AI時代の泳ぎ方⑱ 市場分析スキルについて〜爆速プランナーになる為の必須スキル〜

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ビジネス・マーケティング
前回、企画の要諦は、「課題抽出と方針設定」が根っこだと言いましたが、それに関連する大事なスキルがもう一つあります。

それは課題に至るラショナル=もっともらしいロジックづくりのスキルです。

前回お示しした企画書3枚のうちの1枚目、市場環境などの分析・整理の部分です。

少々ディテールではありますが、覚えておくべき必須スキルなので、筆者の経験から整理の方法を解説します。

作業前に、扱うテーマが、新しいモノコトか、既にあるモノコトか、で整理の方針は異なります。

「新しい」の意味は、既成のジャンルにない商品やサービスやビジネスモデルの企画です。
で、経験上、テーマの多くは既成のモノコトが多いです。なので今回はその際の分析や指針について解析します。

勝利ロジックをつくる

整理の基本スタンスは、そのジャンルや市場環境を分析し、企画の勝利ロジックをつくることです。

企画でもマーケティングでも、ビジネスの究極の目的は、目的を達成し、成功することです。俗な言葉で言えば、勝負に勝つことです。

勝利ロジックとは、あれこれと色々分析した結果、ここに勝つチャンスがあるという視点を読み手に提供することです。

具体的な例でお話しします。

例えば、先述(ブログ⑭、⑮)のオール電化キッチンカーのケース

この場合、既に市場があり、競争相手がいるので、 市場、競合、自社商品という視点で情報収集します。

そして、分析結果を、

①市場は伸び盛り
②競合はガソリン車のみの一元的競争
③そこにEVを持ち込めば勝負になる

という順番で並べ、勝利ロジックをつくったわけです。

前々回のブログでご紹介した企画書の1枚目を眺めてみると、そういうロジックになっています。(下図)

ブログ15-5.png


このように、分析の視点として、全体と自社、あるいは競合と自社の対比から何らかの活路を見出すという順番が基本です。

ブログ18-2.png

では、競合がない、あるいは茫洋としている場合はどうでしょうか?

この場合は、別の勝負ロジックになります。

例えば、イベント企画のケース

ある会社が、新規客のリストを得るためにB2Bイベントを計画するとします。明らかな競合はいません。

その場合、呼び込む顧客候補の分析(タッチポイントやインサイトなど)します。

顧客分析は競合分析に勝るとも劣らぬ重要な要素です。
どんなビジネスでも顧客の獲得・維持が生命線であり、そのために顧客の動向把握が常に必須だからです。

なので、企画にあたって、当該イベントをいかに顧客に認知させ、惹きつけるかが基本的な視点になります。

分析は、世の中の類似ケースを探して、現状どんな様相かを分析し、それらから成功要素を抽出します。

また一方で、自社の事情を勘案します。要するに自社の独自性や強みは何か、あるいは、どこまでできそうか(fisibilty)のチェックをします。

そして、以下のような勝利ロジックをつくります。

①世の中のB2Bイベントの実態評価
②成功しているイベントの成功要因の抽出
③自社の強みを発揮できる要素の抽出
④そこを押さえてイベントを企画する

例えば、以下のような1枚です。

ブログ18-1.png


この場合、分析の視点として、顧客動向やニーズの抽出が元になっています。

AIに何処を担わせるか

さて、この作業をAIとどう協働するかです。

AIはジェネラル知、自分達はローカル知というスタンスで活用する。

これはブログ⑦思考メモで自分のスキルを見極めるで詳説しました。(下図)

ブログ7-1.png

例えば、キッチンカーのように既存市場があり、競合がいれば、そこには情報があるはずですから、AIを使って汎用知を探索します。

そのために、プロンプトを作って必要な情報を取り出します。

また、イベント企画のような場合には、AIから既存イベントの事例(=汎用知)を引っ張り出し、その成功要因なども同時にAIにまとめさせます。

分析作業と課題抽出は表裏一体

これらの作業は、AIとのやり取りを繰り返しますことが必須ですが、実はそれを通じて、課題や方針の仮説が深まったり、あるいは、最初全く思いつかなかったものが浮かんだりする確率は高いです。

つまり、1枚目の分析作業は2枚目の「課題と方針設定」と表裏一体なのです。

ですから、前回、企画は3枚の内の真ん中から考え始めよといいましたが、それを考える刺激として、1枚目の整理作業も同時並行で進めるのがいいです。

分析作業を通じて、新たな課題と方針仮説が出てきたら、プロンプトを作成し、AIの評価を得ます。

企画が爆速化する

AIを活用することで、1枚目、2枚目の作業はもの凄く便利になると共に、作業スピードが爆速化します。

私の見立てでは従来の7倍速です。

逆に言うと、この部分にAIを活用し、経験を積み重ねると、爆速プランナーになっていくということです。

次回は、全く新しい商品やサービスの場合を解説します。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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