『歌を録音する時、データを書き出してミックス師さんに送る時…ステレオ?モノラル?』
『そもそもステレオとモノラルの違いって?』
と悩んでいらっしゃる歌い手さん向けの記事です。
✔︎本記事の内容
1、歌の録音をする時はモノラル
2、データの書き出しもモノラル
3、ステレオとモノラルの違い
レコーディングの専門学校を卒業、2018年~ミックス師として115曲ほどミックス(2021年2月現在)をしているハシマミが解説します♪
歌の録音をする時はモノラル
歌の録音をする時は「モノラル」で録音をします。
マイクは一本で録音しますよね。ケーブルも一本だけ繋がっていますね。
一本=モノラルです。
スマホやiPhoneもマイク部分は一つしかないので、モノラルで録音されます。
DAWでモノラルトラックを作成して、実際に録音をすると波形はこのように1つのものになります。
オフボーカル(カラオケ)音源は基本的にステレオなので、波形はこのように2つのものになっています。
因みにモノラルで録音をするのはボーカルの他に、ギター・ベースなどケーブルが一本のものや、バスドラムやスネアなどマイク一本で録音をするものがあります。ステレオで録音をするものはキーボードやシンセサイザーなど音が左と右(LR)2つから出力されるものや、ドラム全体の音を2本のマイクで録音をする場合などです。
データの書き出しもモノラル
データを書き出す(エクスポート、またはバウンスとも言います)際も、モノラルです。
ステレオで書き出されたボーカル音源でもミックスは可能ですが、モノラルの音源と比べてデータの容量が大きくなってしまうのと、ミックス時のエフェクト処理などの関係で少しだけ音質に変化が出てしまう可能性があります。
他にも、”パン(Pan)”と呼ばれる音の定位置を決める作業があり、例えばほんの少し右の位置に音を置きたいと操作をする場合、モノラルだと1つ動かすだけでいいのですがステレオだと2つ動かすことになります。
モノラルだと1つ動かす※使用するDAWにより表示形式は異なります。
ステレオだと2つ動かす※使用するDAWにより表示形式は異なります。
殆どのミックス師さんがステレオで貰ったデータはモノラルに分割をしてミックス作業をされていると思います。
が、DAWによってはモノラルの書き出しができないものがあります。GarageBandではモノラルでの書き出しができないようです(録音はモノラルでできます)
ミックス師さんに「ボーカル音源はモノラルでください」と言われたら、DAWの仕様でモノラルの書き出しができない旨を伝えましょう。
書き出した音源がステレオかモノラルかわからない場合は、書き出したファイルのプロパティや情報を見てみましよう。
以下はMacの例ですが、「詳細情報」の部分で確認ができます。
モノラルならオーディオチャンネルが1になっています。
ステレオならオーディオチャンネルが2になっています。
ステレオとモノラルの違い
モノラルは1台以上のスピーカーがあれば再生ができる音源、ステレオは2台以上ないと再生ができない音源です。
「再生」というか「そのように聞こえない」と言った方が良いでしょうか。
モノラル音源は1台のスピーカーで聞いても2台のスピーカで聞いても、全ての音が真ん中から鳴って平坦に聞こえ、ステレオ音源は左にエレキギター、右にアコースティックギター、真ん中にボーカルとベース…と左右に広がって鳴るので立体的に聞こえます。
現在のテレビ・ラジオ・音楽の殆どはステレオ仕様になっていますが、昔のテレビやラジオ・レコードはモノラルでした。ステレオだと立体的に聞こえて迫力がありますが、モノラルのサウンドは素朴な感じがして味があって、私は好きです。
最近はサラウンド(映画館などの音響設備)、バイノーラル(音が3Dで聞ける)などより立体的で臨場感がある、あたかもその場に居るような感覚になる音楽や音声を聞ける時代になりました。
終わり
ステレオにすれば音質が良くなっていいのでは?と思うかもしれませんが、モノラルのものはモノラルで、ステレオのものはステレオで、正しく録音やデータの取り扱いをするとより素敵な作品に仕上がるんじゃないかなと思います。
ぜひ覚えておいていただければ幸いです(^ ^)
それでは、また。