『U理論』の要約(1章ずつの詳しい要約+読書ガイド付き)

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ぷれぜん仙人
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U理論は、MITの教授オットー・シャーマが10年以上前に発表した「超骨太」の経営書です。

"時代の先を行き過ぎていた"感があるこの経営理論、このとてつもなく変化が早く、しかも、未来のことが「全く読めない」現在だからこそ、その価値をますます増やしていると思います。

しかし、、、

この本ですが、あまりに分厚く、しかも内容が小難し過ぎて、多くの人にとっては「読了することが困難」な本だと思います。

そこで、私が「1章ずつ」分かりやすく、このU理論を噛み砕いて解説した要約+私個人の補足を含めた読書ガイドをご提供しました。

U理論に挫折した方はもちろん、これから挑戦する方にとっても、「読書ガイド」として活用いただければ幸いです。

将来値上げ予定ですが、最初の10人様だけ、「500円」でご提供させて頂きます。カフェ1回分を節約すれば、この難解なU理論を理解し、活用頂けると思いますのでぜひご検討いただければと思います。

3章までは無料で読めますので、ぜひご覧になってみてください。


U理論の要約


全体としての要約


■どんな本なのか?

一言で言うと、「これまでの経営学が扱っていなかった問題解決、リーダーシップ、学習などの創造的プロセス」について書かれた本です。著者は、「創造的な仕事をする人」や「第1級の専門家」が、偉大な仕事をする際のプロセスを観察・分析しそれを「Uプロセス」と名付け7つの段階があることを明らかにしています。

多くの経営学などで扱われているリーダーシップや、学習のプロセスというものは、「既に起こったこと(過去)の分析」から導きだされます。そして、私達は「成功事例」や「過去にうまくいったやり方」などを学習し、それによって問題解決やリーダーシップをとりがちです。しかし、著者は、あまりにも変化が激しく、問題も複雑化している現代においては、こうした表層的な「既知のもの」から問題解決をするというアプローチではうまくいかない、と考えています。

本書は、こうした「過去」をベースにした問題解決、リーダーシップ、学習などに変わる新しいパラダイムとして「出現する未来から学び、リーダーシップを発揮する方法」について解説しています。副題の「過去や偏見にとらわれず、本当に必要な変化を生み出す技術」にあるように、「過去や偏見にとらわれない」というところがU理論を理解する上でとても重要なポイントです。

今までの研究と、本書との大きな違いを「画家の例」を使って著者は説明しています。優れた画家が優れた絵を書くための方法として、①画家が描いた作品②それを書いている間のプロセスなどについて研究するのが過去の研究でした。

しかし、とても重要なこととして③なぜ画家はその絵を思いついたのか??という画家がインスピレーションを得て、白紙のキャンバスの前に現れる前の動機、キッカケ などについては、過去の研究というものは十分に明らかにできていないと著者は考えています。

これはビジネスの世界に話を置き換えますと、①生み出された商品やサービス②どうやってそれを作り出したのかのプロセスなどについては研究し、分析し、解明されていることが多い。しかし、優れた経営者が③なぜ、そのビジネスをやろうと思ったのか?なぜ、おもいつくことができたのか?その原動力はどこにあったのか?などについては、「盲点」となっておりブラックボックスの中のことになっている場合がほとんどです。

しかし、優れたリーダーと、その他大勢を分ける部分はこの③の部分にあり、現在の世界で起こっているような複雑で大きな問題に対処していくためには、過去にうまくいった方法論の適用やその場しのぎの対処療法的な問題解決ではなく、新しい創造、リーダーシップのプロセスが必要になってくると著者は考えています。そのプロセスについて解説したものが「U理論」ということです。

U理論は大きく7つの段階に分かれており、①ダウンローディング ②観る ③感じ取る ④プレゼンシング ⑤結晶化 ⑥プロトタイピング ⑦実践するという7つになります。この7つの要素が本書の第2部で書かれており、キモとなる部分です。

本書は大きく3部構成になっており、全21章からなっています。

第一部は理論編、第二部がU理論の7つのステップの解説、第三部が現実世界でU理論を適用し問題解決、リーダーシップ、教育などを行っていく上でのケーススタディという感じです。

U理論を理解する上でとても重要な概念として「オープンマインド、オープンハート、オープンウィル」という3つの「オープンさ」が重要です。

多くの人は意識的にせよ無意識的にせよ、「自分の知っている知識」をもとに考え、「自分がみたいものを見る」という「過去に囚われた思考」で問題解決やリーダーシップ、学習などにあたります。しかし、U理論が扱っている「出現する未来から学ぶ」ためには、この3つのオープンさがなければ不可能である、ということですね。

■本書についての私なりの補足

このU理論のユニークな点として、従来、「スピリチュアル」な領域として扱われていたようなものを、MITのバリバリのビジネス系の教授が解説したというところにあるのかな?と思っています。

従来の経営学では、経済学などの定量的、ロジカルなアプローチが主体でしたが、このU理論が扱っているのは、「潜在意識」「超意識」「ソースにつながる」「フロー状態」などの宗教や瞑想などのカテゴリーが扱っていたようなテーマです。(こうしたテーマに馴染み深い方にとってはとっつきやすいと思いますが、こうした分野に馴染みがないと「胡散臭い」と感じてしまうかもしれません)。

今まで「インスピレーション」などの言葉で片付けられてきた優れたリーダーや起業家の発想の裏にあるものを、とてもロジカルな形で言語化しているところに本書の価値はあるんじゃないかなと思います。

これを読んで、全ての人が「よしわかった!こうやって発想すればいいんだ!」と実行できるか?というと難しい気がしますが、これまでの「過去の知識」をベースとした問題解決で壁にぶつかっている個人や組織が、そこにブレークスルーをもたらすためにはどんな考え方、どんな行動様式が必要なのか?ということを理解する上では、非常に重要な知見を与えてくれるものだと思います。


第1部 盲点に突き当たる

第1章 火事


■本章の要約
わずか3ページの短い章です。著者の実家が火事で焼け落ちたときに、焼け落ちていく家を呆然と見つめながら「違う次元の自己の存在」に気づいた時のエピソードが書かれています。焼け落ちた家=過去の自分の集積、とは違う「未来につながっている自分」を感じることができたと著者は言っています。

■本章の重要ポイント
一種の「サトリ体験」を具体的なエピソードを通して伝えようとしている内容です。「過去→現在→未来」という時間の流れではなく、「未来→現在」という時間の流れを初めて体感した、というのがポイントです。

第2章 Uへの旅


■本章の要約
U理論の全体のプロセスを概観している章になります。

多くのうまくいかない問題解決法や学習法は「過去」を起点にしたものです。すでに知っていること、業界の常識、過去の成功事例、自己の信念などをベースにスタートすることを「ダウンローディング」と筆者は言っていますが、そこから離れるためには「手放す」ということが重要だと言っています。

既存の知識や習慣によって問題解決を図るのではなく、まずはオープンマインドで、「ひたすら観察する」ということが重要です。そして、オープンハートをもって、「視座を転換する」、最後にオープンウィルを持って「手放す」ということをした時に、U字の一番深いところ(=ソース)に繋がることができると著者は言っています。

このソースに繋がった状態から浮かび上がってきたアイディアやモチベーションに動かされて行動する時に、とても創造的で、「出現する未来から学ぶ」ようなリーダーシップや問題解決が行える・・・というのが本章のポイントであり、U理論全体としてのダイジェストにもなっている章です。

■本章の重要ポイント
重要なのはリーダーが「何をするか」ではなく、「どんな動機で行っているか」。

同じ人が、同じ状況で、同じことをやったとしても、「内面の状況」によって結果は大きく変わってしまう。

U字型の一番底の深いところにおりていく=「内面の最も深いソースから見る」というのが、未来の最高の可能性を感じ取り、実現する上で重要。

思考、感情、意思を「オープン」にすることで、誰しもがこの「ソースから見る」ということを体験できる。(逆に、既存の知識、こだわり、先入観がそれを邪魔する)

認知には2つのレベルがある。1つ目は「理解する」ということ。これは自分の意識できる認知に基づくもの。2つ目が「ノウウイング(知っている)」という深い認知に基づくもの。

最高レベルのリーダーは、認知において3つのプロセスを活用している。それは、「徹底的に観察する」→「内から湧き上がるものにつながる」→「すばやく行動する」というもの。

Uの左側の曲線を下っていく(=ソースに繋がる)上で重要なのは、①保留②視座の転換③手放すこと。

習慣的な判断や、習慣的な自己を「手放す」ことで初めてソースに繋がることができる。そこでは「私とは何者か?」「私の成すことは何か?」という質問にぶつかる。

リーダーはこのUの左側を降りていくためには、3つの敵と戦い勝利する必要がある。それは、1,オープンマインドへの敵(評価・判断の声)2,オープンハートへの敵(皮肉・諦めの声)3,オープンウィルへの敵(恐れの声)の3つ。

「古い自己」を捨てて、「新しい自己」に出会うことがソースに繋がるためのポイント。

■本章に関しての個人的な補足
人によっては「スピリチュアル」な感じを受けるようなボヤッとした感じの説明が多い章ですね。とにかく、「手放す」ということが強調されています。意味は分かりますが、実際に行うのがすごく難しいところですね。どうしても人間は「エゴ」が邪魔をして、自分が正しいと思うこと、過去にうまくいったこと、などをベースに判断しがちだと思います。

しかし、それを手放した時に「ソース」に繋がれる・・・ということですね。これは瞑想とか悟りの修行で言われるような「煩悩の火を消した時に悟れる」と同じ話だと思います。この章を読むだけでもユニークな経営学の本だということがよく分かりますね。


第3章 学習と変化の四つの層


■本章の要約
変化に対するアプローチ方法には、その「深さ」によってレベル1〜4まで大きな違いがあるということが書かれている章です。一番浅い「反応」から始まり、「再設計」、「枠組みの再構成」、「プレゼンシング」まで4段階に分かれています。

現在の個人や組織が直面しているような複雑で大きな問題に対しては、レベル1〜2のアプローチでは太刀打ちできず、レベル3、レベル4のアプローチ方法が重要であると言っています。ただ、この章は問題提起にとどまり詳しい内容については次章以降で述べられていきます。

■本章の重要ポイント
・多くの組織や個人が行っていることは、レベル1〜2のアプローチであり、それでは複雑で大きな問題に対処することはできない。

・レベル3以降にいくためには、「当たり前になっている行動の”前提そのもの”について内省する」ということが必要になってくる。

・レベル4のプレゼンシングとは、個人や集団が「未来の最良の可能性につながっていく能力」のこと。

・重要なことは「目に見える結果」などだけでなく、それを生み出している「目に見えないもの」に注意を向けること。(「物質と精神の再統合」)

・私達の行動の質を決めているものは、目に見える表面上のものではなく、目に見えない「社会構造の深層構造」の中に秘密が隠されている。

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