廊下のようで廊下でない

記事
コラム
一般的に「廊下」と言われるのは
どこかの部屋と別の部屋をつなぐための通路になる空間のこと。

間取りの相談を受けていると
みなさん口々に「廊下のない家」を希望されます。
移動するだけの廊下に
面積を割くのはもったいないという気持ちからでしょう。

廊下を少なくすれば、その他の部分を広くすることができ
他にもそれなりにメリットがあるため
あながち間違いでもない発想。

また、家づくりには同然予算というものが
常にまとわりついてちらついて
そんなこんなで「廊下」は邪魔者扱い。
そんなものは、この際ばっさり切ってくれとなるわけです。

家づくり中の人の部屋の配置に対する要望は
結構見たまま聞いたままの思いつきで
廊下不要!がそのまま自分の家づくりにも
採用されているケースが多いのです。

それならばと私たち設計側も
玄関や階段を家の中央に置いてみたりして
なんとかしてできるだけ廊下を作らない計画を四苦八苦試みるわけですが
部屋の配置って廊下で大きく変わることから
それって廊下がないと物理的に無理やん!なんてことがも
少なくないケースです。

それならば、とその「廊下」を「廊下」以上のものにしてしまえば
付加価値が加わることになって歓迎されるのではないでしょうか
というのが今日のお題。

まず
付加価値① 視覚的効果を付け加える

そもそも廊下はゆとりの空間でもあります。
暮しのゆとりが廊下に現れるといってもいいかもしれません。

部屋から部屋へ移動する廊下で
庭の景色を眺めたり、差し込む光で気分転換できるような
視覚的な仕掛けを取り入れることでゆとりが実現します。


付加価値② 役割を付け加える

無駄なスペースのように見える廊下も
実は色々な役割をもって存在しているのですが
なかなかそこには気づかないものです。

ではこの無駄と思われがちな廊下にわかりやすい機能を付け加えてみては
いかがでしょう。
例えば
廊下の壁一面に収納を設ける
読書が趣味という方であればいつでも本を手に取れるように本棚を設ける
好きな絵や子供の書いた絵を飾るギャラリーを兼ねる
ウォークインクローゼットをウィールスルークローゼットにするなど
移動空間としてだけでなく
もうひとつ役割をくわえることで
ただの移動スペースとは言わせないぞ!となります。


付加価値③ あえての大きさを加える

移動だけの廊下となれば幅はだいたい決まっていますが
これを部屋の一部として考えてみるのはいかがでしょう。

通常の廊下幅でなく、あえて大きく幅をとることで
フリースペースのような部屋を兼ねる。

カウンターを設け、子どもたちが一緒に勉強ができる
あるいは家族共有のPCコーナーとしてもOK。
室内干しのスペースにも利用できるし
書斎にだってなります。
使い方は家族によっていろいろなものに七変化。


これらは一部の例ですが
こんな風に「廊下」は考え方次第で
色んなコトに使え暮らしに幅を持たせてくれます。

廊下であって廊下でない。

そう邪険に扱わずに
自分の暮らしを豊かなものにする助っ人として
廊下をフル活用してみませんか。

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