ココナラは虚飾の世界か?―コンサル業下火のニュースから考える

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コラム
今朝のニュースでコンサル業が下火になってきているという報道があった。
率直に、既定路線だろうなと思った。
有象無象のコンサルが溢れすぎているからだ。
コンサル業界の市場規模は、下表が示す通り、ここ数年右肩上がりだったようだ。

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(PR TIMES 「拡大を続けるコンサルティング市場。『2021年現在の市場規模と今後5年の成長予測』に関する特集コンテンツを公開」より引用し再編集)


2017年からすると4年で63%の成長とのこと。
すごい伸び率!!

なのにどうして、コンサル業が下火になってきているのだろうか。


記事によれば、コロナ禍で営業成績が振るわない企業の立て直しの受注を受けるはずが、企業が政府や自治体の支援金への依存を高めた結果、コンサル業が下火となったという。また、リモートをはじめとしたライフスタイルの変化への対応に乗り遅れたコンサル業のいくつかが倒産の憂き目になっているという。


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記事の終わりにこんな文章が書かれていた。
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(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2023年11月28日号掲載「WeeklyTopics」より引用)


この記事に目を通しながら、最近またココナラに触れる時間が増えた私はココナラの「コンサル」を思い出した。

興味深いことに、ココナラを眺めていると、なぜか売れてきた出品者たちはコンサルに手を出し始めるのだ。

なぜだろう?

安直すぎるが、先の引用から拝借すれば「創業時に多額の資金が要らず、資格も必須でない」からということになる。要するに「すぐに稼げるから」だ。

なるほど。

しかし他にも理由はありそうだ。

例えば、

先生と呼ばれる心地よさを体験したいから?
注目されたいから?
同業の仲間を増やしたいから?
自分の販売メソッドを他の方に伝授したいという純粋な想いから?

後半2つが本当なら、コンサル料として数万もとらずに無料でコンサルしてあげるか…


はっきりいうと、私はコンサルが苦手だ。ココナラのコンサル系は特に。

私はココナラを始めるにあたってコンサルの存在を知らなかったし、知った後でもどうすれば関わらずに済むかを真剣に考えてきた。

なぜ「苦手」かというと、毎日、何件も「コンサル」と「コンサルの弟子と思しき受講生」たちから相互フォローが届く時期があったからだ。

中には超長い挨拶DMや「電話してくださいね♪」という勧誘のDMが届くので、次から次に来る通知に耐えられなくなり発狂しかけた。

なぜそんなことが起こるのだろう?

コンサルやその指示を真に受ける人は、フォロワー数を気にするのだろう。「相互フォロー」、「相互購入」をして、とりあえず販売数をあげようとする。そしてそれがSEO対策にもなる。


ココナラ内のオススメ検索エンジンには、数(フォロワー数、販売数、高評価数、画像等)や文字量が多いほど、上位表示されやすくなるからだろう。

私からすると、そういう数字のマジックを使う時点で本質的ではない。

数字マジックで釣ろうとする行為には、「購入者の目をそれで騙せる」という前提がコンサルとその受講生にあるからではないのか。

「数字を増やせば、(それにつられて)誰かが買ってくれるだろう」
―そんな浅薄な考えが透けてみえるのだ。

出品者の中にはまだそんなに販売実績がないのに、フォロワー数がすごいことになっている人もいるし、私よりもココナラ開始時期が遅く販売数が少ないにもかかわらず私よりもフォロワー数が3倍くらい多い人もいた。

これがココナラ相談における「コンサルマニュアル」で「スタンダード」だとしたら、ここは虚飾とハリボテが罷り通る世界ということか。

電話相談コンサルの出品価格を見ると結構高額なようなので、今後コンサルを受けたいと思っている方は、ぜひ受講したい出品者の出品内容紹介文とプロフィールをしっかり読み込み、小手先の戦略をとらない本質的な人を探されることをお勧めする。

やたらと文字量が多かったり、聞いたこともない受賞歴(名)、簡単に取れる在野のカウンセラー資格、販売実績自慢等々を見れば、その出品者が本当に何を目的として出品しているかが、分かるはずだ。

ただ、本当に良心的にコンサルをされている方もいると思うし、コンサルがそばにいてくれるからこそ安心して活動できる人もいるだろう。相談窓口の機能として大切な役割を担っていることは無視できない。

しかし、そうではなく私に宣伝DMを送ってきたり相互フォローをしてくる人は、今一度「僕/私は数字集めしてますよ~」と自分の軽さを喧伝していることを自覚されて欲しいなと思う。

長くなったが、ここまでで何が言いたいかというと次のことだ。

危惧するのは、今後さらに「騙されやすい人間」と「騙されにくい人間」の「生涯支出額の差」がかなり乖離することだ。

日本経済は、GDPも国内景気もどんどん下がり、貧困への道を辿っている。
煽るわけではないないが、私は学生によく伝える。

「生き残り競争」はとっくに始まっていると。

富む者は富み、貧しい者はどんどん貧しくなる。
これはお金に限らず「知識」や「情報」についても同じことが言えるだろう。

このような状況下で、当然企業(やコンサル)はあの手この手で消費を促し購買させようとしてくる。

だからこそ、格差社会の今、私たちは自分の思考能力を高め、本質的なものを見る眼を肥やすことを再考せねばならないのではないか。


ちなみに私はコンサルに頼らず一人でこの出品を始めた。

約3年で自然に増えたフォロワー数も400くらいなので、これが自然なデータだと思う。

ご参考にされて欲しい。


参考
東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2023年11月28日号掲載「WeeklyTopics」

PR TIMES 「拡大を続けるコンサルティング市場。『2021年現在の市場規模と今後5年の成長予測』に関する特集コンテンツを公開」

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