ドイツ語暗号解読 イギリスの息子編①~母さん、事件です!~

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コラム
初!リピーターさんです!!
前回のポストカード暗号解読のご依頼主様から再びのご提案を頂きました~。イエイ、ぱちぱち。
なんと奇特な方。こういう方が存在している世界って素敵ね!
いろんな奇特な方がたくさんいてくれる世界だったら、もっと素敵で楽しいと思います。

添付されていたファイルを開ける時のドキドキ感、ワクワク感、前回のポストカードが思いのほか上手くいったので、やっぱり私としても期待値上がるんですよね!
で、ワクワクワク!!と頂いた画像を開いてみました。その時の私の感情の流れを表現すると、こんな感じです・・・

ワクワク!ワクワク!!
ワク・・・・ワ・・・・わぁ~・・・・くぅ~ん。
無理ばい!と意味不明な九州弁風でつぶやいた後、自暴自棄な笑い。
ポストカードに縦横無尽にびっちりと文字が書き込まれているのでした。
しかも、1910年。
つまり、私の苦手な戦前の文字ということです。戦前も戦前、第一次世界大戦の前です!

シャーロック・ホームズ、まだギリ現役だったりしないか?その時代・・・。
ウィキペディアで調べたら、1910年、ホームズ、まだ生きてます。
1909年に「獅子のたてがみ」事件があったということなので、ロンドンにはいなかった設定ですね。
だけど、そんな感じの時代背景として考えてOKのようです。

戦前の文字がどう違うのか、比較してみてほしいのですが、残念、ココナラのブログではリンクが貼れない。。。もしご興味おありでしたら、ドイツ語検索してみてね!
よろしかったらご利用ください↓

結構ひどく恐ろしく違うんですよね。
戦前の日本語でも「ゑ」とか「ゐ」とかあるじゃないですか。
ああいうのが入り乱れているだけならまだいい。
信じられないでしょうけど、本当にFGHYの見分けがつかない。
さらに、aenmrwの区別がつかない。
単語でちゃんと区切ってくれているとは限らない。
二つの文字が一つになって見えてしまっていたり、一つの文字が二つに区切られて見えたりするし!
sやdなんて、単語の真ん中にある場合と、一番最後にある場合で形が違う!

部分的にzer、gerなどの見分けもつかないんで、形状と文字数、意味、文脈を考えて、一つずつ手探りでアルファベットを当てはめていくという作業。
特徴的な形のアルファベットを見つけて、それに合う単語を探す。
地道でクリアできればいいですよ?だけど、その地道だけでは乗り越えられない壁が、確かに戦前の古い手書き文字にはあるのです。

文字の神様の降臨

これが必須!!
無茶ぶりも無茶ぶり。
文字の神様に知り合いはいないし、降臨してくれる保証もない。
降臨術ができればいいよ?

文字の神様、文字の神様、こちらにおいでください。豆大福をご用意しました。
・・・これで来てくれる優しい神様ならいいよ?

来―てくーれなーいもーんなー!!!

だけど、前回の成功例、1960年代のものだったけど、確かに納得できるクオリティに仕上げることができた。今回も、「やれるかも」「やってみたいかも」的な感覚はある。
かといって、確実にお金もらえるほどのクオリティに仕上げられるか自信がない。

ご依頼主様は、「趣味で」「コレクションをしている」、「急ぎではない」ということは分かっていたので、とりあえずご提案はお断りさせていただき、その代わり、一週間やってみてその成果で判断していただくという異例な対応をお願いすることにしたのでした。

今までの少ない経験上、分からないものでも三日粘れば、なんとかうっすらと見えてくることが多い。
とにかく三日は頑張ろう、と私は、心にねじり鉢巻きをしたのでした。

初日の頑張った結果がコレ↓
お母さん、こちらではみんな洗濯物をお母さんに洗ってもらわないのです。
という冒頭部分が出来上がった。

差出人は、イギリス、おそらくロンドンに滞在中の息子さん。ブレーメンのお母さんに宛てたお葉書です。1910年、6月半ばに出されている。
年若い息子、学生か大学入学準備とか・・・とにかくロンドンに来ている青年。そんなイメージがぼわっと浮かび上がります。

しょっぱなから、「母さん、事件です!」的な世界観が見えてきて、私は腹を抱えて笑い転げた。
だって、ドイツ人の息子って感じするじゃないですか。
ドイツでは、一人暮らしの息子さんは一週間に一度、洗濯物を持ってママのところへ帰ります。そして洗濯物を洗ってもらい、また一人暮らし先に帰るのですね。
現代ではどうか知りませんが、確実に10年前くらいまではそういう学生、独身男性ばっかりだったと聞いたことがある。

なので、この息子は、イギリスに来てカルチャーショックを受けたのだな。純朴な青年なのだなと、想像したら、なんか可笑しくなってきちゃって!!
ポストカードの最初の文に、ねーねー、お母さん!聞いてよ、イギリスではママに洗濯物してもらわないんだよ、変だよねぇ!って・・・そんな報告(笑)
バカな息子ほどかわいいって言うけどさ。

・・・・まぁ、例によってこの文も、ただの勘違いなんですけど。
この写真をご覧ください。
DSCN1748[1].JPG


どう見てもWですよね?
なので、私はWäsche(洗濯物)と読んでしまったのです。
だが、よーく写真をみてくださいね。
これ、Wじゃないんでーす。
下にぐるんとしっぽみたいなのが伸びてる。うっすらですが見えますでしょうか。
これ、schönesteって書いてあるんですよ。
この息子の書くWはその次の、もじゃっとしてるやつ!
なんじゃこりゃ~!!

このWだけで、私の悪戦苦闘、ブザマな血反吐の戦いの模様がご想像いただけるのではないかと思うのですが?

死闘は続く!

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