【目的論と原因論】アドラー心理学は心の中に興味なし?

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興味ありません。

ものすごいドライなんです。心理学という名前なんですが、個人(アドラー)心理学では、心の中の話がありません。

わたしも、長年やってきたカウンセラー実習のくせがついておりまして。「相談を受けるぞ」と決めてスイッチを入れたあとは、その人の心がどれだけ傷ついていても、困っていても、「あ、そうなんですか」と思っています。相談内容を読んだときは「うわあ、つらいだろうな」とか思うんですが、いざ、鑑定に入るときは「ふむふむ」と冷静になって、感情移入しなくなります。

「なんか冷たいね」

よく言われます。

「でも心の中を問題にしないのに、悩みなんて解決できないじゃん」

しかしこれが、そんなことはないんです。



心の中なんて誰にもわからない

「あらゆる悩みは対人関係の課題」とはアドラーの有名な言葉ですが、これは個人心理学の根底に流れる概念です。つまり問題にしたいのは、他人と一緒にいるときの心の状態(心の中ではない)なんです。

もうひとつ、個人心理学では「人はひとりでは生きていけない」と考えています。そしてそれが、人間の本来のあり方だと思ってます。

なんでそんなことが言えるのかというと、人間には拘禁反応というのがあって、ひとりぼっちでいると発狂しちゃったりするんです。刑務所などは独房に入れられたとしても週2回くらいの体操の時間があって、だから発狂はしないんですが。

ですから、人間は本来ひとりぼっちで生きられるようにつくられてないんです。そうじゃないと人間は人間じゃなくなるからです。アドラーはそこに注目しました。

ひとりの人間の観察をせずに、いつも人との関係の中にある分析をしよう。だって、個人で悩んでいるときの心の中なんてわからないもん、ということです。なんでわからないか。観察できないからです。そして観察者がいるとしたら、他人と一緒にいます。だから、まずは人間と人間が一緒にいる状態を考えます。



わかるのは外から見える「行為」だけ

さて、「それはわかったけど、心の中を観察しないなら、なにを観察してるのさ」ということですよね。結論からいえば、我々が観察しているのは「行為」です。なぜなら、観察できるからです。

うるせー! と言いたくなったでしょう。わたしも最初に聞いたときに「うるせえな」と思いました。観察観察って。でもそうとしか言いようがないんですよね。

「行為=行い」というのは、体の動きや言葉ですよね。確かにこれなら、外から観察できるんです。しかし心の中は、尋ねてみるとなにかは言うけど、言うときに観察できるのって心の中ではなくて、言葉なんですよね。それって「表面的なお気持ち」(大概は煩悩まみれの)であって、本当の心の中は誰にもわからない。

だって口先だけの心の中に注目してたら、科学じゃなくなるじゃないですか。

お医者さんも「自分は健康です!」って言ってる人の言葉を鵜呑みにしないですよね。ちゃんと診察して検査して、「君ね、症状ないだろうけどなんか腫瘍があるよ」なんて言われたりする場合もあるわけで(だから健康診断があるんでしょうなあ)。

ですからアドラーは、外から観察できる行為に注目しました。そこからすべての目的が見えてくるからです。

目的は、ということは、原因を考えない。下記でもお話したとおりです。原因はあるんだろうけど、考えない。



原因は無数にあるが、目的はひとつだけ

なんでかって、原因を探したところで、明確にはわからないからなんです。何事も、原因って(大抵は)無数にあるんですよね。きっかけはひとつかもしれないですが、原因はひとつだけじゃないんです。

たとえば離婚問題とか。トゥクトゥーンッな小田和正よろしく「あの日あのときあの場所であれがあったから離婚した!」って人は、滅多にいないんじゃないでしょうか。日々の積み重ねが耐え難くしていって、お互いが離婚を決心したりするわけで。

だから原因はわからないし、その話をしてもナンセンスということなんです。でも目的はわかります。自由になるためです。

「目的はいつもひとつ!」なんです(コナンみたいになりましたが)。

あとは、「不登校の原因は〜」というのもよく聞く話なんですが、問題の立て方が解決を困難にしているように思います。ですが「不登校の目的は」と考えると明確ですよね。「学校に行かないこと」ですから。「学校に行くことがつらい」あるいは「学校に行くのが不安」だからです。これも、目的はひとつですね。

そして突き詰めると、人間の目的はすべて、「社会に所属すること」です。

「仲間だ」
「必要とされてる」
「私の居場所だ」

と思うことです。なぜ言い切れるか。「人はひとりでは生きていけない」からです。そしてそれが、人間の本来のあり方だからという話に、戻ってくるんです。

それで、じゃあ、まごまごモヤモヤした課題がある場合は、どうすりゃいいんだよ! ってなりますよね。

簡潔ですが、周りにそういう人がいるなら、あなたがまずはその人の仲間になることだし、あなたが当事者なのであれば、あなたがあなたを認めることからはじまります。

これ以上は長くなりそうなので、つづきは、また今度。




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