病院やクリニックに行かなくても、過食症は自分で治せる

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コラム

拒食症や過食症には「特効薬」がありません。
「これが効く」とか「これをしたら治る」とか、そんなものはありません。

私は過去、どうしてもやめられない過食嘔吐に悩んでいたので「過食症を治す」といわれている方法をあれこれ試しました。
カウンセリング、薬物療法、自助グループ、
なかには自分には合わないなと思って短期間でやめたものもありますが、どれを試しても過食は止むことなく続き、嘔吐も続きました。

私の摂食障害治療のスタートは、某大学病院の精神科でした。
20年以上前の当時でも、ネットで「摂食障害」と検索すれば何でも出てくるような感じではありましたが、それでも、自分は狂ってしまったんじゃないかと強い不安を抱いた時でした。

制御が効かずに大量に食べてしまう自分、その後太ってしまうという凄まじい恐怖から吐いてしまう自分、そんな自分の行動を普通ではないと認識しながら、

「今回だけだ」「もう二度とこんなことしない!」そう自分に誓い、その後、構えながら生活していくわけですが、
「今回だけだ」「もう二度とこんなことしない!」はことごとく裏切られていきました。

いよいよ連日のように過食嘔吐するようになると、自分はどうにかなってしまうんじゃないかとの不安はピークに達し、なんとか助けを求め、20代の初めに大学病院の精神科を受診したのでした。

人は病名が付けば安心すると言います。
なんだかわからない不安というのが1番耐え難く、辛いのだといいます。

病名をつけてもらうため、そして、治療薬や治療法が示され安心したいために、病院へ行くのでしょう。

「過食症」は、病名を聞かずとも過食嘔吐するのでわかりきったことですが、
(拒食症は自分に起きていることに対して不安に思わないし、安心を求めていないので病院へは行かないでしょう)

治療薬や治療法が提示され、これで救われるという安心を、当時の私は強烈に求めていました。
それだけ、過食して嘔吐する状況にいる自分が不安で何とかしたかったのです。

摂食障害前半戦の10年余りは、
どの治療法を試しても軌道にのれないような結末で、

残りの10年摂食障害後半戦になると、
日々の忙しさの中で、過食の問題ばかりにフォーカスしていられなくなり、
過食症を治すことを半分諦めたような、過食症を半分受け入れたような感じで、

過食嘔吐することに悩んでいるけど、積極的に治そうという気持ちにはなれず、
「いつかなくなって」という願いに近い気持ちで、生きていたように感じています。

そしてその「いつかなくなって」という願いは、予期せぬ形で叶うことになりました。

ブログに何度も書いていますが、
上腹部に直径7cmほどの良性腫瘍ができて(強い腹痛で発覚しました)、手術することとなり、
「あーもう過食嘔吐なんてできないな」とお手上げ状態になり、20年以上続いた摂食障害の幕が強制的に閉められることとなりました。

この予期せぬ出来事が良いか悪いかは置いておいて、私はこの自分の経験から、
「要らなくなったものなのに固執していると、こうしてハプニング的に手元からなくなるんだ」と理解しました。

過食症に悩む多くの人が、病院やクリニックには足を運ばないようですが、
私は、病院やクリニックに行ったほうが良いとも思わないし、病院やクリニックに行かなくていいとも思いませんが、

「病院やクリニックに行かなくても過食症は治せる」と思っています。

病院やクリニックへ行けば、恐らく治療法を提示してもらえますが、
その人に合ったもので、継続できることであれば、治療を進めていけるでしょうが、
私のようにどれもピンとこない、継続できないのなら、「自分でなんとかする」しかなくなります。

私は一応自力で過食症を治したと思っていますが、自分で過食症を治療する際に大切なことは、「過食症という症状に焦点を当てないこと」だと思いました。

生きることに奮闘する中で、「いつかなくなって」と願い、予期せぬ形で過食症がなくなったように、
「過食してしまうこと」や「嘔吐してしまうこと」を「人生の悩み全て」にしないように生きることです。

「過食してしまう」「嘔吐してしまう」葛藤はどうしたって自分を侵食します。
しかし、葛藤を相手に悩んでも「過食してしまうこと」はやめられないし、「嘔吐してしまうこと」もやめられません。

「過食してしまう」「嘔吐してしまう」その根源にある
「痩せていないといけない」のはどうしてなの?

それを自分で理解して、その対処に当たりながら生きていくことが必要です。

私の場合、「痩せていないといけない」のは、
「自分への劣等感」「自分への不満」「自分に自信がないこと」でした。

私だけじゃない、おそらく摂食障害の人の「痩せていないといけない」は、みんなここにあると思っています。

私は摂食障害後半戦の10年ほどかけて、壁に当たり、自分の意志で路線変更しながら、自分自身の生き方を変えようとしました。
自信を持って自分の人生を生きていきたいためでした。

他人を羨む自分も、他人を妬む自分も嫌いでした。

「他人と比較するな」とよく聞きますが、
自分に自信がある人ならできることで、自分に自信がなくて劣等感を抱く人は「比較するな」と言われたって、比較してしまいます。

自然と意識だけで自分に自信がついたらラクなのですが、そんなメソッド絶対にないと思っています。

他人と比較しないようにするためには、自分に自信を持てるように「自らの力で自分や環境を変えていく」しかないのです。

ひたすらなりたい自分になるために「努力」することでしか、自信なんて獲得できません。
それが、現実だと思いました。

自分に自信を持つことができれば、この世界で生きていくことに自信が持てます。

そうすれば当たり前のように、自然と痩せることに固執しなくなります。
過食に逃げ込むこともなくなります。

私のように、もう過食の助けがなくても生きていけるのに惰性で過食を続けていれば、予期せぬ形で取り上げらます。

みんな何か病気を患えば、不安だしどうにかしたい治したいと思うから、特別な治療法を欲しがります。
私ももちろんそれを求めて彷徨いました。

しかし、
「なぜそうまでして痩せなくちゃいけないの?」

自分の気持ちに問いかければ、摂食障害の原因は明確で、
その原因の解決にあたることで、摂食障害が治るということは言うまでもありません。

そして、
個人差もありますが、解決までにそれなりに時間がかかるということも、知ってほしいと思っています。

「こうなりたい自分」に
恐れず少しずつ踏み出せばいい
いっぱい壁に当たって時に過食が酷くなるかもしれないけど、
先は必ず開けるから大丈夫です。

少しの勇気と努力の積み重ねで、過食症は治せます。
摂食障害歴20年前以上の私が治せたんだから、多くの人が「過食症は自分で治せる」と思っています。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました。

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