今年のベスト1 本【逆説の日本史】江戸大改革編

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この本で歴史が理解できるようになりました。
ずっと謎だったんですよね、生類憐みの令…

学生時代に勉強した時になぜこんな法令を作るのか?
それが今の日本が繋がっている!?っと目から鱗でした!

こんにちは、4s Production 中沢です。
今回は逆説の日本史「江戸大改革」編です。


逆説の日本史「戦国三英傑」編のレビューはコチラ


戦国時代の本質とは?


戦争を経験した世代の方は少しはイメージがわくと思いますが
戦争も知らない私たちには戦国時代は全くイメージがわかないので
想像するしかありません。

時代劇でお馴染みの水戸黄門は辻斬りを行っていたそうです。
辻斬りとは?
路上で人を切る事。江戸時代初期には夜、武士が刀の切れ味を確かめるため、一般の民衆をきる風習があった。

江戸時代では、犬や猫などを弓で…という風習もあったそうです。
残酷なお話しなので気分を害する人も多いと思います。
しかし、辻斬り、ホームレス狩り、動物虐待は戦国時代
武士の世界では褒められる事だったそうです。



プロゴルファーで例えるとわかりやすい!


ここにゴルフクラブがあるとします。
スクリーンショット 2023-11-16 15.24.54.png

そのゴルフクラブを前に、2人のプロゴルファーが言います。

プロゴルファーA
オレは天才!
オレならぶっつけ本番の試合でも
このゴルフクラブを使いこなして優勝できる!

プロゴルフファーB
どんな天才だって道具は徹底的に練習しなければ使いこなせない。
練習しないで試合に出るなんてプロとはいえない。


さて、皆さんはどちらのプロゴルファーを支持しますか?
練習なしに試合なしのプロゴルフファーBではないでしょうか?

では、こちらではどうでしょうか?

2人の戦国武将がいました。2人の意見は対立しています。
スクリーンショット 2023-11-16 15.26.12.png

戦国武将A
わしは戦上手と言われておる。
刀も弓も稽古などいらぬ!
ぶっつけ本番で結果を残せる!

戦国武将B
道具は稽古してこそ身につく!
日頃から斬れ味を確かめておくもの。
戦場は命のやり取りの場、人斬りに慣れておかねばならぬ!

ゴルフクラブと刀の違いはありますが、どちらの意見が正しいかは明白です。
どちらも練習しなければいけない!

戦国時代、武士の世界では刀剣、弓矢の鍛錬は褒められるべき事だったそうです。
いつ何時、戦になっても大丈夫なように練習を欠かさない
それが武士の心得。


平和になった江戸時代

徳川家が日本統一して戦国時代が終わりました。
幕府や徳川将軍家に課せられた政治課題それは治安維持です。
平和になったからといっても武士たる者、いつ戦が起きてもいいよう
日々の鍛錬を怠るべきではない!と考える時代です。
武士は鍛錬に励みます。

それでは物騒な世の中は変わりません。
徳川家は早い段階で辻斬り禁止令を出します。
しかし、いきなり変えることが難しいのが人の考え方と習慣です。


生類憐みの令が変えた事とは?

歴史学者の中では、犬公方(いぬくぼう)とバカにされている徳川綱吉将軍。この徳川綱吉が発令したのが「生類憐みの令」です。

生類憐みの令とは?
生類憐れみの令(しょうるいあわれみのれい)は、江戸時代前期、江戸幕府の第5代将軍・徳川綱吉によって制定された「生類を憐れむ」ことを趣旨とした動物・嬰児・傷病人保護を目的とした諸法令の通称。1本の成文法ではなく、綱吉時代に行われた生類を憐れむことを趣旨とした諸法令の総体である。
Wikipediaより引用


動物虐待は良くない、人を殺すのは良くないという考え方を浸透させるために生類憐みの令を出しました。
しかし、人の考え方を変えるのは難しいので最初は受け入れられません。
犬公方と揶揄されながらも綱吉将軍は
治世30年
その間135回も生類憐みに関する法令を出しているそうです。

ずっと法令を出し続けることで
時代は流れ、意識も世代も交代します。

今の若い世代が日本のバブルを知らない、リーマンショックを知らない事と同じ。
私たち世代は携帯がない時代も知っていますが
今の若い人は、ガラケーではなくスマホが当たり前の世代です。

同じ法令が30年間、出続ければ人を
殺すのは良くない
動物虐待は良くない
という事が当たり前の世代になります。

現代の私たちは
動物虐待は良くないと感じていますし
人を殺すのは良くない
と思っています。

それはこの「生類憐みの令」があったからこそ
普通の事になったと著書は言います。

私も学生時代、綱吉はなんで動物を大事にしたのだろう?
動物好きな人だったのかな?と疑問に思っていました。

テストに出るから覚えましたが、よくわからない法令を出すもんだなと。
この本で、生類憐みの令の本質をようやく理解できました。
目から鱗とはこの事です。


織田信長も同じような事をやっていた!?

犬を1匹殺して死刑だった生類憐みの令に似ている法令を
織田信長も出していたそうです。

それが「一銭切り」
一銭盗んだだけでも死刑というトンデモ法。

乱れに乱れた治安を回復するのは安易ではない。
しかし、この劇薬の処方「一銭切り」で治安が劇的に回復し
信長は支持されるようになったそうです。


信長が行ったもうひとつの劇薬

「宗教勢力の武装解除」
受け入れなかったものは皆殺し。

「皆殺しなど為政者として認められない」という人もいるけど
信長の時代は宗教勢力が「皆殺し」を行っていたそうです。

それを食い止めるには、そういう連中を皆殺しにするしかなかった。
※比叡山焼打

結果、信長は日本人の意識改革を成し遂げます。
「信じる宗教が違っても異教徒を殺してはならない」と。

これ、今の日本人には当たり前の価値観ではないでしょうか?
しかしキリスト教社会で常識になったのは信長よりもずっと後。
イスラム教社会では未だに実現していない。
と著者は言います。

と聞くと思い当たる節がありませんか?

私はこの本に感銘を受けました。
間違いなく今年のベスト1 本です。

よくわからず勉強していた歴史がこんな形でスムーズに入ってくるとは思いませんでした。
今も日本では宗教の自由が認められています。
考え方の違う人、意見が違う人がいるのは当たり前です。
意見や、考え方が違うからといって殺してしまうのは私も違うと思います。


とにかく戦争は良くない

色々な意見や考え方があるのはわかります。
しかし戦争は良くない。
まずは一旦、手をとめるべきだと思います。
ちなみにここで紹介した部分は本著の冒頭46ページまでです。

この後、徳川家は平和維持の為、朱子学を導入して平和維持、徳川家安泰を目指していきます。
そしてその朱子学に寄って
大きく揺れて動いていく徳川家が描かれています。

歴史が好きな方には是非、パラパラっとだけでも良いので
読んでほしい一冊です。

本が好きな方はこちら
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マンガでサラッと読みたい方はこちらがおすすめです!
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どっちが正しい、正しくないかは人それぞれです。
考え方が違うという事を理解するのが一番大事だと痛感する一冊でした。

今年ベスト1のおすすめ本です。

それでは、4s Production 中沢でした☺️
keep smiling!!



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