あの天才催眠療法士、ミルトン・エリクソンが行った
注意のそらしについては、たくさんのエピソードがありますが
今回は、催眠療法士でも、心理学者でなくても、家庭で簡単に実践できそうだった子どもが大ケガをしてしまった時の注意のそらしについて
ご紹介したいと思います。
①ケガをしてしまった時の注意のそらし
エリクソンの息子、アラン君(7才)は、ある日
外遊びで、転んでしまった拍子にそこにあった割れたビンで
脚に大きな傷口を作ってしまったそうです。
アラン君は、泣き叫びなら家に帰ってきて、脚はひどく出血していたそうです。
アラン君が次の叫び声あげようと、一瞬泣くのを止めて、息を吸い込んだ時に
お父さんのエリクソンは大急ぎで、こう指示をだしたそうです。
「アラン!大きなタオルを持ってくるんだ、小さいのではない、大きなタオルだ…大きな!」
アラン君は指示通りすると、エリクソンは
「頼むから、それをキツく巻いてくれ。ゆるくじゃ駄目だ。キツく巻くんだ!いいかい?キツくまくんだよ!」
タオルを巻き終えた時、エリクソンはアラン君がとても上手くできたことを
認めてあげました。
その時、アラン君はもう泣いていませんでした。
この時点で既に凄いのですが、続きがあります!
②針を縫う時の注意のそらし
次に、エリクソンはアラン君を外科に連れて行く前に
どう振る舞うべきか教えて、心構えもさせました。
そして、アラン君は主治医にこう言いました。
「100針縫ってください。
お姉ちゃんはいつも、何針縫っているか僕に自慢をしてくるんだ。
だから、お姉ちゃんよりもたくさん縫ってほしいんです。」
主治医は、麻酔を投与するかエリクソンに尋ねると
「彼に聞いてください。どうしたいか、自分で言うと思います。」
すると、アラン君は
「100針縫ってください。」
とだけ言ったそうなので、麻酔を投与しないで縫合を開始しました。
アラン君は辛抱強く、痛みには文句は言わなかったそうですが
「チョット待って、そんなに間をあけて縫わないで。
もっと目を詰めてください。」
と、主張して終始行われている事を見続け、
指図していたそうです。
これは、何がアラン君をこんなにも逞しくさせたかのか…
③まとめ
ケガをした直後については…
父親からの細かい指示を注意深く耳を傾けている間、
傷の痛みと恐怖が自然にシャットアウトされ、
外科医から処置をされている時については…
お姉ちゃんを追い越すという目標達成をさせる為に
外科医が行っている処置を詳細に注目するように伝えた事で
見事に注意をそらせることに成功したからです。
実際、外科に行く前にエリクソンは
「お姉ちゃんの「私は、何針も縫っている」と言うのをやめさせようか。」
と、アラン君に励ましながら言っていたそうです。
なんとも、、、。
こんな発想は普通はないものですが
やはりエリクソンは天才ですね✨
もちろん、ケガをさせない事が一番ですが、
もしも何かあった時には使えそうな対処法ですね。
以上、催眠療法士maoでした+。。.。・.。*゚+。。.