紡ぐべき思い5

記事
小説

※(16) 過去に掲載したものを、改正して再投稿。

【短編集(シリーズ)より】





[本文]
孝輔の母親は、泣き腫らしたその双眸で
男を睨みつけていた。

父親はそんな妻を抱きしめ
すがる様に
やはり男を見ていた。



しかし

男は表情を変えずに


孝輔君が待っています。
ご一緒して頂きたいのですが


父親が問う。


「どこへ?」



男はそれに答えず立ち上がり、
静かな眼差しを二人に向けたまま


行きましょう。
孝輔君を救う為に



!!


「こ 孝輔を救う?」

男に促されるまま
父親は車を走らせた。


母親は、助手席から
窓の外を、虚ろな目で眺めていた。




後部座席


シートに深く身を沈めた男は、
小さく溜息をつく。

そして

孝輔に告げた言葉を思い出していた。
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