ユニセフによる先進国38カ国調査で、日本の子どもの身体的健康は上位、精神的幸福度は下から数えた方が速いという結果。
すべてが統計通りかどうかはさておき、他の先進国と日本で子育てをした私にとっては、この結果、実感としてうなずけます。
子どもの生活には親や学校、地域などさまざまな要素が関わっていますが、今回は私が実際に出会った親御さんたちのことを書きます。
小学校低学年の時、ある日本人学校で同じクラスになったX君。彼のお母さんは普通に感じのいい方で、親同士の付き合いでも私たちに親切でした。
しかし、私は見てしまったのです。
何人かの親たちが放課後、校庭で立ち話をしていた時、X君が大きな虫をもって誇らしげにお母さんのところにやってきた時のこと。
「見て!捕まえたよ!」
X君は思ったのでしょう、うちのお母さんはゴキブリとか大嫌いで定期的にバルサンを焚いてるけど、きっとぼくが見つけた虫のこと見てくれる、と。しかし母上の反応は・・
「やだ!!!そんなもの持ってこないで!捨ててきて!」
そして立ち話を続けたのでした。
Xくんを見ることなく。
もしその時お母さんが彼の顔を見ていたら、彼の顔が突然ゆがんだのを見たでしょう。
寂しそうにうなだれて、彼は校庭の隅っこに自分が発見したもの、大好きなお母さんとシェアしようとした発見の喜びを捨てに行きました。
私は、彼がよく体調を崩している原因、他の子への暴力をやめられない原因の一端を理解したと思いました。
そのお母さんは家族の健康に気を使い、朝ご飯に毎日5種類のフルーツを出していると言っていました・・・
ほかにも私が出会ったかぎりでは、日本人の親御さんは子どもに何を食べさせるかに気を付けている人が多いようです。
何を食べさせるかはとても大切ですよね。ただ、子どもはきちんと食べさせ、きちんと着せるだけでは全うに育ちません。
子どもは親に与えられる食物だけではなく、親からもらう言葉も、そのまま食べてしまうから。