HTMLとワードプレス、そしてWixの使い分け

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コラム
HPを作成する際、よく質問がある事項として、
「HTMLとワードプレス、そしてWixのどれがおすすめですか?」
と聞かれることが多々あります。
それぞれ長所と短所があり、その都度ご説明差し上げていますが、どなたかのお手伝いになればと思い、ブログに書くことにしました。
迷われている方や、そもそもノーコードって本当に素人でもHP作れるの?と疑問を持っている方の一助になればと考えています。

なお、これを読まれる方はHTMLやCSSなどのプログラムについて、「詳しくはないがなんとなくわかる」程度以上の知識はお持ちかと思いますので、それを前提に書いていきたいと思います。
可能な限りわかりやすい言葉に置き換え、かつHTMLやCSSの知識が無い方が作業する前提での説明となりますので、専門的な部分は割愛させています。その点のみご注意下さい。

ノーコードって何? ワードプレスとWixはノーコードの代表例。

結論から先に言いますと、ワードプレスとWixはHPのコードに対する知識がなくてもHPの作成が可能です。もっとわかりやすく言えば、パワーポイントで資料を作るイメージで作成できます。
※希望するデザインが100%再現できない可能性はありますが、十分デザイン性が高いHPは出来上がります。

このノーコードという言葉は語弊があり、実はコード自体存在します。例えノーコードであっても、どんな形式のHPであっても、HTMLそのものは必ず存在します。ただ、このHTMLにPHP等のプログラムを掛け合わせることで、表面上はまるでコードが存在しないが如く見せている、と理解した方が正しいと思います。

そんな簡単にHPが作れるのであれば、どのサイトもワードプレスやWixを使っているの?という疑問があるかと思いますが、実際は・・・そうでもない。つまり、全てがノーコードにならない理由があり、「用途や利用者の目的に応じて使い分けされている」というのが、最も妥当な答えかと思います。

ワードプレスのメリット・デメリット

ワードプレスとは、オープンソースで作られたプラットフォームツールです。誰でも自由に無料で使用できる、HPが機能する必要最小限のツールとお考え下さい。ワードプレスは2階層から構成されており、プログラムの根幹となる「本体部分」とHPとして表示させるための「テーマ」から成り立っています。
イメージする方法として、よく例に出されるのが「本体部分を人で例えるならば、テーマは(自由に着替えることができる)洋服に当たる。」という例え方をします。ごく一部のエンジニア以外は本体部分を扱うことはありません。ワードプレスを使ったHPを作成したいという場合は、このテーマに手を加えて行くこととなります。
「テーマ=デザインテンプレート」そうイメージして頂く方がしっくりくるかもしれません。基礎となるデザインは最初から施されており、PCとスマホで的確に表示させるレスポンシブ機能、見出しに使う装飾デザイン、隙間を同じ感覚で作ることができるスペーサー機能などは準備済みです。複数のツールが用意されていますので、その中から好みのものを選び、自分オリジナルのHPを作って行くという流れです。
初期設定はワードプレス開発チームが作成したテーマが適用されており、もちろん作業途中でも違うテーマに変更することも可能。無料で配布されているものから有料で販売されているものまで多種多様なものがあります。
1テーマ1デザインが基本。無料で配布されているテーマは少しデザイン性に欠ける部分がありますので、多くの場合は有料テーマを購入します。価格は使い切りのものからサブスクのものまで多々あり、「SWELL」というテーマがとても有名です。

デザインについてはテーマの選択およびカスタマイズで整えることができるという点についてはお分かりいただけたかと思います。
他方、ワードプレスの「機能」という面では、初期状態では物足りない部分が少なからずあります。それらを補うのが、「プラグイン」と呼ばれるものになります。これもイメージしやすいように例えるならば「道具」ですね。日常生活する上で自転車や車を必要とするように、ワードプレスもプラグインを用いることで快適に使用することが出来ます。具体的には目的に応じたプログラムがパッケージされているものとイメージして下さい。

「プラグイン」についてもう少し詳しく。
どんなHPを見ても「お問い合わせフォーム」のページがあると思います。これは必須というより、あって当然の機能。ところがワードプレスにはこの機能が含まれていません。自分で用意する必要があります。
自力で作成するならば、結局プログラムの知識が必要になりますが、それをカバーしてくれるのがメールフォームプラグイン。これをインストールすれば、簡単にお問い合わせページが出来上がります。
それ以外にも有名なものとして、SEO対策プラグイン。これを使用すると専門的知識を必要とせずSEO対策を行うことができます。ワードプレスはSEO対策に強いとよく耳にしますが、これがその理由となります。

プラグインはワードプレスが公式に用意しているものと、ワードプレスを更に便利なものにしたいと考えるプログラマー、個人・会社を問わず「志のある有志」が提供しているものがあります。
但し公式に用意されているものはごくわずかで、ほぼ全てのプラグインは「志のある有志」が作成したものです。
これについて、ワードプレスの管理者側は一切のチェックを行わないません。なぜなら、ワードプレスは誰もが自由に開発することができる、オープンソースだから。残念ながら実際、悪意を持ったプラグインも存在しますし、途中で開発を放棄するプラグインもあります。このあたりは十分注意が必要ですが、もちろん回避方法もありますので、ご自身による情報収集が必要になります。

それ以外にもワードプレスの特徴として、「データベース機能」を有していますので、ブログを書くことが出来ます。データベース機能を一言で言えば、所定の接続作業を行えばサーバーへアクセスすることができ、かつサーバー内の情報を上書きできる機能のこと。ブログを書くと当然サーバーに保存しなきゃいけない。よって、データベース機能がないとブログは書けない。そんな仕組みになっています。

ここまで書くとワードプレス最強じゃんと思うかも知れませんが、利便性が高いが故に問題と隣合わせになっています。それがコードで記述したHTML作成のHPと比較した際に圧倒的シェアを得ていない原因とも言えます。

キーワードはオープンソースとデータベース機能。
ワードプレスの原点に戻って頂きたいのですが、その実態はプログラムです。スマホやPCのアップデートと同じく、データ更新が頻繁に行われます。またオープンソースであるが故に、iOSやWindowsのように厳格な管理が行われていないため、セキュリティホールが発生することも多々あります。
これらに対処するための自動更新機能はありますが、手動で更新しないといけないケースもあります。また最も注意しなければいけないことはプラグイン。プラグインはその機能がワードプレス開発チームで担保されたものではありません。悪意を持ったプラグインもありますし、途中で開発を放棄するプラグインもあります。
見落とされがちですが、プラグインもプログラムですので、実は「更新」が必要になります。ワードプレスの更新が行われたならば、プラグインもワードプレスのバージョンに応じた更新が必要。ところが、開発を怠っているプラグインは更新作業が行われないため、結果、バグを引き起こす原因になってしまうのです。
最も発生する問題として、特定のプラグインが原因となり、画面がホワイトアウト(真っ白)してしまうことです。
これ、ワードプレスを扱った方は一度は体験した経験があると言われるくらい、頻繁に起きます。その際、ログイン画面にすら入れなくなり、専門の方に修復を依頼するか諦めるかという2択になります。

次にデータベース機能を起因とするトラブル。
労なくサーバーにアクセスできるということは・・・簡単に他人に改ざんされる可能性があるということです。これも珍しいことではありません。比較的よく発生する事象です。

以上により、ワードプレスは利便性が高い部分とセキュリティ上注意する必要がある部分の相反関係の上に成り立っています。
とても便利なツールですが、管理者がある程度PCに興味を持って頂く方でなければ、少し大変というのが実情。
「こまめにログインを行なうことができる」
「プラグインの良し悪しの見極めができる」
「こまめにバックアップを取ることができる」
「トラブルが発生した際に修正を依頼できる方がいる」
これらが苦にならない方には最高のツールです。仮に制作をプロに委託したとしても日々のメンテナンスが出来ない場合、結果は同じです。その点に十分注意して運用を行なって下さい。

Wixって何よ?

Wixとは、ワードプレスのメンテナンスセット版とイメージしていただけるとわかりやすいかと思います。Wixと似たものでSTUDIOもありますが、Wixにしかない機能があり、Wixを使うケースが多いように見受けられます。

Wixは無料でも使用できますが、無料プランでは独自ドメインすら設定できないため、実用的な運用を考えると課金する必要があり、月額課金制となります。基本的な部分はワードプレスとほぼ同じ。ただ大きく違うのは、ワードプレスが1テーマ1デザインが基本となっているのに対し、Wixには数百のテンプレートが準備されていますので、独自性の高いHPがとても簡単に制作することが出来ます。
ワードプレスのプラグインに相当する機能も充実しており、こちらはWixがその機能を担保していますので、よほど特殊な事情がない限り問題が発生することはありません。
また、Wixオリジナル機能として課金システムがあります。物販の場合は楽天等のECサイトを使う機会が多いかと思いますが、「教室の運営」や「月額集金」が伴う事業を運営したい場合は、メリットがあります。この点がSTUDIOと差別化されている点になります。
※STUDIOも厳密に言えば外部サイトとの連携で同様のサービスが提供されています。

Wixのデメリット。
それはシンプルにサブスク料金が必要になるという点です。基本的にHPは無料で所持することが可能ですし、一般的な考え方かと思います。それが気にならない方には・・・良いのかなと思います。
Beige and Purple Minimalist Gym Table Graph.png

以上、簡単にご説明してきましたが、いずれの方法でも自作は可能です。但し、自分の思い描くデザインで仕上げたいという方は、ワードプレス・Wixともに、CSSやJavascriptなどといったコードを書き足す必要があります。
ちなみに、企業サイトはサイトの安定性・安全性を重視し、これらの手法を用いず、HTMLでの制作を好まれるケースが多くを占めています。
そして、ブログページのみワードプレスを採用している、決済ページのみWixを使っている・・・という個人・企業様もよく見受けられます。

それぞれの特性を活かし、「自作・委託」「テンプレート使用・デザインのオリジナル性重視」「ノーコードの部分活用」など、自分自身にとってどの方法が最も適しているのかを検討した上でベストの選択を行えばいいのかな・・・と考えております。

思い描くデザインが選べない、思った以上に作業が手間で時間ばかり溶けて行く、マニュアルに沿って作業しているのに、なぜかうまくいかない。そんな壁にぶつかるケースもあるかと思いますので、タイムパフォーマンスも含め、お手伝いできる部分は喜んでお受けしますので、その際はご一報下さい。
デザイン案をご提示いただき、HTMLでのコーディングのみもお受けしております。
よろしくお願いします。





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