気楽に読んでください、呼吸のおはなし ~その83~

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お読みくださっている皆様、いつもいつも本当にありがとうございます。
今日もどうぞ宜しくお願い致します。
僕と一緒に呼吸を感じ味わい楽しまれている希少で奇特な方々の共通の悩みは、知り合いをこのワークに誘いたいけれど、何と説明して良いかが分からない、ということなんだそうです。
ずっと長く、継続してくださっている方ほど、この活動を何とも言葉で説明の仕様が無いと、こう仰る訳です。
僕が折に触れて、「出来れば呼吸という言葉すら使いたくない」なんて言うものですから尚更なんだと思います。
このような本当に真摯で真剣なお言葉に触れさせて頂く度に何を思うかと言いますと、とにかくこの方々は凄い、本当に凄いということ、それと、僕なんかまだまだだなぁということ。何故かというと、この方達は仕方無しに近い言葉でもって妥協してお茶を濁そうなどとは一切思ってらっしゃらないということ、それに引き換え僕は、何だかんだ言いながらも毎晩のようにこのようにブログで言葉にしてしまっているという矛盾。
色々と申し訳無く思います。
ただそんな中、僕も私生活の色んな場面で、自分のこの呼吸に関する活動を自分から進んでPRするようなことは殆ど、否、一切ありません。
PRなどしなくても、生きている限り僕の呼吸はいつも僕の内にあって、必要に応じて内から外へと何かを働き掛けて、何かを発散しているのですから。
日本には柔道とか合気道とか茶道、華道など、精神性に重きを置く表現様式がたくさんありますね。
このような世界に生きておられる方々が真価を発揮される瞬間とはどのような時か、皆さんはどうお考えになりますか。
柔道家であるならやっぱり見事なタイミングで人を投げ飛ばす瞬間でしょうか。茶道の先生であればお茶室でのお手前に於ける見事な立ち居振る舞いでしょうか。
僕は出来ればこれらの人々に、一切人を投げ飛ばしてもらいたくは無い、お茶を点てて欲しくは無い(←このように茶道の先生からお茶を取り上げることを " 無茶 " と言います)。
普通に駅のホームで電車を待っていてもらいたい、スーパーのレジに並んで買い物をして、信号待ちでは時にはボーっと考え事もして、たまには間違い電話が掛かって来たりもして、ATMでお金の出し入れをして、床屋さんや美容院ではとりとめのない会話をし、急に雨が降れば困ったような素振りもしてもらいたいのです。
これら全ての瞬間瞬間に、柔道のマスターであればその真価が、茶道のお師匠さんであればその心の在り様が、隠しようが無くそこに発散されてしまっている、そんなもんだと思っています。
「わたしを茶道の家元だと信用できないのですね?分かりました、ではこれから家へ来てください。心を込めてお茶を点ててご覧にいれます」と、こんなのとは真逆のこと(もしホントにこんな人が居たらの話ですけど、こんな人が居ないことを祈りますが)。
「この人、前々から何て言っていいか分からないんだけど、何か違うな~って、どこか静か~だし、動じないところがあると思ってたら、そうか、そうだったのか、ずっとお茶をやってるんだ!」こんな風に、何かがその佇まいの奥から滲み出ているような、それが、どんなPRよりも深い処に届くメッセージとなっている人。
僕はいつも自分の呼吸を大切にすることと、このように普段、生きて生活している全ての場面がいつも結び付いていることを認識しながらも、でも殆どそれを忘れて時間を過ごしています。
僕の中で培われた何かは、それが本物であればあるほど、僕が意識で発散させるものでは無くて、忘れている時ですら、忘れている時にこそ、滲み出てしまうものだと思っていますから。
それでえらいもんで、ホントにバレる時が結構あるんです、ここ数年は特に。これは、僕から滲み出ているであろう何かもそうなんでしょうけど、そういった醸し出す雰囲気や臭気といったものを嗅ぎ分ける(※毎日お風呂入ってます)極普通に見える周りの一部の人の感性の凄さに驚きます。
「なんか、シューっとして、普通とちょっと、違いますよね」とか、
「ひょっとして、気功かなんか、やってます?」とか、
「なんか、こう、ぐぅーっとしてて、姿勢いいなぁーと思って」とか、
極普通の、特にスポーツや武道やヨガとかそういうことを一切やったことも無いような人が、却って僕の後ろ姿とかをパッと見て言って来たりすることが結構あるんです。
それで、そうなって初めて、自分の活動をほんの少しだけ説明することがあります。これだと、もう説明は半分以上済んでるようなもんなので、お相手も何と無く納得してくれてるようではあります。
僕は現在、このようなこと以外に、本当の意味での良いPRを思い付かないというのが正直なところです。
これは、融通の利かない頑なに凝り固まった考えなのでしょうか。
呼吸によって、もっと体も頭も柔らかくすべきなのでしょうか。
こんな風にブログを毎日更新している自分は、その点では随分と大人に成ったとは思いますが。
背骨の勢い、骨盤の受容性と安定感、これらが雄弁に何かを物語ってることだけは、どうやら本当だと、このようには感じています。

つづく

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