プロジェクトマネージャーの真の仕事と求められる資質

記事
IT・テクノロジー
私は、大手コンサルティングファームで5年、ソニーの情報システム部で10年プロジェクトマネージャーを経験してきました。プロジェクトマネージャーの真の仕事と求められる資質について一般論ではなく自分で体験してみて感じたことを泥くさい実態等の生のリポートをします。

コンピューターシステムを構築する場合、プロジェクトという単位でチームが編成されます。
一般にプロジェクトマネージャーは、特定のプロジェクトを計画し、実行し、完了させる責任を持つ人のことを指します。彼らはプロジェクトの成功を確保するために、多岐にわたるスキルや知識を活用しています。

プロジェクトマネージャーの主な役割や責任は、
①プロジェクトの計画: プロジェクトの目標、スコープ、予算、期日などを設定し、リスク評価やリスクマネジメント計画も立案します。
②チームの指導と管理: プロジェクトチームのメンバーを指導し、タスクを割り当て、進捗をモニタリングします。メンバーのモチベーションを維持し、協力関係を構築します。
③スケジュール管理: プロジェクトの進捗状況を追跡し、スケジュール通りに進むように調整します。
④コミュニケーション: プロジェクト関係者との効果的なコミュニケーションを確保し、報告書の作成や会議の運営も行います。
⑤予算管理: プロジェクトの予算を管理し、コストが予算内に収まるように注意します。
⑥品質管理: プロジェクトの成果物が品質基準を満たしていることを確認します。
⑦リスク管理: プロジェクトに関するリスクを評価し、適切なリスク対応策を立案し、実行します。
⑧変更管理: プロジェクトのスコープや要件の変更に対処します。
です。

プロジェクトには様々なメンバーが必要です。
・インフラに強いサーバー・セキュリティ担当者
・経営者層の経営ビジョンをシステムに具現化するITコンサルタント
・それを現場担当から課題を聞き設計に落とし込むシステムエンジニア
・設計書を元にプログラミングを行いプログラムを実装しテストするプログラマー
・画面の利用方法などをマニュアル化しユーザー教育するシステムインストラクター
様々な専門家が色々な会社・部門からかき集め、より優れたメンバーによる最適なチームを形成するようにします。

優秀なメンバーは争奪戦で、たとえ社内のプロジェクト同士でも、各々のプロジェクトマネージャーは必死なので、以下に今回のプロジェクトが意義のあるものであり、予算規模が大きいものであるか議論します。
それらの専門家を集め一つのチームとして作り上げ、様々なリスクを予測しながら、納期通りに精度の高いシステムを導入するのに最も大切な存在がプロジェクトマネージャーです。
そこには、会社でいうところの役職は存在しません。
プロジェクトマネージャーはプロジェクトを推進する上で全権限を持ち、全責任を取ります。

プロジェクトマネージャーの資質として,スコープ(目的と範囲)を意識しながら、時間・コスト・品質・人的資源の各指標が予定通りに進捗しているかを
常にウォッチしどのタスクやリソースがボトルネックになっているか、先読みできなければなりません。

また、得てしてプロジェクトは予定通りに進まず、キーマンが病気になったり、利用予定のユーザー数が増大したためサーバーのスペックが足りなかったり、クライアントの要件が変わり作り直しのため、時間やお金が増大したり、予期せぬことが多々起こります。
プロジェクトマネージャーは、何通りかの取りうる選択肢の中から最も適切な選択を迅速に意思決定する能力が必要とされます。

人はうまくいっているときは口出ししませんが、うまくいかない雰囲気になったとき、クライアントは別なアクションプランの提示を要求したりします。
その矛先は全権限を持っているプロジェクトマネージャーに向けられます。ただでさえ忙しいのに、そんなナーバスなクライアントを安心させるコミュニケーションや説得力も必要となってきます。
プロジェクトに必要な人的リソースを集め、プロジェクト管理を行い、リスクを事前に察知し、ボトルネックを予め対処する。

・チームを率いるリーダーシップ
・リスクを察知する予見能力
・クライアントを納得させる説得力
・どんなタイプの人間ともその人に合わせて話すコミュニケーション能力
・抵抗勢力を黙らせるネゴシエーション能力
・そして納期が迫る中重圧に耐える精神力。

全てを持ち合わせたスーパーマン=プロジェクトマネージャー
IT業界の中でも最も市場価値の高い役割と言えるでしょう


サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す