分の評価基準は間違っているのかもしれない、という意識を常に持っておくことが重要
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