福祉ビジネスにも転換期を

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コラム

物質主義から脱出する時代


堅苦しいタイトルになりましたが全く難しい内容ではありません。


先日久しぶりにデパ地下に行きました。
久しぶりの理由はコロナウイルスに感染しないように人混みを避けていたのと、
コロナ禍でインターネットを利用して買い物をするスタイルが自分の中で定着したので、わざわざ時間を割いてデパ地下に行く必要もなくなったためです。


お世話になった方へのプレゼントに何がいいかなとネット検索をしていたところ、これだ!と思うものが見つかりましたが、配送までに時間がかかることが分かって、
他のものにしようかなと迷いましたが、お世話になった方へのプレゼントを妥協するのも嫌なので、近くのデパ地下にお店があるのならと出掛けることにしました。


日曜日のデパートオープンから30分ほど過ぎた頃にデパ地下に着きましたが、もうすでにたくさんの人がいました。

お目当てのお店はどこかなと地図を見て探して、お店の方に歩き始めました。

お目当てのお店の文字を探そうと、あちこちのお店を見回すわけですが、
人もさることながら、フロア一面に敷き詰められたお店(食品店)の数にちょっと圧倒されてしまいました。


洋菓子屋さん、和菓子屋さん、パン屋さん、ハムやベーコンにチーズ、お総菜屋さん・・・。


ショーケースには綺麗に陳列された商品が並んでいます。
パン屋さんでは焼きあがったばかりのパンが一斉に並んでいきます。
あっちにもこっちにもケーキが売られています。


自分が歳をとったせいか、管理栄養士として働いているためか、
「デパート閉店時にはどれだけの食品が破棄されるのだろう」と思うと恐ろしく感じました。


昔のようにわ~おいしそうなケーキがいっぱ~いとは思えなかった
こんな感覚は抱いたことなかったので正直自分でも驚きました。


物価はどんどん上がり、給料は上がらず、年金はそのまま。
でも、これだけの食品が消費されるって、やっぱり日本は裕福なんだと思ってしまいました。
いや、実際にはそうじゃない人もいます。


ここのデパ地下に限ったことではなく、数分歩けばあっちのデパ地下でもこっちのデパ地下でも、こっちの駅ビルでもこっちの駅ビルでも、どれだけの食糧が積まれているのかと。購入する人がいるから生産する。

裕福なんだと思わせる姿がそこにはありました。



物質主義が極まれば精神主義に転換するといわれますが、
じわりじわりと押し寄せてきている気がします。


マスコミや企業努力あってSDGsというワードが私たち一般の国民老若男女問わず浸透しています。

「地球環境を守ろう」「貧困をなくそう」

人間の物質主義が極まって地球を追い詰めて自分たちを追い詰めてしまったことの結果、
今度は自分たちの目に見えないマインドを形にして地球を救おう、自分たちを救おう。
これって正に精神主義に近いのではと感じました。


そして、超高齢化社会も精神主義真っ只中だと思いました。


もともと福祉は精神主義ではないといけないと思っていますが、実際は精神の部分はおざなりで、いかに施設のサービスが素晴らしいか、いかに施設設備にお金をかけているか、いかに人件費を抑えるか(介護ビジネスが人件費を抑えるとか実際難しいと感じています)、などに一生懸命になっています。


でも、そんな時代は終わらせなきゃいけないんじゃないかと思っています。
通用しなくなってくるんじゃないかと思っています。


事実、世界全体が精神主義に傾いているので、時代に逆らっている企業や団体はじわりじわりと置いてけぼりにされてしまう可能性が高いんじゃないかと思うのです。


高齢者が増えれば介護福祉を必要とする人が増えます。これからどんどん増えていきます。介護福祉サービスを利用する高齢者やそのご家族の需要に合わせて、福祉分野に参入してくる企業や、事業を拡大してくる企業も増えます。

利用する高齢者やそのご家族はどこにしようかな、どーしようかなと企業やサービスを選ぶことができるので、その質が問われることになります。


ビジネスとしてあちこちに社会福祉法人を立ち上げて介護の質は最悪で、社会福祉法人はめったに潰れないからと強気で仕掛けてきても、福祉の精神がない福祉ビジネスはなかなか厳しい時代になるんじゃないかなと思っています。

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