日当たりシミュレーションで良く問題となるのが
日当たりを考えると南側の窓は大きくしたいけれど
南側の隣家から覗かれてしまうのではないか心配で大きくできない
という問題です
正面の窓からの視線はフェンスが有効ですが
向かいの建物の方が高い場合にはフェンスの上から見下ろされます
そんなときのアイデアとしてテラス屋根やパーゴラを組み合わせて使うことが考えられます
これらのアイテムを組み合わせると個性的でおしゃれな外部空間ができます
向かい側の建物からの視線が気になる
南側道路で日当たりの良い土地
どういうわけか南側の窓が縦長スリットの細い窓
日当たりの良い家3原則の一つ「南面に大きな窓を取る」
ことをお勧めしたのですが
「向かい側の建物からの視線が気になる」ということで
大きな窓NGでした
Ⅰ、目隠し:普通の高さの視線対策
目隠しと言えば窓の正面からの視線を意識されることが多いですね
1、塀、フェンス、生垣
塀
中が見えない塀といえば
刑務所の塀です
これではちょっとと思う方でも、素材やデザインを工夫すれば心地よい空間が考えられます
フェンス
写真はリクシルさんからお借りしました
これくらいのものだと光も風も通して視線だけ遮ることができます
生垣
これは銀閣寺の椿の生垣です
写真は「つらつら椿」さんからお借りしました
古来からある目隠しの手法ですね
狭い庭の狭い地面でもバルコニーのプランターでも生垣状に作り込むことで目隠しすることが可能です。椿だけでなく刈込に強い樹種であれば様々な樹種で生垣が作れます
2、格子、ルーバー
塀やフェンスや生垣だと窓の前に大きなスペースが必要です
幅を取らないで目隠しする方法としては格子やルーバーがあります
格子
写真は町家の面格子です
狭いところに高密度で住む都市的な生活では、昔から様々な工夫があったのですね
いろいろなデザインがありますので楽しみながら選ぶと良いと思います
ルーバー
写真はタカショーという会社からお借りしました
目隠しのルーバーを付けるとテラスやバルコニーが囲われた空間になります
写真のように外用のシンクを付けるとテラスやバルコニーに出る楽しみが増えますね
3、出窓
窓の外の手すりに花を置いてアイストップにすると
部屋の中の動きが気にならなくなります
4、カーテン、ブラインド
外付けブラインド
ブラインドは部屋の内側に付けることが主流ですが温熱環境を考えると外付けのブラインドが効果的です
下のココナラブログに詳しく書きましたのでご覧ください
横型ブラインド
写真はベネシアンブラインド発祥の地、ベニスの町のブラインドです
運河の水に反射した下からの光の眩しさを避けるための工夫と聞いたことがあります
縦型ブラインド
写真は立川ブラインドさんからお借りしました
横型のシルキーブラインドにあこがれて家中に付けたものの
埃が付くのが嫌で1か月で縦型に変えたという話を聞いたことがあります
埃が気になる方は縦型が良いかもしれません
5、ガラス・フィルム
熱線反射ガラス
写真はアソビューさんからお借りした九州国立博物館の写真です
ガラスの表面に金属加工がしてあり外が明るい日中は中が見えず
反対に暗くなると中の景色が外から見えるようになります
日中カーテンを開け放しておきたい方にはお勧めです
夜になって外が暗くなって中の方が明るくなると中が見えてしまいます。カーテンなどで対処する必要があります。
マジックミラーフィルム
熱線反射ガラスと同じような機能を後からガラスにフィルムを張ることで得ることができます。「マジックミラーフィルム」とか「熱線反射フィルム」で検索するとアマゾンや楽天で買えますのでDIYで施工することもできます
Ⅱ、目隠し:高い建物からの視線対策
塀やフェンスだけでは高い建物からの視線を防ぐことはできません。上からの視線は屋根の軒や庇、テラス屋根やパーゴラで対処することが必要です
パーゴラ
下の2枚の写真はタカショーさんからお借りしました。
下のようなパーゴラとルーバーの組み合わせは厳密な意味での目隠しではありませんが意識をそらすアイストップとしての役割が果たせると考えます
パーゴラにシェードを組み合わせると目隠し効果が大きいですね
シェードは開閉できるので状況に合わせて日射をコントロールできるのがメリットになります
テラス屋根
リクシルさんのテラス屋根の写真です。写真のように目隠しフェンスとセットで使うと様々な角度からの視線に対策ができます
【まとめ】
目隠しというテーマで小文を書くつもりが、あれもこれもで長いブログになってしまいました。それだけ先人たちの工夫があったということだと思います。
「ピンチはチャンス」という言葉があります
デメリットをカバーするための工夫が
個性的なデザインを生み出す力となることがあります
目隠しが必要と思うとき窓を無くしたり小さくしたりするだけでなく
より生活が楽しめるような工夫にトライしてみたいものです