これもHPのアイキャッチ用イラストです。
福岡市の市外局番について描いたものです。
人のために描くと、仕事が丁寧になりますね。当然ですが。
普段は、自分の練習と、楽しみの提供のつもりで描いているのですが、
それは「私」の描いた作品ですので
良くも悪くも私の趣味ですし、私の裁量になります。
ご依頼いただいたものや、
こうして誰かのために描いたものは、
「私」である必要がありませんから
芸術でなく職人仕事のような扱いになります。
つまり、その絵は私の絵ではなく、
その組織や会社の宣伝の一部になるわけです。
美術史を勉強していると
ルネサンスごろから、一気に「作者」が重要視され始めます。
それまでの建築や絵画や彫刻にだって
作者はいたのですが、
ルネサンス以降は、
「誰が描いたか」が重要になってくるのです。
すると、芸術家というのが生まれます。
現代は、プロとかアマチュアとかの境界がなくなってきた時代です。
こうして誰かと誰かが出会って仕事ができるわけですから。
必要な人が必要な人と出会い、
名前のある無しや経歴に関係なく、必要な仕事が淡々と行われる時代です。
ある種、ルネサンス前に近いのかなと思います。
もちろん、その中で「私の作品がいい」と思っていただけると
とっても嬉しいのですが、
でも、芸術でなく、職人仕事として描く絵も、非常に面白いなと、
こうやっていろんな方とお仕事をしていく中で、思うようになりました。
社会に溢れるイラストの数々も、広告やデザイン、ロゴマーク
たくさんの方の「職人仕事」で、世界は成り立っているのですね。