前向きに勉強するために

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コラム
 別記事「やる気が出ないとき」と似たような部分もありますが、ここではどちらかというと、より一層やる気を高めるためにできることを紹介したいと思います。
 ① 合格体験記/先輩の声にふれてみる。
 志望校が定まってそこに向かって一直線に勉強していても、目標が遠く感じてしまうときはあるでしょう。そんなときは、経験者の話を聞くといいと思います。
 合格体験記は自分が通っている学校の先輩のもの以外にも、学校のパンフレットやネット(スタディサプリやKei-Netなど、「合格体験記」で検索してみましょう)、受験生向けの雑誌(蛍雪時代など)で見ることができます。
 実際に受験を体験した身近な人たちの声を聞くことで、自分と同じような気持ちの人が見つかり、それにどう対処したかなどの具体的な方法なども参考にできます。
 一人ひとりの経験なので、すべてが自分に置き換えられるとは限りませんし、すべて真似すればいいというわけではありませんが、自分の気持ちを鼓舞してくれることに一役買ってくれることは間違いないと思いますので、ぜひ試してもらえればと思います。
 ② 毎日の目標を決める
 「第一志望校合格」これが受験生全員の目標であることは言うまでもないでしょう。ですが、これは最後の最後に結果として得られるものであって、どうにも漠然としています。①でも触れた通り、これだけを柱にして勉強を続けるのは少々無理があるといいますか、どうしたって目標が遠く感じられてしますでしょう。
 そこで、1日単位で実現しやすい目標を設定することが有効だと考えます。例えば「数学の問題演習を1章分終わらせる」など、時間ではなく問題数や範囲で決めることが重要です。
 時間で決めると、その時間をこなすことが目標になり、終盤はだらけてしまいがちです。それよりも、「これが終わったら自分の自由時間がとれる」という気持ちで一問一問に向き合ったほうが、効率よくかつ頭に残りやすくなります。
 やはり“がんばった自分へのごほうび”のようなものがあったほうがやる気につながりやすいですから、ここではその効果に期待しています。「勉強以外のことをする」というのは、「やる気が出ないとき」という記事でも紹介した通り、やる気を高めるのに必要な動きです。
 「やるべきことはやった」という達成感と、そのあとに待っている自分の好きなことができる時間を楽しんだり、場合によっては「この調子でもうちょっと頑張ろうかな」というように目標の上方修正にもつなげられたりしますので、短時間であっても一日ずつ目標を決めるのは有効と言えるでしょう。

 また、目標の決め方として「〇〇を覚える」というのはあまりおすすめしません。覚えたかどうかは判別しづらいですし、時間的にも問題数的にも、どれだけやればいいのかがぼやけてしまいます。これでは「勉強した割に結果が出ない」という事態につながりかねません。
 もちろん、ただ数だけをこなせばいいというわけではないのですが、今はあくまでも目標の決め方の話ですので、問題数を目標として設定したうえで、勉強しながら一つでも多くの知識を習得するつもりで一問一問を大切にするようにしなければいけないというのは、やはり言うまでもないでしょう。
 ③ 勉強の優先順位を考える
 これはメンタル的な話というよりも実務的な話になりますが、②の目標設定の次の段階になります。ここでは1週間あるいは1ヶ月間といった、中期的な目標の話になります。
 優先順位を決めるという小見出しにしていますが、多くの受験生に「今やるべきことはなに?」と聞くと、大半の人はあれもこれもと大量に列挙します。それはもちろん当然で、優先度の高いものを挙げようとすればキリがないと言いますか、どれもこれも1位タイというような感じになって、特に意味を持ちません。
 そこで、ここでは「やるべきこと」を考えるのではなく「やらなくてもいいこと」をあぶりだすことに主眼を置きます。時間が限られているとしたら、という前提で考えますと、案外「これはやらなくてもいいかな」「これをやるならこっちに時間をかけたい」といった声が出てくるものです。それに、やらなければならないものを考えるより、やらなくていいものを出すことのほうが簡単ですし、気も楽です。
 こうして少しずつ重荷を削っていくことで、結果的に優先的に勉強するべきものが残ります。あとはこれをこなす努力をしていくわけですが、ここでも「自分で決めたことだから」という気持ちがあるとよりがんばれるようになると思いますので、このあたりにも期待したいです。
 そして、もしも早くにやるべきことが終わらせられるようでしたら、自由時間を増やして英気を養うもいいですし、一旦削った項目を復活させることもできますので、可能性が広がります。
 このようにして、今の自分に不要だと思われるものをカットすることで、目の前の課題のスリム化を目指しましょう。これを自分自身で考えたあと、身近な大人(学校の先生や塾のスタッフ先輩や家族など、相談しやすい人)に見てもらえればなおいいですので、誰かしら頼れる人が立てられるとなおいいです。
 ④ やったことの記録をする
 これは目標設定の裏側といいますか、締めくくりになるのですが、その日に自分がやったことを記録することも非常に重要だと考えています。やり方としては、②で話した今日の目標を1枚の紙に書きこんで、その日の終わりにその成果を記入するようにすればいいでしょう。
 具体的に記録することは「解いた問題数」「実際にかかったおよその時間」「気持ち的な面での手応え」「学校行事で勉強時間が取れなかった、模試の結果が返ってきたなどの特記事項(あれば)」などでしょうか。この行動によって「今日の自分はこれだけがんばった」「今日はあまり進まなかった」という事実が形として残ります。そうすれば翌日以降の目標設定につなげやすくなりますし、自分が1日でどれだけがんばれるのかの指標となります。
 それに、この作業を続けていけば、自分の努力が目に見えるようにたまっていきますので、ふとしたときに振り返ってみるといいでしょう。「こんなにがんばったんだな」と思えるかもしれませんし、「全然できてないじゃん」と自分を見つめなおすことにつながるかもしれませんし、何かしらの効果が期待できると思います。
 以上が、勉強を前向きに進めるためのポイントです。4つのうちどれか一つでも自分にあるものがあればいいと思いますので、いろいろと試してもらえればと思います。

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