会社で働いてきた人であれば、定年退職の時は必ずやってきます。
私は昭和40年生まれのいわゆるバブル世代。
まさに定年退職が数年後にせまってきて、現実のこととして定年退職と向きあうことになる世代です。
そしてそのあとには、団塊ジュニア世代、そして就職氷河期時代の人たちが定年を迎えます。
多くの人が定年退職ということを頭ではわかっても、自分の事として考えることが難しいのではないのでしょうか?
人はなぜ、定年退職に漠然とした不安を持つのはなぜでしょうか?
それを理解するには、そもそも定年退職で会社をやめるということは、どんな意味をもつのかを知ることが大切です。
定年退職を考えるには、次のような視点をもちましょう。
✓仕事とは何か、キャリアとは何か
✓ライフステージ(人生のステージ)とは何か
✓ライフロール(人生の中の役割)とは何か
この記事では、定年退職後の仕事と役割について解説します。
定年退職を迎えるMさんの悩み
先日、定年退職まであと1年となったMさんという方がいらっしゃいました。
Mさんは、新卒で今の会社に入ってから同じ会社で一生懸命に働いてきました。
いろいろな仕事や役職も経験して、それなりに会社にも貢献してきたという自負もあります。
定年退職がいよいよ近づくにつれて、もうこの会社に自分は必要ないのかなと感じ始め、いろいろと考えるようになり、悩むことが多くなったそうです。
そして定年退職をどのように受け止めれば良いのか、わからなくなってきてしまいました。
「自分はいったい今まで、何してきたのだろうか?」
「自分は何者なのだろうか?」
「自分には、これから何ができるのだろうか?」
「人生のひとつのステージがおわるのか?次はあるのだろうか?」
「定年退職後は何をすればいいのだろうか」
Mさんのように、新卒ではいった会社を務めあげてきたという方は特に、定年退職を迎えるにあたって、悩んでしまうケースが多いように感じます。
自分はこの会社しか知らないといったことが、不安をさらに大きくするのかもしれません。
仕事とは何か、キャリアとは何か
では、そもそも仕事とはいったい何でしょうか。
多くの場合、仕事とは生計をたてるための職業のことです。
会社員の場合には、仕事は会社から与えてもらうことになります。
そして60歳で定年退職になると会社を離れます。
再雇用制度を選べば別ですが、定年退職によって今の会社を離れる、仕事をしなくなるわけですね。
だから会社を辞めるということは、仕事を失うこと、仕事をしなくなるということになるわけです。
では「仕事」と似ている言葉で、「キャリア」という言葉がありますが、キャリアとは何でしょうか?
「キャリア」という言葉のイメージも人によってさまざまかもしれません。
人によっては、仕事をしてきた職務経歴や課長や部長といった職業上の特定の地位を想像したりする方もいるかもしれません。
実は「キャリア」のもつ意味はもっと幅広く、深いのです。
キャリアという言葉の語源は、ラテン語のcarrariaで、轍(わだち)です。
キャリアという言葉には、人のたどる足跡や経験という意味合いがあり、人の経歴や生涯をも含む意味を持っているのです。
つまりキャリアは、仕事はもちろんですが、それ以外のさまざまな人生のステージや役割を含んだものであり「人生そのもの」ということができます。
定年退職とは、勤めてきた会社での仕事という人生の中に占める要素のひとつが終ることですが、キャリアが終るわけではないわけです。
その証拠に、転職をしたり、再雇用を選んだり、自分で仕事をはじめたりと、さまざまな選択があるのです。
定年退職という人生の節目を、新しい人生の始まりと捉えることもできるわけですね。
定年退職は会社からいわれますが、自分の人生を決めることができるのは、あなただけです。
定年退職になってから慌てるのではなく、あらかじめ定年退職になったときに心の準備とその後の計画が大切になってきます。
定年後のキャリア、人生について考えてみませんか。
まずはご相談ください。