No.15 ココナラ出品者は、どんな支払いが経費になるか

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ビジネス・マーケティング
こんにちは、中条です。
GWですね。自宅付近の道ですら混んでいますよ。

さて、今日はですね、転職とか就活とか全く関係ないですが、ココナラ出品者は何が経費になるかということをまとめたいと思います。毎年、2月から3月にかけて確定申告がありますよね。ご自身でレシートをまとめたり、申告書を作成する方も多くいらっしゃるかと思いますが、「何が経費になるのか」という判断は難しいのではないでしょうか。今回はそれをテーマにしたいと思います。

1. そもそも経費とは

経費に関しては、所得税法という法律に明記されています。
所得税法 第37条 
必要経費その年分の不動産所得の金額、事業所得の金額又は雑所得の金額(事業所得の金額及び雑所得の金額のうち山林の伐採又は譲渡に係るもの並びに雑所得の金額のうち第三十五条第三項(公的年金等の定義)に規定する公的年金等に係るものを除く。)の計算上必要経費に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、これらの所得の総収入金額に係る売上原価その他当該総収入金額を得るため直接に要した費用の額及びその年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用(償却費以外の費用でその年において債務の確定しないものを除く。)の額とする。
所得税法 第45条 
居住者が支出し又は納付する次に掲げるものの額は、その者の不動産所得の金額、事業所得の金額、山林所得の金額又は雑所得の金額の計算上、必要経費に算入しない。
一 家事上の経費及びこれに関連する経費で政令で定めるもの
所得税法施行令 第96条 
法第四十五条第一項第一号(必要経費とされない家事関連費)に規定する政令で定める経費は、次に掲げる経費以外の経費とする。
一 家事上の経費に関連する経費の主たる部分が不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得を生ずべき業務の遂行上必要であり、かつ、その必要である部分を明らかに区分することができる場合における当該部分に相当する経費
二 前号に掲げるもののほか、青色申告書を提出することにつき税務署長の承認を受けている居住者に係る家事上の経費に関連する経費のうち、取引の記録等に基づいて、不動産所得、事業所得又は山林所得を生ずべき業務の遂行上直接必要であつたことが明らかにされる部分の金額に相当する経費
ざっくりとまとめると下記のようになります。

①事業をするために必要な支払いだけを経費にしてください
②プライベートの支払い(家事費)は経費にしないでください
③事業用の支払いとプライベートの支払いが一緒になっている場合(家事関連費)は、ちゃんと分けて、事業用の支払いのみ経費にしてください

当たり前っちゃ当たり前のことが書いてありますよね。でもよく見ると、「その売上を得るために直接に要した支払い」は経費として認めるだとか、「業務の遂行上必要である支払い」を経費として認めるだとか、曖昧な表現になっていますよね。

売上を得るための支払いかどうかは、人によっても違いますし、業種や事業内容によっても大きく異なります。だから判断が難しいんですよね。そのため、どっかの誰かが書いたブログには「●●は経費にできる」と書いてあったとしても、自分には当てはまらないケースも多々あるので、そこは注意しなければなりません。

2. 具体的にどんな支払いが経費になるか

ココナラでの私の仕事を前提に考えてみます。また、自宅で仕事をしていることを前提に考察してみましょう。

① ココナラへの支払い手数料
まずは大きい支払いがココナラへの支払手数料ですね。
私の場合、10,000円の売上があった場合、実際に私に振り込まれるのは、手数料を差し引いた7,800円です。
つまり、差額の2,200円は支払手数料となります。この支払は、誰がどう見ても「売上を得るために直接必要な支払い」です。

また、勘違いしないように、ココナラの出品者の売上額は、実際に振り込まれた金額ではなく、手数料を差し引く前の金額が売上額になります。これを間違えると、後々痛い目を見るかもしれないので注意しましょう。これに関しては、また別の記事にまとめたいと思います。

② 書籍代・セミナー代
私は、転職や就職に関する書籍をよく買います。転職や就活サポートの質を高めることを目的として、書籍を購入していますので、これは経費に該当すると考えます。また、転職等に関するセミナー参加費なども経費になるでしょう。
一方で、株式投資のセミナーなどは事業に直接的に関係ないので、経費としては認められないでしょう。

③ 通信費(スマホやWi-Fi)
私の場合、仕事用とプライベート用のスマホを分けていません。つまり、仕事で必要な支払いとプライベートで必要な支払いが混ざっているわけです。この場合は、明確に分けて、仕事に必要な支払いのみを経費にすることになります。

例えば、1ヶ月の通信費が10,000円だった場合で考えてみます。
私の稼働時間は、1日8時間×7日×4週=224時間だとします。
一方、プライベートの時間は、1日16時間×7日×4週=448時間です。
これを合計すると、672時間ですよね。1ヶ月を時間表記にしただけです。

これを計算の基礎データとして、
10,000円(通信費合計)÷672時間(1ヶ月の時間)×224時間(仕事の時間)=約3,333円になります。

このように、「時間」で区分して、仕事に必要な支払いを抽出して、経費計上をする手もあります。経費計上する際には、しっかり稼働時間の記録を残しておきましょう。証拠がないと意味がありません。

④ 住宅費用(家賃等)
自宅で仕事をしている場合も上記③と同じですが、仕事で必要な支払いとプライベートで必要な支払いが混ざっていますよね。

自宅の1スペースを完全に仕事用にして、プライベートでは一切立ち入らないということであれば、住居の面積に応じて費用にすることはできるでしょう。

例えば、100㎡の自宅だとして、仕事のスペースが25㎡だとします。そして、家賃が100,000円の場合で考えてみましょう。
そうして、100,000円÷100㎡×25㎡=25,000円を経費として計上する手もあります。

ただ、現実的に自宅で仕事をしている人が「プライベートでは一切立ち入らない」ということは考えにくいですよね。
街にある自宅兼美容室みたいな業態であれば、上記の計算方法で経費額を計算できるでしょうが、自宅でのデスクワークやリモートワークだと、やはりプライベートな要素も混じるため、経費計上は難しいかと思います。

よくブログ記事などで、7(仕事):3(プライベート)、5(仕事):5(プライベート)の比率で按分計算して経費額を導き出すという方法が書かれていることもありますが、この比率には何の根拠もありません。

私の場合は、自宅に仕事スペースはあるものの、プライベートでも使用するスペースであるため、仕事で必要な支払いとプライベートで必要な支払いを分けることが困難なため、経費として計上していません。そりゃあ、本音は経費にした方が所得税額が抑えられるので、経費にしたいところですが、できませんね。

⑤ パソコン
私の場合は、仕事用とプライベート用のパソコンを分けているので、仕事用のパソコンだけを経費として計上しています。ただ、仕事用のパソコンは10万円を超えるものなので、一括で経費計上はできず、減価償却費として処理することになります。減価償却費については、また別の記事にまとめたいと思います。

では、仕事とプライベートを兼用でパソコンを使用している場合はどうでしょうか。一つの対応としては、通信費のように使用時間で区分して、仕事に必要な支払いを抽出するという手が考えられます。ただし、ゲームをプレイすることを目的としたゲーミングPCのように高額の場合は、使用時間での区分が認められない場合もあるかもしれません。この辺は税務当局の判断になるかと思います。

3. 逆にどんな支払いが経費にならないか

① 友人や家族との飲み会
これはプライベートの費用なので、経費にすることはできません。一方で、仕事上の関係者との懇親会であれば、原則として経費計上ができます。ただし、仕事上の関係者をどこまでとするか、という問題がありますね。

② 仕事中に飲むお茶やコーヒー代
基本的に、自分用の飲み物や食べ物の支払いは、仕事で必要な支払いとはなりません。

過去に、プロ野球選手がプロテインや食事代を経費計上して、税務当局から否認(経費として認めない)されたことがあります。そのプロ野球選手の言い分としては、「アスリートは体が資本。体を動かして収入を得ているわけだから、プロテイン代は仕事に必要な支払いだ。一般人がプロテインを飲むのとは意味が異なる。」という旨のことを言ったと記憶しております。でも認められませんでした。

このように、自分が仕事に必要だと思っていても、経費として認められないケースは多々あります。「仕事をしてもしなくても、生きていくために必要な支払いは、経費にはなりにくい」と理解していただくと分かりやすいでしょうか。一方で、仕事の関係者に対する贈答用のお茶菓子などは、経費として認められるでしょう。

③ 仕事用に着る服
上記②と同じ考え方ですが、まず経費にならないと思った方がいいです。例えば、自分のサービスをアピールすることを目的としたオリジナルTシャツを作って着るとかであれば、経費として計上できるかもしれませんが、「この服は仕事がしやすい」という理由で、その服を経費計上することはできないでしょう。

一方で、キャバクラで働くキャストの方が衣装代として、ドレスを経費計上することは可能かと思います。ドレスをプライベートで着ることはあまりないでしょうから、仕事に必要な支払いであることが証明できれば、経費として認められる可能性は高いでしょう。

④ 電気・水道・ガス代など
こちらも判断が難しいですね。
電気に関しては、通信費と同じ考え方で経費計上も可能かもしれません。ただ、基本的に通信費は定額なので按分計算がしやすいですが、電気代は電化製品をどの程度使用しているかによっても計算方法を変えなければならないので、通信費と同じやり方では計算の根拠が無いように思います。ちなみに、私は電気料金を経費計上していません。仕事とプライベートで区分することが困難なためです。

水道代に関しては、例えば仕事中のトイレで水を使うわけですが、仕事をしてもしなくても、生きていくために必要な支払いなので、経費にはなりにくように思いますね。こちらも私は経費計上していません。

ガス代についてですが、風呂や料理をする際に使用するわけですが、私の仕事には全く関係ありません。ココナラで転職サポートをするのにガスが必要な理由が一切ありません。したがって、こちらも経費計上していません。

いずれにしても、住宅費用で説明したように、自宅の1スペースを完全に仕事用にして、プライベートでは一切立ち入らないということであれば、一部は経費として計上することも可能だと思います。


とりあえずざっくりと例を挙げて見ました。
このように、何が経費になるか、何が経費にならないか、は非常に曖昧で断定することが極めて難しいです。
ご自身の事業内容、業種、仕事環境などをすべて考慮して、法律や法令に従って正しく経費計上することが重要です。

なお、こちらのブログ記事はあくまでも参考としていただき、具体的な税務相談は、税理士に相談してください。
また、当ブログ記事を起因とした損失については、一切責任を負いませんので、ご承知おきください。

以上、ご覧いただきありがとうございました。
中条
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