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ココナラブログ
後ろにいたのは・・・・
記事
小説
ツキノシヅク
2021/03/04 11:09
※(28) 過去に掲載したものを、改正して再投稿。【短編集より】
私が中学生の時の話しです。
その日は独りで、留守番をする事になりました。
夜、テレビを見ていると
「ピンポーン」 とチャイムが鳴りました。
とりあえず誰なのかを確認するため
ドアに近づき、のぞき穴から見てみたんです。
そこに立っていたのは兄でした。
バイト帰りの兄の後ろに友達が立っていたので、
寝巻き姿を見られたくなかった私は、
鍵を開けて急いでリビングに戻りました。
兄もリビングにやってきて、
何食わぬ顔で一緒にテレビを見始めたので
私は
「兄ちゃん、友達ほったらかしにしていいの?」と聞きました。
すると兄は
「はっ?友達なんかいねーよ。」
と返してきたんです。
「さっき後ろにいたじゃん。」
「誰も連れてきてねーよ。」
確かにあの穴から覗いた時、兄の肩あたりに人の頭があったんです。
兄の後ろには誰かいたのです。
当然兄は信じてくれませんでした。
帰ってきた母に・・。
「・・・・って事があったんだよ。たぶん私の錯覚だけどね。」
すると母が
「母さんも同じ体験したわよ。」
と言い出したんです。
私がその体験をした時期に、母も穴ごしに兄の後ろに人がいるのを見たそうなんです。
その時、母も友達だと思って
鍵だけ開けて顔を合わせる事はなかったそうですが、
後々友達がいない事を知り、自分の錯覚だと思い,
気にしてなかったそうなのですが・・・・
やはり私の兄の後ろには何かがいるようです。
あの時、私と母がドアを開けていたらと思うと怖くてたまりません・・・・
すでに私の家には何かが入ってきてしまっているのでしょうか・・・。
#短編小説
ツキノシヅク
絵描き/コミュニケーション×心理学/講師 / 40代前半 / 男性
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