【文献紹介#3】COVID-19患者の脳卒中リスク

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こんにちはJunonです。
本日公開された研究論文の中から興味のあったものを一つ紹介します。

出典
タイトル:Stroke in patients with COVID-19: Clinical and neuroimaging characteristics.
著者:Vogrig A, Gigli GL, Bnà C, Morassi M.
雑誌:Neurosci Lett.
論文公開日:2021年1月19日

どんな内容の論文か?

「COVID-19患者における脳卒中の病態生理、臨床的特性、および主な神経放射線学的初見の特徴を示したものであり、その特徴の多様性を理解して脳卒中が生じ得ることを念頭に置いておくべきである。」

背景と結論

COVID-19の原因となるSARS-CoV-2は間質性肺炎およびARDSを引き起こすことが知られているが、脳症、辺縁系脳炎および脳幹脳炎、ギラン・バレー症候群、および脳卒中(主に虚血性だが、出血性もある)を含む多数の神経学的症状の発症報告が増えてきています。
これらの症状は、直接的なウイルス感染又は免疫応答の調節障害を反映している可能性があり、これらは炎症が亢進した結果であり、脳卒中では凝固系の機能不全を反映していると言われています。

COVID-19患者の脳卒中リスク

脳卒中は、COVID-19の合併症として入院患者の約1~3%、集中治療室(ICU)に入院している患者の最大6%に影響を及ぼすことが明らかにされています。感染後に脳卒中を発症した大部分が男性(62%)(年齢中央値:63歳)であり、多くの症例ではすでに血管危険因子(特に高血圧と糖尿病)を有している患者でした。インフルエンザと比較してSARS-CoV-2感染による脳血管合併症のリスクが7.6倍増加することから脳卒中に対する管理が重要であります。

今回報告された臨床的特徴については以下のスライドにまとめました。

COVID-19における脳卒中のメカニズム
SARS-CoV-2感染時の脳卒中の病態は複雑であり、完全には解明されていないが、現在のエビデンスでは、(1)ウイルス関連因子;(2)宿主の特徴;(3)ウイルス-宿主相互作用の複合的な影響が示されています。

最後に

COVID-19感染に関連した脳卒中は、異なる病態メカニズムと臨床的特徴を有している可能性があるように思われるので、その発症リスクがあることを念頭に置いて診療するアプローチが必要であると思います。

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おしまいです。
次の記事の掲載までお待ちください。
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