私が「文学フリマ」に参加しない理由

記事
コラム
こんにちは。『徒然なる世界』の管理人リュードです。
今回は、とあるイベントに関するお話をしたいと思います。

先日(5/21)東京流通センターで「文学フリマ東京」が開催されましたね。
色々と参加報告などを見ていると、結構盛り上がったなというのが第一印象です。

ですが、私はこの文学フリマに一度も参加したことがありません
サークルとしてはもちろん、一般としても足を運んだことがないのです。

それが、今まではたまたま縁がなかっただけで、
いつかはサークルとして参加してみたい、というものでもありません。

本当に「参加する気が起きない」のです。

それは何故なのか。

私なりにその理由を分析してみたのですが、
どうやら「これだ!」という明確な理由と呼べるものはなく、

なにかあの手のイベントに対して、
「言い知れない違和感」
を覚えているのだな、ということを思いました。

文学フリマと似たタイプのイベントとして
「Text Revolutions」(以下テキレボ)
というものがあります。

私、このテキレボには何度か参加したことがあります。
規模や参加者数については文学フリマには全く及びませんが、
それでも、数少ない文芸系の同人イベントの一つとして、
その存在は非常に貴重なものでした。

ですが、何度か参加してみた後、
私はこんなことを思ったのです。

「ここは私のいるべき場所ではない」

それは、文学フリマに対してなんとなく抱いていた違和感が、
実際にそれに類するイベントに参加することによって具体化した瞬間でもありました。

なんと言いますか、違和感というよりは、
「居心地の悪さ」
「気持ち悪い感覚」
と言った方がより正解に近いかも知れません。

創作文芸という界隈が持つ、
他の界隈とは全く違った雰囲気。

誰かが「巨大な内輪」であると表現したように、
その界隈にドップリ浸かって、そこから出ようとしない。

それを感じた瞬間、
私は創作文芸という界隈に対する興味が一気に薄れました。

それまでは
「自分もこの界隈に加わりたい」
「彼らと一緒に作品を発表していきたい」
と思っていたのですが、

上述した気持ち悪さを覚えた瞬間、
それらの思いも全く消え失せてしまいました。

「自分はこの創作文芸界隈に加わるつもりはない」

はっきりとそう感じたのは私がコミッション活動を本格的に始める数年前のことです。

なんと言いますかね、創作文芸に限らず、同人界隈ってつまるところ
「クローズドワールド」
なものだったりするのですよ。

そのクローズドワールドで自分が作りたいもの、
自分が面白いと思うものを自由に制作する。

その面白さに共感してくれる人だけを、
そこのクローズドワールドに迎え入れ、作品を手に取ってもらう。

同人界隈全体がこうした雰囲気をどのジャンルも持っていたりするのですが、
とりわけ創作文芸界隈はその傾向が強いように感じました。

これに対して、コミッション活動ってその正反対、つまり
「オープンワールド」
なものだと私は思っているのですよ。

基本的には誰の、どのような執筆依頼も引き受ける。
自分のために制作するのではなく、依頼者の要望にできる限り寄り添いながら、
限られたやり取りの中で依頼者の思いを汲み取り、それを形にしていく。

それは、いわゆる「自己満足」の世界ともいえる同人界隈とは全く相容れないものでもあります。

「自分のため」「内的動機」を主眼に置く同人界隈。
「他人のため」「外的動機」を主軸に据えるコミッション活動。

そうしたものの中で、私はただ後者を選択しただけの話に過ぎず、
それが私の適性に沿うものだった、というだけの問題でしかありません。

ですから、私と創作文芸界隈の人たちとでは、
もはや立っている土俵が違うのであり、
それはどちらが優れているか、などと比較すべきものでもないのです。

向こうは向こうで思う通りにやっていればよい。
私は私の思う通りにこれからも創作活動を続けていく。

そうした界隈の住み分けもまた、生き残り戦術の一つでもあるのです。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す