フリーランスエンジニアになれば本当に悠々自適な生活を送れるのか

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フリーランスエンジニアというと、自分の好きな時間に好きな場所で仕事をして、高収入を得て、自由に生活できるというイメージを持っている方がいるかもしれません。

しかし、実際には、よほどの経歴や人脈が無ければ、そんなに甘いものではありません。

フリーランスエンジニアになるということは、自分で仕事を探し、契約したり、確定申告等の雑務をこなし、それと同時に自己管理やスキルアップをする必要があります。

フリーランスエンジニアの働き方やメリット・デメリット等について、詳しく見ていきましょう。

フリーランスエンジニアの様々な働き方


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フリーランスエンジニアには、大きく分けて以下のような働き方があります。

・個人事業主として直接クライアントと契約する
個人事業主として直接クライアントと契約する場合、自分でクライアントを探す必要があります。
また、契約書の作成や報酬の交渉なども自分で行います。

・エージェントやマッチングサイトを介してクライアントと契約する
エージェントやマッチングサイトを介してクライアントと契約する場合、自分でクライアントを探す手間が省けます。
また、契約書の作成や報酬の交渉なども代行してくれるため、ビジネススキルに自信が無くても、仕事を受注することが可能です。
ただ、当然エージェントやサイトを通しているので、手数料は取られますし、直接契約するよりも報酬は少なくなります。

・クラウドソーシングサイトで案件を受注する
クラウドソーシングサイトで案件を受注する場合、自分でクライアントを探す手間が省けます。
また、契約書の作成や報酬の交渉なども代行してくれるため、ビジネススキルがなくても仕事を受注することができます。
ただし、報酬が低い場合が多いため、収入を増やすためには多くの案件をこなす必要があります。

・コンサル契約を結ぶ
ITコンサルは、企業の経営課題を解決するために、ITを活用した経営戦略やシステムの導入などを提案します。
具体的な仕事内容は、企業の経営方針に沿ったIT戦略を基にシステム開発を提案する、あるいはシステムの最適化から経営改善を図るなど、クライアントや案件によって異なりますし、報酬も案件によって異なります。

・自分でサービスやプロダクトを開発して販売する
自分でサービスやプロダクトを開発して販売する場合、自分でビジネスモデルを考えたり、マーケティング戦略を立てたりする必要があります。
また、開発には時間とお金がかかるため、リスクも高くなりますが、全て自分の収益になり、売れ続ける限りは収入を得ることができます。

それぞれにメリット・デメリットがありますが、共通して言えることは、自分で仕事を探す、作らなければならないということです。

企業に在籍する正社員とは違い、常に自身で次の案件を獲得したり、収入を構築する仕組みを見つけるための努力が必要です。

また、クライアントとは、自分で交渉や契約の条件を決める必要があり、ビジネススキルも必要です。

仕事を得ることの難しさ

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働き方の大枠を把握したうえで、次に仕事を得る、又は収入を増やす手立てを構築しなければなりません。

しかし、仕事を得ることは簡単なことではありません。

前職で有名なIT企業でエンジニアとして働いていたり、CTOの経歴があったり、有名なサービスの開発をした経歴があったり、SNS等で知名度があったり、技術力に優れ、個人でサービスの開発運用を行っていた実績などがあれば、早く仕事を得ることが出来ると思います。

また、転向前に既に常駐案件やある程度の期間の契約を結べているのであれば、安心して転向できると思います。

しかし、そうではない場合、市場には数多くの競合者がいますし、高額な案件ではクライアントも厳しい要求や条件を出しているため、厳しい戦いが始まります。

そして一回仕事を獲得できたとしても、単発であれば納品して終わり、継続案件でも、クライアントが終わりと言えば終わりなので、また次の仕事を探すことになります。

試しに、クラウドワークスやランサーズ、ココナラ上の公開依頼でも良いですが、試しにシステム開発の案件を見てもらうと現状がわかると思います。

技術的にそこまでハードルが高くはないWebサイトや企業HPの開発や簡易なシステム開発の案件の場合、10~30件程度は応募者がいます。

ニッチな領域の場合でも、数件は提案されていることがほとんどです。

もしこれからフリーランスエンジニアになると決め、一から仕事を探し始めた場合は、そういった状況の中で、既に実績のある人達に囲まれながら仕事を得る必要があります。

募集側としては、実績が無い応募者と既に10件実績があり、評価されている応募者であれば、当然後者を選びたくなることがほとんどだと思います。

要は、転向してから自分の希望通りの報酬や想像していた通りの働き方をするという事は、とても難易度が高いという事です。

そして、仕事が無ければ収入が無いので、悠々自適な生活どころか、毎日仕事探しや事務作業に追われ、精神的にも疲弊することになります。

対策として、

・正社員時代に個人で収入を得られるプロダクトを構築しておく(収入が発生してしまうようであれば、副業規定は要確認)
・ポートフォリオを沢山作っておいて、実績が無くても技術力をアピールできるようにしておく
・人脈を増やす、働き手を募集している人と交流を図っておく
・事前にココナラやエージェント、SNS上で仕事を得られるような状態か相談してから考える

というようなことが考えられます。

テーマとずれるので、詳しくは延べませんが、仕事や最低限収入を得られる状態というのを、転向前に具体的に想像できるようにしてから、フリーランスエンジニアを目指すということが必要になります。

フリーランスは仕事だけやっていればよい訳ではない

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フリーランスエンジニアは、仕事だけやっていればよい訳ではありません。

自分が経営者でもあるので、以下のようなことも自分で行わなければなりません。

・税金や保険の申告や支払い
・帳簿やレシートの管理
・請求書や領収書の発行
・契約書や見積書の作成
・トラブルや紛争の対処

これらのことは、仕事とは直接関係ないですが、フリーランスエンジニアとして必要なことです。

これらのことを怠ると、法的な問題や金銭的な損失につながる可能性があります。

また、これらのことにかかる時間や費用も考慮しなければなりません。

こういった内容は、地味なように見えて、疎かにしてはいけない内容ですし、時間もそれなりに使います。

お金に余裕が生まれれば、誰かに委託することが出来ますので、かなり楽にはなりますが、決して安い金額ではありません。

フリーランスエンジニアになって、安定した収益を得られていない状態では、基本的に一人でやることになりますので、そういった部分も考慮しておく必要があります。

自由に働くとはどういうことか

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ここまで、フリーランスエンジニアの厳しい面について触れましたが、当然フリーランスエンジニアは、自由に働くことができます。

自分で仕事の内容や量、時間や場所を決めることができます。

法的に問題が無ければ、どんなサービスを作っても良いし、仕事をしない期間を作っても良いし、色々な生活スタイルを試すことも出来ます。

実際に、7~9月は働かないで毎年海外に旅行している人もいますし、1~2年毎に引っ越しをして、色々な場所に住みながら仕事をしている人もいますし、色々な働き方をしている人がいますので、実現することは出来ます。

しかし、自由に働くことは、自分で責任を持って働くことでもあります。

・自分の能力やスケジュールに合わせて仕事を選ぶ
・クライアントの期待や要求に応えるために品質や納期を守る
・自分の健康やメンタルを管理するために休息やリフレッシュを取る
・自分のスキルや知識を更新するために勉強や研究をする

自由に働くことは、自分で判断や決断をすることです。
それは楽しいことですが、同時に大変なことでもあります。

とにかく楽になりたいから、働く時間を減らしたいから、好きな場所で働きたいからフリーランスエンジニアを目指すというのは、全然良いと思います。

ただ、理想通りの働き方や生活をする為には、それなりのビジネススキルや人脈、技術力が必要になりますし、準備が必要です。

そして、いつ収入が途絶えるか分かりませんので、常に自己投資や、新しいことへのチャレンジ等、何かしらのアクションをし続けることが重要になります。

それらが継続出来れば、自身の理想通りの生活を実現できる可能性は十分にあると思います。

まとめ

フリーランスエンジニアになれば本当に悠々自適な生活を送れるのかという問いに対して、正直答えは一概には言えません。

フリーランスエンジニアには、多くのメリットがありますが、同時に多くのデメリットもあります。

フリーランスエンジニアになるということは、自分で仕事を探したり、契約したり、経営したり、管理したりする必要があるということです。

フリーランスエンジニアになるためには、エンジニアとしての技術力だけではなく、ビジネススキルや人間関係スキルも必要です。

フリーランスエンジニアになることは、自由に働くことですが、同時に責任を持って働くことでもあります。

フリーランスエンジニアになるかどうかは、個人の選択です。

しかし、その選択をする前に、フリーランスエンジニアの実態やメリット・デメリットをよく理解しておく必要があります。

簡単に、メリットだけを享受できるという世界ではありません。

ネット上やSNS上で、フリーランスを持ち上げているような情報も多いですが、何も知らないで飛び込んで後悔する人もいます。

フリーランスエンジニアへの転向を検討している、興味があるという方は、是非色々と情報を調べたり、実際にフリーランスの方から話を聞いて、実情を把握してから決断してもらえればと思います。

もし周りに相談できる人がいないという事であれば、私の方でもココナラ上で相談サービスを出品していますので、もしよければそちらからいつでもご相談頂ければと思います。



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