【仕事はつらいよ】④仕事のストレスと心の病<後編>

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コラム
前回は「仕事のストレスと心の病」についてお話しました。
今回は「ストレスチェック制度」についてお話したいと思います。

1.働く人のメンタルヘルスセルフケアとストレスチェック制度

①セルフケアとして出来ること
時間外労働(残業、休日出勤)が、45時間/月を超えたら要注意 →1日2.25時間
健康状態の異変に敏感になる →2週間以上続いたら相談する
・毎日の食事(量、栄養)・睡眠(時間、質)・運動の管理
●自分がどんな条件や環境だとストレスを受けやすいかを知る
●疲れやストレスが溜まった時、どんな形で現れるのかを知る

・会社の健康診断は必ず受ける

等があると思います。

特に重要だと思うのは、3つ目と4つ目です。
ストレスは、同じ条件下で同じ形で全部の人に現れるものではありません。
同じ立場で同じ会社で同じ仕事をしていても、うつ病になる人とならない人がいます。
人それぞれ持っているスキルや特性、性格、生活環境、生育歴が全部違うからです。
まずは自分自身を知る、その上で今の仕事や業務とどう付き合っていくか、を考えます。
そうすると、上司や医師に相談するときも、相手に求めるものが伝わりやすくなります。
ただ「つらい」とだけしか言えないと、聞いた側も何をしたらいいか具体的に考えられず、
「とりあえず休職してゆっくりしてみたら」
のような提案になります。

休息することで回復する問題ならいいですが、復帰後にまた同じ仕事をして体調を崩すとしたら、無限ループです。そして無限に無理を重ねることは出来ません。
どこかで数日・数カ月の休養ではどうにもできないような病気に発展しかねません。

自分を知り、何が必要かを考えることが、すべてのストレス対策の出発点になります。

②ストレスチェック制度
平成27年(2015年)12月1日に「ストレスチェック制度」が施行されました。
ストレスチェック制度とは、定期的労働者のストレスの状況について検査を行い、本人にその結果を通知して自らのストレスの状況について気付きを促し、個人のメンタルヘルス不調のリスクを低減させるとともに、検査結果を集団的に分析し、職場環境の改善につなげることによって、労働者がメンタルヘルス不調になることを未然に防止することを主な目的とした、日本の労働法規に定められた制度
wikipedia
多くの企業では健康診断などと同時に、または社内のe-ラーニングなどで実施されていると思います。
結果は、「どんな要素にストレスを感じやすいか」「ストレスを感じるとどんな反応が出るか」等を知ることが出来ます。

また職場でほぼ一斉に実施されるので、職場全体としてどんなストレス傾向があって、その為にどんな対策が必要か、を、会社が知ることが出来ます。

①の3・4つ目についても、ストレスチェック制度の結果から知ることも出来ます。
高ストレス状態にあると判断されると、医師との面談を推奨されます。面談は義務でも命令でもありませんが、何より自分を守るためですから、出来るだけ受けましょう。

4.働くときに気をつけたい3か条

私は、心の病を心だけで予防・回復させようとすることには懐疑的です。よく言われる「気合で治す」というものです。
道具や他者、行動面の変化を活用したほうが効果的だと思っています。

とはいえ、仕事の世界に首まで浸かっていると、会社の利益>自分の健康、という図式が常識になってしまいます。気がつけば自分だけボロボロ、という人も多いです。

その反対の価値観や考え方がある、ということを知っているだけで、メンタルヘルスへの取り組み方が変わってくると思いますので、以下の3点は出来れば覚えておいていただきたいと思います。

1)仕事に自分を支配されない
2)✕働くために生きる ○生きるための労働(とその対価)
3)休職・転職をむやみに忌避しない

ワーク・ライフ・バランス、という言葉が広まって久しいですね。
この「バランス」とは、何を指すのでしょうか。
もちろん仕事と私生活にかける時間やコストなどもそうですが、私は「価値観」だと思います。
仕事で栄達して稼いでいる人はエライ、そうじゃない人はダメ、のような風潮はまだまだ健在です。
でもそれを決めるのは社会でも他人でもありません。自分自身です。

どんな風に仕事をするか、仕事以外の家族や趣味、ワークライフをどのように捉え、その為に何をするか、の、自分なりの価値観を持ち、それに沿って選択・行動すること、ではないでしょうか。

「ワーク」に比重が傾くのも、それが自分の価値観なら良いと思います。逆もまた然りです。
NGなのは他者の言い分をそのまま鵜呑みにすること。
結果が悪かった時、後悔するのは自分です。
頑張った結果が病気や後悔なんて、もったいないとしかいいようがありません。

自分がどう生きていきたいか、の価値観を持って働くことが、今こそ必要なのではないでしょうか。




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