「ダッシュボード」と似たものとして、「レポート」が挙げられます。
ダッシュボードもレポートも、企業のビジネス活動におけるさまざまな情報やデータをひとまとめにして表示したものですが、両媒体は動的か静的かという部分で違いがあります。
レポートは、テキストデータや表、グラフなどの画像データを併せ持つ静的なドキュメントで単なるデータの集合体となります。
ダッシュボードは、表示されているさまざまなデータ群がリアルタイムで更新され、時間の経過とともにその画面は変化していきます。
ダッシュボードのシミュレーション機能は、たとえば予算編成の検討材料になります。そのため、現時点から予測できる来期の予算を検討すれば、どの程度攻めた販売戦略を立てられるのかが分かります。打つべき施策は当然予算によって変わってくるので、ダッシュボードの活用は施策に悩んでいる担当者には非常に有用だと言えるでしょう。
企業内に多くの人員がいたり複数の担当者がいたりすると、情報やデータは散在してしまう傾向があります。そうなると、同じ組織であるにも関わらず、特定のデータにたどり着くまでに相当な時間がかかってしまいます。
しかし、ダッシュボードを使って複数のデータを整理・可視化しておけば、探す手間をなくすことができます。また、情報がグラフなどで可視化されていることから、過去のデータ推移などもひと目で分かるようになります。
企業の重要情報や目標をダッシュボードで共有することで、組織内の全員が共通の認識を持てるようになります。さらに、今期の予算の消化状況や集客数なども可視化しておけば、課題感を持って業務に取り組んでもらうこともできるでしょう。
ダッシュボードを活用すれば、データ分析により可視化された自社の現状及び自社が展開するビジネスの業績などについて、正確に把握することができます。数値化され画面上に表示されたデータをもとにデータマイニングを行い、ビジネスの改善を図っていくことができます。
Excelやスプレッドシートなどを使用し、今まで多くの労力と時間が必要だったデータの集計や資料の作成なども、ダッシュボードを利用することで自動化できるようになります。これにより、人材などの経営資源を別のフェーズに充当できるようになるでしょう。
ダッシュボードは、各シートから取得したデータを取り込んで一元化すれば、把握できていなかった情報も可視化されるようになります。表面化されていなかった経営指標の悪化や自社の課題なども素早く察知でき、改善のための迅速な判断ができるようになるでしょう。
ダッシュボード機能を搭載したツールは、初期費用がかかる場合が多々あります。
また、こういったツールはクオリティを保つためシステムを更新する頻度も高く修正費用もかかってきます。
さらに、機能に応じてオプション料金が発生することもあり、それなりのコストが必要となるケースがほとんどと言えるでしょう。
企業の現状を把握する場合、指標として過去の業績やデータを持ち出して比較することがあります。このようなケースでは、ツールに過去のデータをインプットさせる必要があります。
その際、自社で保管している過去データの仕様と、そのツールに互換性があるか否かが問題となります。互換性がなければすべて手入力でインプットする必要がありますし、仮に互換性があったとしても、手入力の必要な作業が発生する可能性もあります。
ダッシュボードの画面にはデータが視覚的に分かりやすく表示されますが、これらのデータを使いこなすには相応のスキルが求められます。画面上に表示されたデータから誤った判断を下さないためには、教育や研修を行い、従業員の分析スキルを向上させる必要があります。
ダッシュボードはプロジェクト管理を行う際にも利用できます。プロジェクトの進行管理や工程管理、従業員の業務状況などがリアルタイムで反映されるため、業務の効率化に繋げられます。
情報がリアルタイムで反映される特性を活かして、キャシュフローを管理することもできます。売上高の他、利益率や流動比率といった財務データをダッシュボードに反映させることで、財務状況を効率的に把握できるようになります。
マーケティング分析でダッシュボードを活用する場合は、営業活動における成果や売上状況などを反映させます。成約件数や成約状況、店舗ごとの売上などを反映させることで、リアルタイムに営業の成果を確認できます。成果が落ち込んできたときも早い段階でその原因を発見でき、迅速に改善対策を検討できるようになるでしょう。