おかののかお③

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コラム
歌詞に導かれる生き方。本に呼ばれている運命…というようなことをよく思います。
前にも書いたポルノグラフィティの「オレ、天使」の詞。全部ではないですが、ちょっと引いてみます。

Say it to.Good bye. 幻想にGood-bye
旅立ちなんだ 泣かないで良いよ街は荒野で
行くしかないよ 行くしかないよ 空が落ちる
赤い空が迫りくる

サビのところなのですが、乱高下する音程と不安をそそる怪しいコード、漫画みたいなヴォーカルの声…クセになる一曲ですが、この頃この詞にまた誘われたというか、あ~また私の事を歌っている、と思ったりして。

車を買うべくあちこち見て回り、もうこれで良いかな?と思える1台に一応は出会えたので、契約しました。ぺらっぺらのB5の紙に、車種と価格が掛かれただけの紙です。もちろん契約なので、大事な書類とはわかっていますし、何らかの契約をすることは、ものすごいのっぴきならない事態だとも理解しています。ただ、また父親が、
「ああ~、そんな都会で車なんか、持たないで良い。持つ必要ないよ。
危ないし、金が掛かる。マイカーブームは昔の事だ。
父さんのマンションの駐車場もガラガラだよ。誰も不便だから買わないんだ。
外出のたび、停めるところが無くて難儀するぞ。
パーキング代が高い。圧倒的に電車が便利。保険代も高いし、絶対に反対!」


そんなことは百も承知で買うつもりになったのですが、父は足腰が立たなくなって、もうなかなか会えなくなった父を、普段の買い物にもとても苦労しているらしい父を、送迎できたら良いなと思って買うのだとは、そんな良心があるのだとはつゆしらずに、ただ私が一時的な気分で玩具でも買うようにして車を買うのだと思っているのです。社会人として、普通の大人として、経験すべきことを何一つしていない私は、いつまでも子供で、何もできないままだと決めているのです。
反撥する気持ち、自分を心底信じていないらしい様子は、私を逆方面へ強く導いたと言えます。もっと伝え方っていうものが、あるのではないか。私は教育者なので、こういう場合に、相手を尊重しない、信頼しない姿勢は絶対に見せないで相手を従服させる方法を、知っています。

結果、確かに要らないかも知れない物を買う羽目になって、その売り手がちょっと気に入らなかった(物は欲しかったのだけれど、そいつに儲けさせるのは癪に障るというか)、他の店と比べてもかなり強気でボっていると思うし、何より納車時に、「帰りは駅まで送れ」との条件が付いている、「だってぇー、そんな所に降ろされても、道わかんなくて、帰れないじゃん?困るよぉー」??それができるから有料で頼むのではと驚いた。第一、夫と2人でいちゃ付きながら乗って来ると言うのだし、同乗して来ないで、2台に分乗すれば、帰りは夫とかいう人の車で帰れるじゃないか、、、いけすかないディーラーのクソばばあを何でわざわざペーパー歴20年以上の私がいきなり乗せていかなきゃならんのだ。気色悪い。納得がいかない。

男の売り手だったらなぁ~~、全然OKだったんだけれど。結局はそこが引っ掛かって、やめることにしました。別のを買おう。この決断の裏にはでもやはり父の猛烈な反対があったのは否めないのです。

車を持って、無謀な日々を送る、それは私にとって未知の「荒野」には違いなく、こわくて怯んでも、泣いても、行くしかない。そう自身に言い聞かせる日々になることでしょう。そんな時に落ちて来る赤い空とは?迫って来るのは神かそれとも地獄か!意味深で、予知めいて、胸を刺してくる詞です。

こんな意味の無さそうな詞に、深い意味を見出す時、わたくしはすべての芸術に深く感謝するのです―。

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