ペットに遺産を残すには

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法律・税務・士業全般

ペットのために遺産を残してあげたいと思っている飼主のかたも多いでしょう。では、ペットのために遺産を相続させることはできるのでしょうか。

ペットが多額の遺産を相続したとして時おりニュースになりますが、アメリカでは多くの州で、ペットが相続することが州法により認められているようです。

しかし残念ながら、日本の法律では動物は「物」(動産)と規定されているため、ペットのために例えば「200万円を相続させる」ことはできず、そのような遺言を残したとしても、ペットへの相続に関する箇所は無効になります。相続する主体に「物」がなることはできず、あくまでも「人」(法人も含む)でなければなりません。

そこで、ペットのために財産を残すためには、「人」に財産を相続させたうえで、その相続させた財産を用いることにより、その「人」にペットの世話をしてもらう、という方法を採ることになります。具体的には次の①~④のような方法があります。
① 負担付遺贈
② 負担付死因贈与
③ ペット信託
④ ラブポチ信託

① は、「私の死後、ペットの世話をしてくれる代わりにあなたに財産をあげます」という意思を、遺言書によって残す方法です。
② は、「私の死後、ペットの世話をしてくれる代わりにあなたに財産をあげます」という約束を、生前に契約しておく方法です。
③ は、自身の死後のペットの世話をする人(受益者)と財産を管理する人(受託者)とを分け、ペットのための財産を受託者に託すという方法です。受託者は受益者に対して、ペットの飼育費用等を定期的に送付するか手渡すことになります。

① ~③の方法の場合、ペットのために財産を残しても、その財産がペットのため以外のことに不正使用されたら何にもなりませんので、財産をあげるその人が、飼主にとって絶対の信頼を置ける人であることが前提になります。

④ のラブポチ信託は【認定NPO法人ピーサポネット】が開発した方法で、信託会社が受託者となり、ピーサポネットが受益者になるものです。
飼主の死後、受託者である信託会社から受益者であるピーサポネットに対して、ペット飼育費用となる財産が一括して送られます。そして、ピーサポネットが提携している優良動物保護施設がペットの世話を最期まで責任をもってする、という信託です。

信託会社が受託者で、かつ、受益者が認定NPO法人ですので、ペットのために残した財産が不正に使われる心配が全くない、という安心の仕組みになっています。ちなみに、私はピーサポネットの【ペット相続士】としての活動もしています。

次回以降のブログで、①~④の方法について、順番に詳しく説明したいと思います。


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