ココナラストーリー『仕事は会社だけじゃない』

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コラム

定年までのカウントダウン

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『定年まであと20年もあるのか。』

夜も遅い時間、駅の駐輪場から自転車を出しつつ、不意にそんなことを考えた。冬場は手袋をしていても自転車を押す手が冷える。
その日は会社の先輩の定年退職を祝う会があり、その帰りだった。

その頃の私は会社での人間関係などの問題で少し、いやかなり疲れていた。

顧客には全く関係のない、社内の部署間の都合による仕事の軋轢の調整。
自分は頑張っているのに評価されないのはおかしいと訴え、他人を罵る社員。
やっていて意味があるとはだれも思っていないのに、上層部からの指示だという理由だけで優先順位を上げて取り組む仕事。

こんな会社員生活があと20年も続くのか。
定年したあの人は苦労から解放されてうらやましいな。

そんなことを頭の中で思う。


無事に定年したら幸せか

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しかし、定年したからと言って必ずしも幸せとは限らない。
それまでは役員や管理職として社内でも敬われ、自分の一言で多くの人間を動かしてきた人たちが定年を迎えて肩書を奪われ、一般の社員や嘱託として会社に残り、雇用延長をするケースをこれまで見てきた。

組織とは残酷なもので、役職がなくなったとたんに社内でのその人に対する接し方はガラッと変わる。

個室を与えられていた役員のパーティションが取り払われ、見晴らしのいい窓際の席から他の社員と同じ席へと変わる。
昨日までは毎日のようにお伺いを立てに来ていた部下も、新しい上司との関係構築に必死で、もはや誰も相談に来ない。
仕事も、役職を外れたことで責任ある仕事は任されなくなり、昨日までは部下として扱っていた人間が自分の上司になる。上司も気を遣って、今さら若い社員と同じような実業務をさせるのもはばかられ、会社にいても特に仕事の無い状態になっていく。

若手社員からは仕事をしなくても高い給料もらえるんだからいいよな、と陰で言われるが、仕事の無い状態で会社に来るのは逆に苦痛なのではないかと感じる。
自分も定年したらそんな風になるのかな、とぼんやり考える。


会社に依存しない働き方

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『そんな、会社の中の価値観に縛られた人生は嫌だ』

そう強く思った。
定年までの年数を数えて暮らす人生、定年後に役職という肩書がなくなれば何もできなくなる自分、そんなのは嫌だ、と。

それもこれも、仕事において会社への依存度が高すぎるからだ。
会社に依存しない働き方を実現したい。
しかし、どうやればいいのか。

家族もいる状態でいきなり起業するというのはリスクが高い。
そもそも会社での人脈しかなければ起業しても顧客を獲得できない。
それならば、会社で働き安定した収入を得つつ、個人のビジネスを立ち上げて徐々に自分の顧客を獲得していくのが現実的だろう。

別に起業までできなくても、定年後に年金と個人のビジネスで収入を得られれば老後資金の心配も少なくなるし、場合によってはサラリーマン生活を早めにやめることもできるかもしれない。
そう思った。


ココナラとの出会い


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会社以外に収入の柱を作る。
そのために、インターネットオークションで中古品を販売したり、株式投資を行ったり、アフィリエイトをやったりしてきたが、どれも自分のビジネスと呼べるようにはならなかった。
第一に、自分が社会に対して新しい価値を創出しているという実感が持てなかった。

ココナラを知ったのはそんな時だった。
確か、テレビ番組で取り上げられていたと記憶している。
掃除が趣味の男性が、そのスキルをサービスとして出品し、販売していた。
とても楽しそうにサービスを提供していた姿が印象的だった。

それを見て、『これだ!』と強く思ったわけではない。

その時は、『なんか面白そうだな』くらいの感覚だった。
しかし興味は沸いたので早速登録した。
最初に出品したサービスは、自分が得意とするプレゼンテーションのスキルを活かした、プレゼンテーション改善支援サービスだった。

しかし、新しいビジネスというのはそうそううまくはいかないもので、サービスを出品しても全く問合せもなく、売れることもなかった。
こうして、私はココナラに登録したことも忘れていくのであった。


初めての注文

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私がココナラに登録して半年が経過し、サービスを出品したこともすっかり忘れていたころ、急に注文が入った。

まずはいきなりの注文に非常に驚いた。
その後、初めての購入者様とのやり取りに焦りつつも、最大限よい結果を出せるように努力してサービスを提供した。幸いにも購入者様にはご満足いただくことができた。

売上としては500円(当時、登録直後は500円のサービスしか登録できなかった)だったが、金額以上に、自分が人の役に立ったという達成感を感じることができた。
正式な回答を送ったときに1人でガッツポーズをしたのを覚えている。

忘れもしない2017年7月9日。
この日が、初めて私が自分の力だけで他人にサービスを提供し、その対価としてお金をもらった記念すべき日となった。


ココナラで会社以外の仕事の柱ができた

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その後、ココナラのサービスの主体をプレゼンテーション支援から、マイクロソフトACCESSを使ったデータベース構築に移したことで、売上は大きく拡大した。
多くの購入者様との接点もできたし、出品者交流会で知り合った他の出品者からも刺激を受けている。

2019年には開業届も出し、個人事業主として確定申告も行った。
正直、売上金額的にはまだまだ生計を立てられるような金額ではない。
しかし、本業とは別に、自分個人で行うビジネスの柱ができたことは、ビジネスマンとしての私の幅を大きく広げている。

ココナラのような個人で行うビジネスは、会社とは違って自分ひとりですべてをやらなければいけない。
顧客ニーズの調査、商品の企画、プロモーション活動、営業活動、受注後のサービス提供、アフターフォロー、売上・経費の管理、税務、などなど。
これら全てをやっていること自体がビジネスの知識の幅を広げ、本業にも大いに役立っている。

また、転職活動をする際にもこうした副業経験は有効だ。
特にベンチャー企業では、環境が整っていない中でも自ら積極的に動けるタイプの人や、0から1を作り出せる人が求められる。私自身、転職活動の中で本業の実績よりも副業としてのココナラの実績の方が0→1を作り出した実績として高評価された経験がある。

ひょっとすると会社の中の閉じた世界での評価よりも、ココナラのようなオープンな市場での実績の方が、転職先の会社にとっても公正な実績として有効に映るのかもしれない。最近は副業を推奨する企業も増えており、この傾向が強くなっていると感じる。
会社にべったりではなく、副業でも稼げるくらいの人を採用したい、と。


何より、仕事本来の楽しさを実感できる

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そして、ココナラをやってきてもっともよかったと感じる点がある。
仕事が楽しいのだ。

会社ではどうしても組織で動くため、仕事のすべてを自分の好きなようにはできない。くだらない仕事、好きでもない仕事、それもこなさなければいけないのが常だ。

一方、ココナラでは自分の好きなことを仕事にできる。受けたくないと思った仕事は断ってもいい。完全に自分の自由にできるのだ。
もちろん、購入者様との認識違いなどによりトラブルになることもある。しかしその責任もすべて自分が負っているのだから誰かの指示を仰ぐこともない。

自分の判断で自分の自由に、自分のビジネスを進められるのだ。

そして、サービスの提供がうまくいって、購入者様から感謝の言葉を頂いたときは本当にうれしくなる。
自分の力が誰かの役に立っていると実感できる。

確かに会社で扱っている仕事に比べれば金額は小さい。
しかし、ココナラというプラットフォームの先には、他の誰でもない、私自身を必要としてくれるお客様がいるのだ。

これは何物にも代えがたい自信を自分に与えてくれる。

そうだ。
仕事は会社だけじゃない。
仕事にはもっといろんな可能性がある。
ココナラが、私の人生のストーリーにそんな可能性を与えてくれた。

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