No.6 志望動機の適切な文字数とは(就活・転職編)

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ビジネス・マーケティング

・はじめに

今回は、履歴書等の応募書類に記載する志望動機の適切な文字数について考察したいと思います。

誰しも一度は、志望動機を作成したことはあるかと思いますが、「どんな内容にすればいいか」「どんなことを伝えるべきか」以外に「そもそも文字数はどのくらいが適切なのか」については多くの方が悩むポイントだと思います。少なすぎてもよくありませんし、多すぎてもよくありません。限られた時間の中で、文字数は深く悩むポイントではありませんので、ぜひこの記事をご覧いただき、早期に悩みを解消していただければと思います。

また、今回は「一般的に適切な文字数」を取り上げます。
応募業界や職種、応募の経緯や状況などによっても適切な文字数は変動する場合がありますので、一例として本記事をご覧ください。
4つの項目にわけて記事をまとめました。
1. 文字数の指定(下限や上限)が無い場合
2. 文字数の指定(下限や上限)が有る場合
3. Web上のフォーマットからの応募の場合
4. 指定の履歴書やESがある場合
に分けてそれぞれ考察してみたいと思います。志望動機作成の参考にしていただければと思います。

1. 文字数の指定(下限や上限)が無い場合

転職をする際には、履歴書を提出することになりますが、提出する履歴書の様式は自由なケースが多いかと思います。その場合は当然、志望動機の文字数も自由です。

とはいっても、「自由」というのは難しいものです。文字数を指定してくれた方が分かりやすい気もしますよね。一方で、自分の思いや経験を最も伝えやすい形で書くことができる大きなチャンスでもあります。

一般的な目安として、『300〜500文字』が適切と考えられます。
この範囲内ならば、十分な内容を伝えられますし、読む側の負担も少なく適切な情報量となります。

志望動機を作成する場合は、とりあえず文字数をクリアすればいいだけではありませんので、ポイントをしっかりと伝え、冗長な表現は避け、要点を明確にしておくことが大切です。

2. 文字数の指定(下限や上限)が有る場合

当然ですが、企業の指示を遵守することは、基本的なマナーとなります。文字数をオーバーしてしまうと、指示に従えないというネガティブな印象を与えかねません。では一方で、最低何文字書くべきかを考えてみたいと思います。

・最大100字までの場合:90字以上を目指す
100字までというケースはかなり少ないです。100字だと伝えたい内容を全て盛り込むことはまず不可能です。
余計な情報や冗長な表現を排除し、ポイントを絞って簡潔に表現する必要があります。
つまり、短い文字数の中で、どの情報が最も重要かを判断し、それに焦点を当てる能力(取捨選択)が試されます。

・最大200字までの場合:190字以上を目指す
100字よりは、詳細な情報やエピソードを加える余地がありますが、文字数としては少ないです。エピソードを加える場合は、かなり簡潔にまとめる必要がありますので、難しいのであれば具体的なエピソードを盛り込まないという選択肢もあります。

・最大300字までの場合:280字以上を目指す
さらに多くの要点や情報を取り入れることが可能となります。そのため、情報の深度だけでなく、多岐にわたる情報を盛り込む余地も増えます。最大300字まで書ける場合は、具体的なエピソードも盛り込みたいです。

・最大400字までの場合:300字以上を目指す、理想は350字~400字
複数のエピソードや経験を取り入れることが可能です。また、志望動機を2つに分けて構成することもできるようになります。
例えば、「貴社に志望した理由は2つあります。1つ目は、…。2つ目は、…。」のような感じです。

・最大500字までの場合:300字以上を目指す、理想は450字~500字
豊富な内容を盛り込み、複雑な背景や考えを伝えるのに適しています。500字あれば、エピソードや複数の動機を盛り込むことが可能です。最もまとめやすい文字数だと個人的には思います。また、オリジナル性のある文章や表現なども十分に用いることができます。
さらに、入社後のビジョンやどのように貢献していくかなどの「抱負」に関しても盛り込むことができます。

・最大600字までの場合: 300字以上を目指す、500字前後がベスト
ただし、文字数が少なすぎて志望動機を記載する枠がスカスカになってしまい目立つようであれば、600字まで書いてもOK。
この場合は、内容が希薄にならないよう注意が必要です。

・最大700字までの場合:350字以上を目指す、500字前後がベスト、700字まで書いてもOK
ただし、文字数が少なすぎて志望動機を記載する枠がスカスカになってしまい目立つようであれば、700字まで書いてももちろんOK。
この場合は、内容が希薄にならないよう注意が必要です。無理して700字近くまで書くくらいなら、500字前後でまとめた方がいいです。

・最大800字までの場合:400字以上を目指す、500字~600字程度がベスト、800字まで書いてもOK
最大700字のときと同様。文字数が少なすぎて志望動機を記載する枠がスカスカになってしまい目立つようであれば、800字まで書いてもOK。この場合は、内容が希薄にならないよう注意が必要です。無理して800字近くまで書くくらいなら、500字前後でまとめた方がいいです。

・最大900字までの場合:450字以上を目指す、700字前後がベスト、最大でも800字前後をおすすめ
文字数が少なすぎて志望動機を記載する枠がスカスカになってしまい目立つようでも、800字前後にしたいです。
上限の900字を書く際に、「貴社の●●に共感した」「●●を魅力に感じた」を何個も書くくらいであれば、500字~700字にまとめた方がいいです。文字数が多くても、中身が無ければ意味は無いので、無理に文字数を稼ぐ必要はありません。一方で、「入社後のビジョン」や「●●をやってみたい」などの強い熱意や想いがあるのであれば、それを盛り込んで上限の900字まで書くということは良いと思います。

・最大1000字までの場合:500字以上を目指す、700字前後がベスト、最大でも800字前後をおすすめ
文字数が少なすぎて志望動機を記載する枠がスカスカになってしまい目立つようでも、800字前後にしたいです。
文字数の上限に余裕がある場合に、500字前後で文章をまとめると、志望動機の枠がスカスカになってしまうこともあります。
その場合は、上限の7割~8割を目安に文章を作成すればいいでしょう。

【まとめ】

・~300字までの場合→最低:もはや上限が最低ラインだと思った方がいい 最大:上限ギリギリまで書く

・400字~600字→最低:300字以上 最大:上限ギリギリまで書いてもOK

・700字~800字→最低:上限値の半分以上 理想:500字前後(上限値の7割~8割くらい) 最大:上限ギリギリまで書いてもOK

・900字~1000字→最低:上限値の半分以上 理想:700字前後(上限値の7割~8割くらい) 最大:多くても800字前後にしたい

3.  Web上のフォーマットからの応募の場合

Webフォームを使用した応募の場合、文字数制限が設定されている背景として、システム上の都合が考えられます。例えば、「1,000字まで」「3,000字まで」という記載があったとしても、全てのスペースを埋める必要は必ずしもありません。この場合は大体500字前後で文章をまとめることが多いように思います。最大でも800字程度にすべきだと考えます。
いずれにしても、応募先の背景、業界特性などを考慮して、文章の長さや内容を調整することが大切です。

4. 指定の履歴書やESがある場合

規模の大きい会社(上場会社など)や公務員、新卒枠への応募の場合は、指定の履歴書やES提出が求められる場合があります。

これらの書類には、明示的な文字数制限が設定されていることが多いですが、たとえ明示的な制限がなくても、記入欄のサイズから実質的な文字数の上限が存在します。

文字数の制限内であっても、内容の充実と質が最優先です。重複するような表現や冗長な箇所を排除し、焦点を絞って要点を明確に伝達する文章を目指しましょう。

例えば、公務員職の選考で「志望動機1,000字まで」と指定されている場合、無理に1,000字を埋めるよりは、具体的で説得力のある500字~800字程度でまとめた方が効果的だと考えます。

しかし、文字数が過度に少ないと、書類上での見栄えが悪くなってしまうこともあります。枠内が余白で埋め尽くされることによる見た目の不均衡を防ぐため、700字~800字程度(上限の7割~8割前後)を目安として考えるのが良いでしょう。

・最後に

志望動機の文字数は、「これが正解!」と断定ができるものではありません。読む側の負担を考慮すること、業界の特性を理解すること、自身の経歴やスキルなど様々なことを考慮して、バランスをよくすることが重要です。

志望動機の文字数が何文字が適切かも含めて、私の添削サービスのご利用も検討いただければと思います。0ベースからの作成も可能ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

以上、ご覧いただきありがとうございました。

中条

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