【投資・業界分析】戸建て住宅

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マネー・副業

「人生で最も高い買い物」

そのように謳われる戸建て住宅だが、膨らむ夢に対して、業界の先行きは明るくない。
注文住宅にとって、消費増税は天敵である。2019年10月の消費増税に向け、税率8%が適用される契約期限の19年3月に大手ハウスメーカーを中心に駆け込み契約が発生。各社の19年3月の受注は軒並み高水準だった。その反動が長引いていた20年初頭にコロナ渦が直撃。集客の拠点となる住宅展示場が閉鎖に追い込まれたことで受注活動すらできなくなった。大和ハウス工業や住友林業は2~3割の受注減となる予想
一方、分譲住宅は土地や完成した住宅を売るため、新型コロナの影響を受けづらい
オープンハウスやポラスグループなどの有力企業は軒並み前年比でプラスを維持している。
コロナ渦を脱しても、その先には人口減少や空き家の増加で住宅需要の減少が確実視される。業界の指標となる新設住宅着工戸数は、19年度に前期比7.3%減の88万戸となった。アパートなど賃貸住宅の落ち込みが一番の要因で、分譲戸建ては14万戸と横ばいを維持したものの、注文住宅にあたる持ち家は28万戸(同1.5%減)とわずかに後退した。
野村総合研究所は20年6月のリポートで新設住宅着工戸数が30年度に63万戸、40年度に41万戸へ激減すると予想する。縮小市場にどう向き合うか、業界の道のりは険しいことが想定される。


業界規模は??

国内で88万戸(新設住宅着工戸数、2019年度国土交通省)
16.7兆円(名目民間住宅投資、19年度見通し、建設経済研究所「建設経済モデルによる建設投資の見通し」)
住宅ローンは毎年約20兆円の新規貸し付けが行われている。
(住宅ローン貸付残高は総額約150兆円)
住宅ローンは貸倒率が非常に低く、銀行としては安定収益の一つである。
もちろん低金利が続いているため、大きな収益にはならないが・・・。
住宅ローンは事業融資の10分の1くらいの貸倒率となっている。

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2020年度は消費増税の反動減に加えて、コロナ禍が直撃。新設住宅着工戸数は19年度の88万戸から73万戸に落ち込み、今後も人口減少によって市場の縮小は避けられない見込み。

主要企業は??

1925 大和ハウス工業
戸建てからマンション、賃貸住宅や物流施設、商業施設などに展開している。各分野で有力プレーヤー。規模は大手ゼネコンを超えダントツとなっている。傘下にゼネコンのフジタがある。
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1928 積水ハウス
戸建て住宅のトップ。大規模都市開発のほか、海外にも展開。傘下にゼネコンの鴻池組がある。4204積水化学工業の株式を2%保有しており、セキスイハイムブランド。ユニット住宅の先駆者となっており、工場生産比率約8割を占める。
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3291 飯田グループホールディングス
分譲主体となっており、戸建てからマンション分譲、注文住宅まで幅広く展開している。効率経営に強みを持つ。

1419 タマホーム
九州が発祥。低価格の注文住宅を全国展開している。
中堅どころの中でも比較的規模が大きい。
平均住宅価格は約1,750万円となっており、そのうちの粗利は22%となっている。この粗利率は住宅金額が高い企業もほぼ同じ。例えば住友林業は平均住宅価格が3,900万円となっており、粗利は24%となっている。
この粗利から展示場や営業人員の費用を捻出するため、1棟ごとの粗利が大きい高価格住宅の方が利益額としては手厚くなる。

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