MUSES05デュアルDIP化 製作

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2021年頃、待望のMUSES05が発表されましたが、世の中の状況変化などにより、ほとんど市場に出回りませんでした。

ようやく秋月電子で販売されたかと思えば、すぐに売り切れ、その後も半年や1年が経過して忘れた頃に再び突発的に入荷され、この繰り返しでした。

そのような中、2024年2月中旬、MUSES05が再び入荷しました。
この機会に試しに4個を購入しました。


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今回購入したのはMUSES05、変換基板、PMLCAP、丸ピン、ブレッドボード、総額約13,000円相当です。
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届いたMUSES05のパッケージがやたら大きいと思ったら、下駄の丸ピン連結ソケットが2列タイプでした。
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MUSES05をDIP化して使用するためには、まずMUSES05をシングルでDIP化し、さらにDIP化したMUSES05をデュアル化する必要があります。

2段階の変換が必要となることから、今回は付属の下駄は使用せず「アムトランス金メッキOFC単線」を使いたいと思います。
一般的な丸ピンソケットは真鍮製のため、音質を考えるとせめてオペアンプと変換基板との間は、銅線が望ましいです。

【デュアル化基板の製作】
DIP変換基板のキット(310円)が売り切れのため、部品を個別に揃えて製作しました。

・基板 1枚40円
・ICピン 1個70円
・PMLCAP 0.1uF 1個70円

PMLCAPは丁寧に個装されているので大量に使うときは開けるのが大変です。
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まず、PMLCAPをはんだ付けしていきます。
ここではハンダの量を気にすることなく、とにかく素早くはんだ付けを行います。
PMLCAPの電極にコテ先を付けると熱で劣化する恐れがあるため、あくまでも基板側の電極にコテ先を当ててハンダを流し込むイメージで作業します。
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余分なハンダを吸い取ります。絶妙な加減が必要で、全部吸い取ってしまうと1からやり直しです。
コテ先に力を加えると基板が傷ついて見栄えが悪くなるので注意します。
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最終的に、このようにきれいなフィレットが形成されます。基板にも傷がついていません。
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先ほど熱で劣化すると書きましたが、このPMLCAPはECHUと比べると格段に熱に強いです。
400度まで耐えられるとのことで、コテ先350度の手ハンダも対応と記載されています。私が知っている限り、これはPMLCAPだけです。

とはいえ、フィルムコンデンサには変わりありませんので、最低限の加熱で取り付けます。
【参考】テクニカルノート
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さて、丸ピン足を基板に取り付けます。基板側の足が出っ張るので、赤線の部分でカットします。
音質に関わる部分のハンダは、【オヤイデ電気 SS-47】を使用しています。
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ブレッドボードに差し込むと安定して作業できます。
基板と足が浮いていないことを確認してハンダ付けを行います。
この時点では、フラックスがベタベタですが、後ほどきれいにします。
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次に、MUSES05本体に足を取り付けていきます。
アムトランスの金メッキOFC単線を取り付けます。
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この際、スルーホール内の電極に銅線の足がしっかり接触するように気を配ります。
銅線の足が基板の電極に接触していない場合、ハンダを介在した接続になってしまうため、音質に不利です。

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シングルDIP化したMUSES05基板を、さらにデュアル化基板に固定して完成です。
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フラックスを除去しました。作業性、導通性にこだわった結果、ややハンダ過多気味です。
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若干の傾きはあるものの、高さがある程度そろっているので、ほどほどの出来栄えです。

1,5,8ピンは未使用端子(NC)ですので、銅線も接続していません。
LT6018など一部のシングルオペアンプは、1,5,8ピンの接続を指示しているケースもありますが、MUSES05はNCでした。
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上から拡大した写真です。芋ハンダにはなっていないため合格とします。
オヤイデSS-47は鉛フリーハンダのため、金属光沢が少なめです。
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ヘッドホンアンプに取り付けてみました。音質良好です。
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