chatGPTで職務経歴書は作れるのか。
結論からいえば、職務経歴書は作れますが、書類選考には通りません。
それをご紹介します。
1.chatGPTIとは
近年、様々なAI技術が開発されており、私たちの生活や仕事の様々な側面に影響を与え始めています。
その中でも注目を集めているのが、ChatGPTのような生成AIです。
ChatGPTは、膨大な量のデータを学習することで、人間レベルの文章生成や翻訳、質問応答などを可能にするAIです。
ChatGPTは、OpenAI社が2022年11月に公開されて以来、その驚異的な能力で世界中の注目を集めています。
ChatGPTには、次のような特徴があります。
・人間レベルの自然な会話
・高度な文章生成
・多言語対応
・質問応答
・学習と進化
2.ChatGPTで職務経歴書を作る
ChatGPTは、様々な分野で活用されていますが、私が関わる分野だと、職務経歴書のような応募書類の作成に利用されること増えているようです。
実際、ココナラのサービスをご利用くださった方からも、「chatGPTで職務経歴書を作ったけれど、どうまくいかなかった」という声がありました。
「うまくいかなかった」とは、書類選考が通らなかったということです。
私も過去に何度かchatGPTで、職務経歴書を作成したことがあります。
ほぼ数秒で素晴らしい文章が作れます。
たとえば、あなたが「営業事務に転職しよう」と、考えているとしてください。
chatGPTに「営業事務の仕事に転職するための自己アピールを、300字で作成してください」とプロンプトを打ち込みます。
すると・・・
以下、chatGPTで作成した文章になります
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私は5年間の事務職経験を持ち、特に営業事務の業務において顧客対応、データ入力、書類作成などを迅速かつ正確にこなしてきました。
MS Officeを駆使し、効率的な業務遂行を実現しています。
顧客対応では、常に丁寧かつ迅速な対応を心がけ、信頼関係を築いてきました。
複数の業務を同時に進めるマルチタスク能力に優れ、問題解決力も高く、トラブル時には冷静に対応し、迅速に解決策を見出しています。
これらのスキルと経験を活かし、貴社の営業活動をサポートし、業務の効率化と顧客満足度の向上に貢献したいと考えています。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
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ここまで
この文章を、2秒から3秒で作成してくれました。
chatGPTの文章作成能力は凄いです。
3.この文章の問題点
さて、この文章の問題点はどこにあるのか。
この文章では既に5年間、営業事務の経験があることになっています。
でも、あなたが営業事務が未経験だとしたら、この文章はまったく役に立たないでしょう。
つまりchatGPTは、「営業事務」と「自己アピール」というキーワードで検索してヒットした言葉を組み合わせて文章を作成しているだけであり、個々の応募者の状況やスキル、経験はまったく加味していないわけです。
いわゆる「就活本」に書かれている自己アピール文と一緒なんですね。
4.「あなた」という人が伝わらない
私が就労支援に携わるようになったのは、今から20年前。
当時はまだ履歴書は手書きが当たり前の時代です。
市販されている履歴書を購入して記入するわけですが、その頃市販されている履歴書には「履歴書の書き方」が同封されていました。
そこに志望動機の一例が掲載されており「貴社の将来性に魅力を感じて、この度応募させて頂きました。」と、書かれていました。
だから、みんな、この志望動機を書いていたわけです。
私も書いていました(笑)
ChatGPTとは、一般的な模範解答を提供してくれるものです。
応募者がみんな、「貴社の将来性に魅力を感じて、この度応募させて頂きました。」と、志望動機を書いて応募してくるのと同じ状況なんですね。
chatGPTで作成した応募書類を見た採用担当者は、「また、これか」と思う。
採用担当者が知りたいことは【あなた】です。
でもchatGPTでは、あなたのことは絶対に書けない。
なぜならインターネットで検索しても、あなたのことは出てこないからです。
そのため書類選考が通らないわけです。
chatGPTで文章は作れても、あなたのことが書かれていなければ意味がありません。