白か黒 ■離婚編_3■

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コラム
義理父が亡くなってからほどなく。
主人の友人が数名、自宅を訪ねてくれた。
式にも来てはくれたが、義理父の事もあり
気を遣ってくれたのだろう。

友達が何より大事な主人は
食事とお酒で上機嫌。
時間が経つにつれて、一人また一人と
帰っていく友人達。
最後は一番主人と親しかった友人(仮にAとする)Aと
私達夫婦の3人になった。
結婚前に私も何度か会っていたAは優しく明るい人だった。
私達より先に結婚していたし
授かり婚だったからすでに子供もいた。
主人の事を本気で気にかけてくれていたのだろう。
そう、私は本気で思っていた。

正確な時間は覚えていないが
Aが帰ると言ってトイレに行った。
私より酒に弱い主人は
もう帰ったと思い込んだのか
一人寝室に入り眠ってしまった。
片付けをしながらAがトイレから戻るのを待っていたが
なかなか出てこない。
あー寝ちゃったんだろうなぁ・・と
私はAをトイレに迎えに行った。

トイレのドアをたたいてAを呼んだ。
数回呼ぶと応答があった。
起きてくれた、よかった。
トイレからAが出てきた。
「大丈夫ですか?」だったかな・・
ちゃんとは覚えていないんだけど
なんかそんな感じのことを
私はAに言ったと思う。

焦点があっていないAの顔だけ覚えている。
でも私の名前を呼び
好きだと言った。
洗面所の冷たい床に倒された
この時の恐怖は言葉に表せない。

Aという男は
私と同い年の奥さんと幼い娘さんがいるにもかかわらず
一番と言っていいくらい仲のいい友達の嫁である私に
そういうことが出来る男だった。

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