知っておきたい法律知識>裁判よりも検察官の前で供述した内容が重視される

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 法律は、普通は一般人の感覚通りに作ってあげるので、詳しく覚えなくても普通に生活できるのですが。一部で、一般人の感覚とずれた法律があります。それを覚えておくと便利ですね。
 その中に、裁判よりも検察官の前で供述した内容が重要視されるというのがあります。どういうことかというと、例えば、何かの容疑で取り調べを受けて、本当は無実なんだけど、検察官の執拗な取り調べが辛くて、「ここで容疑を認めても、あとで裁判で裁判官の前で無実だと言えば、そっちが優先されて無実になるだろう。だったら、ここでとりあえず容疑を認めておこう。」と軽い気持ちで、容疑を認める調書(検察官面前調書)に署名してしまうことがよくあります。
 しかし、それは重大な勘違いをしています。その場合は、あとで裁判で裁判官の前で無実だと言っても、検察官面前調書の方を重視されて、大体、そのまま有罪になってしまいます。検察官面前調書の証拠能力を覆すのはかなり大変です。なぜ、そのようになっているのかというと、法律的な理由は「検察官の前で二人きりであれば、真実を言いやすい。それに対して大勢が見ている裁判では、格好をつけるので虚言を言いやすい。」と言うものです。一般人の感覚なら、逆のような気がしますが。検察官面前調書の強い証拠能力を認めないと、高確率の有罪判決を維持しにくいという理由が、根底にあるようです。
 そういう勘違いで検察官の前で安易に容疑を認めて、有罪判決が出て、控訴、上告しても有罪になり、その後再審を何度も申請して、やっと何十年かけて無罪になったということがよくあります。
安易に検察官の前で、認めないのが良いようですね。
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