お客様の記憶に残るバーのデザインについて

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デザイン・イラスト
ありふれたデザインが溢れた昨今の飲食店舗の中でも
「なぜか落ち着く」、「ずっと記憶に残っている」
そういったお店は、誰にも必ずあると思います。


一見おしゃれなように見えるお店だが、落ち着かないお店はたくさんあります。
おそらくそれは空間の作り方や、ただオシャレなお店を作ってるからだと思います。


では、どうすればよいのか?
・飲食店開業を考えている方
・バーをオープンさせる方
へ向けたバーデザインについて、以前デザインさせて頂いたバーを参考に解説したいと思います。

先にお断りさせて頂きますが、今回のバーは少し広い空間のバーの為、よくある10坪程度の小さめのバーとは少し違います。
ただ基本的な部分は一緒なので参考になるかと思います。

バーデザインのコツ

今回デザインさせて頂いたバーがダーツバーで、少しアミューズメント寄りのバーになっています。

パース_2-2 - Photo.jpg

一般的にバーと聞くと黒っぽい内装のものをイメージされる方が多いかとおもいますが、このバーは和のテイストを加えたモダンバーというコンセプトで、「ダーツバー x 和」というおそらく誰も予想もしない光景が店内に広がっているかと思います。

まず、今回のデザインでお伝えしたいのが、
「コンセプトを明確に持つ」ということです。
ここでいうコンセプトとは、業態ではなくどちらかというとインテリアのコンセプトになります。
ただおしゃれな店舗を作りたいというのではなく、インテリアの方向性が分かるコンセプトがあることで、どこを訴求すればお客様の記憶に残りやすいか、どうすればデザインを強調させれるかを絞ることができます。


今回は和を基調にしていたので、全体的に木を中心にマテリアルを決めていき、格子や盆栽などをイメージさせる植栽カウンターを各テーブルに設けました。
また、椅子だけではなく、日本の座る文化を感じさせるよう低めのソファー席も用意し、座席にバリエーションを持たれるようにしました。

こういったバーやカフェのような業態では、座席にも力を入れます。
というのもお客様は空間を楽しみに来ているケースが多いからです。
よく人気のカフェにいくと種類の違う椅子が多数置かれているお店を見たことがあるかと思います。
これは空間を楽しみに来ている客層を意識して席を選んでもらう楽しみを提供しているのです。

したがってバーにおいても空間に余裕があるのでしたら定番のバーカウンターだけではなく、テーブル席やソファ席を設けるとお客様に選ぶ楽しさを提供することができます。

次に落ち着く空間でありながら印象的に内装にするための方法ですが、
それは空間にメリハリをつけるということです。

パース_1 - Photo.jpg


今回のダーツバーで一番最初に目が行くのはおそらく「奥の石壁」か「天井」だと思います。
このように来店される方の視線の先をあらかじめ設定してデザインすると一目でどのようなお店か印象付けることができると思います。

その演出のために天井を造作し、バーの落ち着いた雰囲気、高級感、和テイストを作り出しました。
落ち着いたバーは天井の高い店内よりどちらかというと少し低めのものが多く、少しこじんまりした空間が居心地のよさにつながります。
したがって高さを調整しながら高級感を出すよう木目の天井をランダムにならべました。

木目だけで統一するとメリハリがないインテリアになるので、今回は石の壁面をアクセントとして設置し、それを間接照明で強調させました。

まとめ

・インテリアコンセプトを設定
・落ち着いた空間にするための空間がなにかを把握する
・メリハリをつけ、来店客の視線を設定する

このプロセスでデザインすると素敵なお店になります。



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