「この人はどうしていつも感じ悪いんだろう」
「友だちに距離を置かれている気がする」
「意見がぶつかって、ぎくしゃくしてしまった」
人間関係の悩みは生きている限り、切っても切り離せないものです。
良好な人間関係を築いたり、人から信用されることは、自分の可能性を広げることにもつながります。
人間関係を潤滑にするためには、交渉事を上手く進める、いざこざが起きないようにする、など様々なコツが必要になることが多いですよね。
今回はそれらを踏まえた
「良好な人間関係を築くための3つのコツ」
について、紹介していきます。
1.コントロールできる部分を自覚しておく
相手の感情や行動は、「こちら側ではコントロールすることができない」と自覚すると気持ちが楽になることがあります。
例えば、
「職場の人の機嫌が悪い」
とします。
すると中には
「自分が気に障ることをしたのではないか」
「相手の気分を損ねないように場を和ませなきゃ」
と思う方もいるのではないでしょうか。
近くに機嫌が悪い人がいると、こちらも嫌な気持ちになりますよね。
ですが、そこで気を揉んで相手の機嫌をよくしようと頑張ってしまうと、こちら側が落ち着かず疲れてしまいます。
自分が頑張ったところで、状況が良い方向に変わるとも限りません。
このようにして、相手の反応や感情をこちら側でコントロールしようとする状態は自分にとって「良好」といえないのではないでしょうか。
心理学では、相手と自分の間に心の境界線を作ることを「バウンダリー」と呼びます。
バウンダリーを持つことで、他人中心の考え方から距離を置くことができます。
他人中心の考え方をしていると、自分で自分の心をコントロールできなくなってしまいます。
相手のペースに飲み込まれないようにするためにも、まずは自分と他人の境界線を自覚しておくことが大切です。
2.場合によっては断る勇気を持つ
「本当は断りたいけど、断る勇気がない」
そんな状態も、自分にとってはストレスが溜まってしまう要因になります。
頼まれたことを引き受けることで、人付き合いは良好に進むこともあるかもしれませんが、自分に負担がかかってしまう状態は好ましくありません。
「アサーション」という自己主張の方法の中に「DESC法」というものがあります。
DESC法の「DESC」とは、
Describe(描写する)
Express(説明する)
suggest(提案する)
Consequences(結果を伝える)
の頭文字を表しています。
(他にも様々な訳し方がありますが、今回は上記に絞らせていただきました)
DESC法の詳しい意味については、下記の画像にまとめてあります。
例えば、
友だちに遊びに誘われたけど、気が乗らない場合
上の画像のようにと伝えてみると、相手に気持ちが伝わりやすくなるでしょう。
伝える手順が決まっていると、自分の思いをまとめやすくなりますよね。
断り慣れていない場合、DESC法で伝えるのにも時間がかかってしまうかもしれません。
しかし、練習を重ねながら、少しずつでも気持ちを伝えられると、自分も相手も大切にできる関係につながっていくと思います。
我慢をする人間関係を続けていると、心身へのダメージが大きくなってしまいます。
断る
という選択肢を自分の中に用意しておきましょう。
3.合わない人を多面的に捉えてみる
「なんとなく合わない…」
そう思うことはありませんか?
人は
「この人魅力的だな」
と感じることがあれば、それとは反対に
「何となく好きになれないな」
と思うこともあります。
それは、人間として当たり前の感情です。
心理学では「自分と似た性質を持つ人」に魅力を感じやすいといわれています。
合意的妥当性仮説といわれる心理学の概念では、
自分の価値観が共有されている
と感じると、
自分の考えは正しい
と思えるようになり、
自信につながる
と考えられています。
このようにして、自分と他者の要因が組み合わさって、好きという感情が生じてきます。
それとは反対に、他者を嫌いになる要因として、
・自分と違う(性格や考え方、価値観など)
・相手への妬み
・相手が傲慢
・相手が自己中心的
・相手の主張が強い
・自分と嫌なところが似ている
・外見
・話し方
があげられるという研究結果も出ています(斎藤,2003)。
相手と合わないことが、自分のせいだと思ってしまうと、常に自分を責める気持ちが生まれてしまい、苦しい感情に包まれてしまいます。
「合う人もいれば合わない人もいる」
という心持ちで、まずは自分を一番に考えてあげることが大切です。
そう考えたうえで、もし自分の中で余裕があれば、
相手のいいところ・嫌いなところ
を考えてみてもいいかもしれません。
もし、いいところが一つも思い当たらなかったら、
どうして相手のことが好きになれないのか
よく考えてみましょう。
自分の中で生じた
嫌い・苦手
という気持ちは自己理解を深めるための鍵になるかもしれません。
4.まとめ
今回は良好な人間関係を築く3つのコツについてお伝えしました。
人間関係を何とかしたい!
と考え試行錯誤していると、人間関係の課題から抜け出すことは、難しいことではないかもしれません。
大切なのは、現在、自分が困っている原因に気づけていることです。
たとえ試行錯誤の結果が上手くいかなかったとしても、問題解決のために勇気を持って挑戦することは、思いがけない良い結果を生むこともあります。
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5.参考文献
・ありふれた人間関係論よりイソップ童話,植西聰(2008),PHP文庫.
・対人的嫌悪感情に対する社会心理学的研究,斎藤明子(2003)九州大学心理学研究4,187-194.