極悪ブリーダーへの軽すぎる判決

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こんにちは、司法書士・ペット相続士の金城です。

獣医師免許がないにもかかわらず、妊娠した5匹の犬に麻酔なしで帝王切開をした極悪ブリーダーへの判決が、令和6年5月10日に言い渡されました。

そのブリーダーは百瀬耕二という男です。 

百瀬は、帝王切開するための台に犬の四肢をヒモで縛り付けて動けないようにし、麻酔なしで帝王切開をしていました。麻酔なしですから、激痛のために犬は絶叫し、中には失神する犬もいたようです。

無麻酔での帝王切開以外にも、百瀬は、劣悪な飼育環境下で450匹以上の犬を衰弱させて虐待していました。

これほどの極悪非道な所業をしていた百瀬に対し、裁判所が下した判決は、懲役1年、執行猶予3年、罰金10万円というものでした。
わずか懲役1年で、しかも執行猶予付きという判決です。

動物愛護法では、「愛護動物をみだりに殺したり傷付けた場合は、5年以下の懲役または500万円以下の罰金に処する」と規定されています。

そもそも、百瀬に対する検察の求刑がわずか懲役1年であったという事情もありますが、百瀬の極悪非道ぶりを考慮するならば、最高刑に当たる懲役5年の求刑と実刑判決が妥当な事例であったと考えられます。

日本の法律では動物は「物」と規定されているため、無麻酔で帝王切開された犬たちの地獄の苦しみは考慮されず、一般の法曹人の感覚としては単なる「器物損壊」でしかないのでしょう。

動物愛護法では、愛護動物を殺傷した場合に厳罰化が図られましたが、動物を「物」と規定する法律自体をも改正すべき時期に来ていると思われます。


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