埼玉の数学(2021年/学校選択問題)

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コラム
 「埼玉の数学は難しい」と以前から言われていましたが、それは今では学校選択問題のほうでのみと言えるでしょう。
 最上位の学校を目指す人でも70点以上が取れれば優秀だと思いますし、学校選択問題を採用する学校を受ける受験者のレベルであっても、30点以下になる人が少なからず出てくるのが、学校選択問題です。
 では、2021年入試について振り返っていきましょう。

●出題内容と配点、難易度
大問1(独立小問集合)
(1)式の計算(中2) A(4点)
(2)式の値(中3) B(4点)
(3)2次方程式の計算(中3) B(4点)
(4)2乗に比例する関数(中3) A(4点) ※学力検査問題と同じ
(5)有効数字(中1) B(4点) ※学力検査問題と同じ
(6)資料の整理(中1) A(4点) ※学力検査問題と同じ
(7)立方体の展開図(中1) A(4点)
(8)連立方程式の文章題(中2) A(5点)
(9)確率(中2) A(5点)
(10)平面図形(中1) B(6点) ※部分点あり

大問2(独立小問)
(1)作図(中1) A(5点)
(2)座標幾何(中3) A(6点)

大問3(文章題)
(1)説明(中2) B(6点) ※部分点あり、学力検査問題とほぼ同じ
(2)整数問題(中3) B(6点) ※部分点がある可能性あり

大問4(平面幾何)
(1)長さを求める(中3) B(5点) ※学力検査問題と同じ
(2)相似の証明(中3) D(6点) ※部分点あり
(3)線分比と面積比(中3) C(5点) ※学力検査問題と同じ

大問5(関数と図形)
(1)2乗に比例する関数の利用(中3) A(5点)
(2)動点と面積比(中2) C(6点)
(3)動点と面積(中3) C(6点)


●学年ごとの配点と、難易度ごとの配点
中1…5問=23点  中2…5問=26点  中3…10問=51点
→難しくしようと思うとどうしても中3内容に偏る。学力検査問題と逆の傾向なので、どちらを受験するのかによって対策の仕方がかなり変わってくることは間違いない。

A(必ず正解したい問題)…9問=42点
B(できれば正解したい問題)…7問=35点 ☆ここでミスしないようにしたい
C(少し難しい問題)…3問=17点 ★ここが合否を分ける問題
D(捨ててもいい問題)…1問=6点 ※部分点狙い
→例年はAがもっと少なくB、Cが多い印象だが、今回はミスしなさそうな問題が多かったように思うので、数学が苦手でも極端に低い点数は取らないのではないかと思われる。
予想平均点=48点前後


●所見
 学校選択問題は範囲が縮小されたことにより易しくなったように感じる。大問1の問題数が増えたが、模範解答通りでなくても力づくで解ける問題もいくつか見られたため、例年よりも点数が取りやすくなったと思われる。
 記号選択問題が1問、説明や証明を含む記述問題が4問と、回答形式もほぼ例年通り。
 大問1の(5)の有効数字は、本来ならば難易度Aとしたいところだが、埼玉県では初めての出題であり、対策をしていないとすっかり忘れている可能性もあるため、難易度Bとした。
 出題範囲の縮小が大きく影響したか、大問1で方程式の文章題が出題されたり、平面幾何で学力検査問題と同じ題材が扱われたり、立体の問題が難しくできなかったりと、例年にない傾向が見られた。
 動点の問題は何年かに一度出題されるので珍しいことはないが、ここ最近出ていなかったので、対策が不十分だった受験生もいるかもしれない。
 問題量と難易度に対して50分という試験時間は少し厳しいが、例年よりも時間は確保できるように思える。ただ、大問3以降はどの問題に時間をかけて、どの問題を飛ばすかの判断をすることや、大問1で下手に時間をかけすぎないようにすることは必要だったと思われる。


(さいごに)
 2022年の入試はコロナ禍の影響を受けずに出題範囲が元に戻るでしょうから、2021年の傾向が引き継がれる可能性は低いのですが、傾向を知ることは必要だと思いますので、埼玉の公立高校を受験予定の方にお読みいただければと思います。
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