まず、言葉の定義をしっかり理解すること、割合を使った計算に慣れることが重要です。
原価:商品を仕入れた時の値段です。仕入れ値とも言います。
利益:売れた時の儲けになる金額です。原価にプラスします。SPIでは原価に対する割合で表わされることが多いため、注意が必要です。
定価:原価+利益です。「売ろうと思ってつけた」値段です。
売り値:「実際に売れた」値段です。値引き販売をした場合、定価とは異なります。
定価=原価+利益
売り値=定価-値引き額の関係式が成り立ちます。
しかし、利益や値引き額は割合で表わされることが多いため、実際には下記の式で覚えておくとよいでしょう。
定価=原価×(1+利益率)
売り値=定価×(1-値引き率)
(1)利益の割合は、原価に対してどれぐらいの利益を設定するかを示しています。ここでは30%と示されています。上式を使う際には、%表記から小数点表記か分数表記に直しましょう。
10000×(1+0.3)=13000
A:13000円(2)値引き額は、金額そのものが示される場合よりも、設問のように定価に対する割合で表わされる場合が多いです。~割という表し方についてはきちんと押さえましょう。1割=10%に相当します。
13000×(1-0.2)=10400
A:10400円
【例題2】
太郎君・次郎君・三郎君が旅行にでかけた。太郎君は宿泊費の30000円を支払い、次郎君は交通費の21000円を支払い、三郎君は食事代の10500円を支払った。全員の負担額を同じにするためには、三郎君は太郎君にいくら払えばよいか?全員の勘定を同じにする、いわゆる「割り勘」の計算です。皆さんにも馴染みがあると思います。割り勘の計算では、平均額に着目します。平均額は以下の方法で計算できます。
支払合計÷人数=平均額
(30000+21000+10500)÷3=20500
平均額は20500円です。3人の負担額が、この金額になるように精算します。
精算を考える際はまず、お金を受け取る方ともらう方の人を整理します。
平均額より高い金額を支払っている太郎君と次郎君は精算でお金を受け取る方です。次に、平均額より低い金額を支払っている三郎君は、お金を支払う方です。続いて、支払額と平均額の差額を考えます。太郎君の支払額と平均額の差額は、
となります。以上より、太郎君が三郎君より受け取る金額は9500円であることがわかります。
A:9500円この設問では問われていませんが、次郎君が三郎君から受け取る金額も同様に計算できます。
次郎君の支払額と平均額の差額は
21000-20500=500
となり、次郎君が三郎君から受け取る金額は500円とわかります。
この問題では例題2とは逆で精算時の支払額が判明していて、費用がわかりません。前問と同様に、この問題でも平均額が重要です。ですが、食べ物代がわかりませんので支払合計金額がわからず、平均額を求めることができません。
この場合は、別の角度から平均額を算出します。精算時のやりとりに着目して下さい。精算時のやりとりは、三人の負担が同額(つまり平均額)となるように行われているはずです。
14500-4500=10000
平均額は10000円であることがわかります。さて、食べ物代を負担した花子さんは精算時に2000円を受け取っています。ということは、食べもの代は平均額より2000円高かったことがわかります。