ネフローゼ症候群‐老年期-入院7日目‐ゴードン‐1‐アセスメント

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【はじめに】 

このブログでは、アセスメントと看護計画の見本をご紹介します。 

当ブログの内容は、ご自身の課題や実習への使用に限り、自由に使用して良いです!
※ ただし、あくまでも見本なので、自己責任で使用してください。 

私が看護学生の時、先生や先輩の見本を確認させていただき、 
「なんだこんな風に書けばよかったのか!」と、書き方が 一気に整理できるようになりました。 
プロの作成方法を見ることで、理解が進み、知識が身につき、文章力をつけることにも役立つと考えています。
ぜひこのブログを参考にして、アセスメント力を向上していただければ幸いです。

【留意点】
当ブログの内容を無断で複製・転用・配布することは、禁止します。 
・内容は適宜、最新の内容に更新することがあります。
・看護学生さんの力になれるレベルを目指して作成していますが、アセスメントや看護計画の作成時間は、事例によって異なります。

【サービス紹介】
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※ 時期によっては対応できないこともあるのでご了承ください。 

【今回の情報】

〇基本情報
・氏名:M氏
・性別:男性
・年齢:75歳
・現病歴:ネフローゼ症候群
・既往歴:糖尿病、高血圧、糖尿病性腎症
・身長:170cm
・体重:68kg
・家族構成:妻、2人の成人した子供(息子と娘)、孫が3人
・職業:退職済み、元自動車工場の作業員
・性格:冷静で思慮深い、周りを気遣う性格
・嗜好:健康に配慮した食生活、緑茶が好き
・飲酒:適度にビールを飲むが、病状により最近は控えている
・喫煙:若いころにたばこを吸っていたが、50歳で完全に止めた
・趣味:ゴルフ、読書(特に歴史書)、庭いじり
・食事:M氏は全量の食事を自分で摂取することができ、特別な介助は不要である。魚や刺身、野菜が好き。
・水分:彼は一日に約1500mlの水分を自分で摂取することができ、介助は必要としていない。
・嚥下力:嚥下機能は正常であり、食事時にむせこむことはない。
・認知機能:M氏の認知機能は保たれており、日常生活における意思疎通に問題はない。
・睡眠:M氏は夜間の睡眠が深く、平均的に6-7時間の睡眠を取っている。睡眠薬は使用していない。
・服薬:自身の服薬を管理しており、時々飲み忘れがあるため入院後は看護師が声掛けしている。
・コミュニケーション:彼は話し好きで、家族や訪問するケアスタッフと頻繁に会話を楽しんでいる。
・歩行 移乗:M氏は自力で歩行し、移乗も可能である。下肢の浮腫が強いため長時間の歩行は難しく、長距離を移動する際は車椅子を使用する。
・排尿:一日に約4回、500-600mlの排尿があり、自力でトイレに行くことができる。
・排泄:一日に1回、通常の量と性状の便を自力で排泄することができる。
・入浴:自宅では週に一度、自分で浴槽に入浴することができる。入院後は見守りでシャワーを利用している。
・着脱:日常的な衣服の着脱は自分で行うことができる。
・アレルギー:特定のアレルギーは報告されていない。
・信仰:M氏は特定の宗教を信仰していない。

〇入院経緯
"M氏は約2週間前から腹部の膨満感を自覚し始めました。始めは軽いものだったので特に心配していませんでしたが、徐々にその感覚が強くなり、次第に全身に浮腫が見られるようになりました。特に足の裏や顔周りの腫れが目立つようになり、また体重も3kgほど増加していました。
この異常な症状に、妻が不安を感じて地元の診療所にM氏を連れて行きました。初診の医師は、彼の症状と既往歴を鑑みると腎疾患の可能性があると診断しました。すぐに血液検査と尿検査を行い、その結果腎機能の低下と尿中に多量の蛋白が出ていることが確認されました。
これらの所見を踏まえ、診療所の医師は大学病院への転院を勧めました。M氏の病状が悪化する前に、より詳細な検査と治療を受けるためです。M氏は妻と相談し、すぐに大学病院へ向かいました。

〇治療経過
"M氏が当院に到着した際、すぐに専門的な血液検査と尿検査を実施し、彼の腎臓の状態を詳しく調査しました。結果から彼のネフローゼ症候群が再度確認され、特に蛋白尿が非常に高いことが判明しました。
治療初期の目標は、まず体内の水分バランスを正常化し、腹部の膨満感と全身の浮腫を軽減することでした。こうした状態を緩和するため、彼には利尿薬を投与し、体内の余分な水分を排出しました。その結果、体重が減少し、全身の浮腫も軽減されました。

現在は入院10日目で、リハビリも順調に行いADLは改善していますがまだ長期歩行は疲労と下肢の浮腫で不安定な状況です。浮腫による下肢の痛みや皮膚の乾燥もあり感染に注意が必要な状況です。

〇バイタルサイン
(入院初日)
・体温:36.5℃
・脈拍:78拍/分
・血圧:145/85 mmHg
・呼吸数:16回/分
・SpO2(酸素飽和度):96%
(入院後7日目)
・体温:36.3℃
・脈拍:74拍/分
・血圧:135/80 mmHg
・呼吸数:15回/分
・SpO2(酸素飽和度):97%

〇言動
(M氏)「私は自分で服薬の管理をしているんだけど、たまに飲み忘れてしまうんだ。見守ってくれると助かるよ。」
「元気な時はゴルフや庭いじりをしていたんだ。また、その生活に戻りたいと思っているよ。」
「病気を抱えていると、何かと制限が出てくるんだけど、できるだけ自分の力で生活したいんだ。」
(妻)「いままでも腎臓の調子が良くないのは知ってましたけどこんなに悪くなったのは初めてです。薬も主人に任せてたので、私もこんどはちゃんとみないとだめですね。」

〇内服薬
ロサルタン(血圧降下薬):1日1回、朝食後に服用。
メトホルミン(糖尿病治療薬):1日2回、朝食後と夕食後に服用。
アトルバスタチン(コレステロール低下薬):1日1回、夕食後に服用。
フロセミド(利尿薬):1日1回、朝食後に服用。
カルシトリオール(骨粗鬆症予防薬):1日1回、夕食後に服用。
フェログラジン(鉄剤):1日1回、夕食後に服用。
ベネフロズ(ネフローゼ症候群の治療薬):1日1回、朝食後に服用。

〇採血データ
・総蛋白(Total Protein):5.6 g/dL
・アルブミン(Albumin):2.4 g/dL
・BUN(Blood Urea Nitrogen):34 mg/dL
・GFR(Glomerular Filtration Rate):38 mL/min/1.73m^2
・K(Potassium):5.0 mEq/L
・Na(Sodium):138 mEq/L
・Hb(Hemoglobin):12.1 g/dL
・WBC(White Blood Cells):6.5 x 10^3/uL
・AST(Aspartate Aminotransferase):32 U/L
・ALT(Alanine Aminotransferase):27 U/L
・Cr(Creatinine):2.1 mg/dL
・Ca(Calcium):8.4 mg/dL
・FBS(Fasting Blood Sugar):135 mg/dL
・HbA1c(Hemoglobin A1c):7.7%
・TG(Triglycerides):160 mg/dL
・T-Cho(Total Cholesterol):195 mg/dL
・HDL-C(High Density Lipoprotein Cholesterol):43 mg/dL
・LDL-C(Low Density Lipoprotein Cholesterol):125 mg/dL

【アセスメント】

1.健康知覚-健康管理

〇健康状態、受診行動、疾患や治療への理解、運動習慣、服薬状況、身長、体重、BMI、飲酒、喫煙の有無、既往歴
●健康状態
M氏は現在、ネフローゼ症候群を主訴として入院治療中である。75歳という高齢でありながら、日常生活動作(ADL)については自立しており、身体機能も良好であると評価できる。特に認知機能は保たれており、意思疎通に問題はない。しかし、下肢の浮腫により長時間の歩行が難しく、皮膚の乾燥による感染リスクが懸念されている。また、利尿薬の投与により全身の浮腫は軽減されたが、腎臓の機能低下による体内の水分・電解質バランスの不安定さが問題と考えられる。

●受診行動、疾患や治療への理解、服薬状況
M氏は自身の疾患に対する理解度が高く、異常な症状が現れた際には適切な受診行動を取ることができている。一方で、自己管理能力には改善の余地があり、特に服薬管理については時々飲み忘れがあるため、入院中看護師が声掛けを行っているため引き続き支援が必要である。

●身長、体重、BMI、運動習慣
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