物語シナリオ講座 第三回 アイデアを発展させよう(AIも活用)

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さて。第二回でなんとなく面白くなりそうな冒頭のアイデアが出来ました。
傘の話です。🌂私はこの傘というアイテムを日頃から気になっています。
一度手を離れた傘が知らない間に戻って来てる、というアイデアを発展させていきましょう。
このブログで考えるオリジナルの物語です。

「女性が出てくるラブストリーっぽい話」と、
「傘に血がついてるサスペンス」がアイデアとしてありますが

どっちの方向に発展させるかが問題ですが…。
サスペンスの方を選んでみますね。

冴えないサラリーマンが、飲んで帰ってお気に入りの傘がないのに気が付きました。

ここで何か、フラッシュバックで、どこでなくしたのか思い出そうとしてもいいですね。
会社なのか、帰りの電車の中か、途中で立ち寄ったバーなのか。

これはこのサラリーマンの一日の紹介になって大事な傘をなくしたことのショックの表現と、サラリーマンの日常の紹介の一石二鳥です。
これはあとで【回想のテクニック】の項目でやりますが、長い回想は話が停滞して前に進まないのでいけません。
出来るだけ短いフラッシュバックにしましょう。

また、これは、主人公自身の紹介でもあります。
出来るだけはやく、主人公が、どういう人か、お客さんに掴んで貰うほうが感情移入させやすいです。
読者の感情移入、というのは書き手が意識しなければいけないとても大事な要素です。
興味がない人物に長々と読者は付き合ってくれませんからね。
それは主人公の魅力、という問題でもあります。
うまい書き手は、書き出し数行で主人公を掴ませてしまいます。

今回の場合、いろいろ一日のことを思い返す、というのは主人公の今置かれている状況や、周辺の人物も紹介できて(手前味噌ですが)悪くないやり方に思えます。
これはあとで【主人公について】という項目を作りそこで説明します。
また、主人公をミステリアスにぼかして、だんだん明らかにしていく、という手法もあります。

読者に主人公がどういう人物かがっつりイメージを掴んで貰うか、ぼかしてぴっぱるか。どっちかに意図的に振り切って読者にこの人物に興味を持って貰わなければなりません。

ストリーに戻りましょう。

それでも、主人公は、深夜とあってあれこれ考えても仕方がないので、寝てしまいます。
寝る前に心当たりがあってひとつくらい、どこかに電話してもいいかも知れません。
電話の相手は、あとで登場する重要な人物か、何かの伏線になりそうです。
しかし、これは具体的なアイデアがまだないのでオプションとしてその可能性も考えるということで置いておきます。

また、このあたりで、部屋の中にどこか違和感を感じる、ってパターンもありますね。誰かが留守中に入ったかも知れない?
これもオプションです。

サスペンスの小説を沢山読んだり、映画を沢山観ていれば、面白くなりそうなシチュエーションは容易に思いつきます。
そういう意味では作家はつねに映画や小説を読んで面白いパターンを勉強しておく必要があります。

これは、商品の「仕入れ」のようなものです。
映画や小説を楽しんでいれば「仕入れ」になるんだから良い商売ですよね。
そればかりか、実体験も「仕入れ」です。
どんなに辛い体験をしても、たとえばお金を大損しても、大事な人を失くしても、そこで何を感じるのか、それが作家にとっては「売り物の仕入れ」ということになるのです!
となると、どんな不幸でも作家にとっては「収益がプラスになるかも知れない大きな仕入れ」です。なんと素晴らしい職業なんでしょう!
しかもその仕入れはすべて無料なのです。
年齢を重ねることも「仕入れ」です。
心の棚をいっぱいにしましょう。

話を元に戻します。
寝るとなると、夢もなにかに使えそうです。これもオプションです。
こういういろんな枝分かれの可能性を考えておきます。
付箋を貼って構成を考えるとしたら

一枚目に「主人公は帰ってきて傘がないのに気付く」

二枚目の列にこれらのオプション「その日の回想」「誰かに電話?」「夢」「部屋に違和感?」とそれぞれ書いて貼っておけばいいでしょう。
必要ないならあとでゴミ箱に捨ててすっきりさせます。

OIG (1).jpeg

名称未設定のデザイン (2).png
AI君が集めてくれた、付箋を貼って構成をまとめていくイメージ写真です。

主人公が朝、目が覚めて何気なくテレビをつけて、
ふと傘立てを見ると、傘が戻っている。
…こういう日常の中の「奇妙さ」が、サスペンスの基本です。

これを論理的に解明していくとミステリーになり、不合理に描いていくとホラーになります。

おお、なんでなくしたはずの傘があるんだろう?とサラリーマンは思いますね。
傘をなくしたのは夢だったんでしょうか。
で…よく見ると傘の鋭い先端に血がついていたとします。
え、と思います。
なんだこれ?となります。
OIG.C.x_izh.jpeg



↑AIに描いて貰いました。傘の形が変です、ほんとになんだこれ?
ですが、まあいいとしましょう。AIがアホだと少しほっとします。


何気なくつけたテレビのニュースが流れて来ます。
それは近所で殺人事件があったという話題です。
被害者は、鋭利な槍のようなもので(ある部分を)刺されて死亡していたと。
よく聞くと、あるいは映像で見ると、現場はごく近所です。
主人公は傘立ての、血のついた傘が気になります。

ちなみに、この段階で家族が出てこないので、主人公は、一人暮らし、という感じですね。今のところ必要ありません。
家族を出さないの理由はもうひとつ、私には腹積もりがありますが、次回説明しましょう。
もっとも、必要と思えば、展開によって設定します。
「パパ、なにこれ」と幼い娘が、傘を手にする、という手もあります。
これも面白いですがここは独身ということにしておきましょう。
メモの別案として付箋に書いておいてもいいでしょう。で、メインの流れの脇に貼っておきます。

ここで何が起こったらさらに面白いか?

ドアがノックされたらどうでしょう。
こんな朝早くどうしたんだろう、と思って「どなたですか?」と聞くと「警察です、開けてください」と声。
事件に関して警察の聞き込みらしいです。

主人公は焦りますね。
昨夜はお酒を飲んでいてよく覚えていない、しかもたしか、なくしたと思っていた傘に血がついている。
自分が事件を起こしたのかも知れないのです。

(主人公は酒癖が悪くて過去にトラブルを起こしたことがある、という設定をプラスしておきましょう。主人公の弱点1です。人間臭くなって来ました)

ドンドン、「開けて下さい!」
主人公は傘を気にしながら、傘立てが見えないようにドアを小さく開けて対応するでしょう。
いかにも怪しいです。警官は怪訝な顔で見ますが、主人公は、警官の聞き込みに対して何も知らない、とやりすごします。

Leonardo_Diffusion_Generate_a_photo_of_a_man_looking_at_an_umb_2.jpg

こんな感じ?😂
傘と男、と検索してAIが出してくれた絵の意外性が、イメージを広げてくれます。頭に傘の何か、簪(かんざし)を差してる?😂
それはさておき、これは刑事ですね、警官じゃなくて、刑事の方が良いかも。
モブの一人に過ぎないのか、あとで重要なキャラになるのか。今はどっちも可能性があります。

刑事が不審にドアの隙間からのぞきこむと、主人公は足で傘立てを死角に押し込みます。
と、傘立ての傘がバランスを崩して倒れてしまいます。
刑事は親切心か、その傘を拾い上げ、その傘の先端にある血を目にします。

ハラハラするシーンになるはずです。

<主人公をいかに追い込むかが>が面白い物語の<鉄則>です。
(あとで説明します)
<鉄則>を会得することで、物語をさらに面白く出来ます。

ここで実際に傘が凶器になるのか、気になりました。
でまたAI助手の登場です。AIに聞いてみると…過去にある方法で実例がありました。二つのAIで確かめました。嘘をつくのでダブルチェックは必要です。

ほんとに恐ろしい世の中です。事件が、というよりAIがです。
しかしこういうAIの使い方はありでしょう。
昔は図書館を何軒もハシゴしたり、古本屋を回ったりして調べました。
ここで執筆が一月、止まってしまったはずです。
調べる執念と行動力がない人は作家になれなかったのです。
でもいまは。
そんな人でも書けるでしょう。
まさに時間がどんどん早くなるという…ドッグイヤーです。

これからは今まで書けなかった人でも書ける時代になるでしょう。
ハンディがあって今まで陽が当たらなかったタイプの小説家が大量に誕生するかも知れません。
こういう時代の変革期は大きなチャンスです。
明治維新や戦後のどさくさのように英雄が沢山出てくるかも知れません。

それはさておき、話に戻ります。
このあたりで、私はもう、この物語がラストまでうまくいくような気がしてきました。
というのはオプションとして置いておいたものに、いろんな可能性を感じているからです。
(仕事で使う一線級にも出来そうな感じなので、あまり開示したくはないのだけれど)

さて、物語をこの先、どう進めるか?
主人公の目的を設定する必要があります。
自分の潔白を証明するだけでは弱いです。
どうしたら主人公が幸せになれるか、
それを考えると主人公の行動の強いモチベーションが生まれ、より運命に対して強く逆らって行動する主人公が生まれます。
その方が読者の共感を呼ぶのです。

いけそうな感じなので、主人公のキャラも明確にしたいので、そろそろ名前と年齢も決めましょう。

次では主人公のキャラクターをより深く考えてみましょう。




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