印刷で金色を表現するときのお話

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印刷物のご依頼で「金色(銀色)にして欲しい」「キラキラにしたい」などのご相談を頂くことがございます。
この様なご要望のご対応として、大きくは以下の3つの方法がございます。

■CMYKインクで擬似的に金色を表現する
■DICなどの特色を使用する
■箔押しなどの特殊加工印刷にする


それでは、上記3つの方法を順を追ってご説明していきましょう。

■CMYKインクで擬似的に金色を表現する

家庭用プリンターをイメージすると分かりやすいですが、通常印刷インクはシアン(Cyan)・マゼンタ(Magrnta)・イエロー(Yellow)・ブラック(Key tone)の4色のインク+αで表現されており、一般的なプリンターに金色のインクは存在しません。
そこでCMYKインクで金色を表現する場合、イエローやマゼンタをかけ合わせたり、グラデーションなどで擬似的に金色に見えるように近づけます。
黄色を金色に見える人もいれば、オレンジや黄土色が金色に見える人や、グレーが銀色に見える人もいます。
しかしながら、CMYKインクで表現した金色はあくまでも擬似的なものとなりますので見る人の主観に大きく左右され、黄土色はただの黄土色にしか見えない人もいます。
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■DICなどの特色を使用する

上述のようにCMYKインクに金色インクは存在しませんが、
+αの特色として金色のインクを使用する方法もあります。
厳密に言うと、金属粉(銅や亜鉛)を配合しメタリック感を出したインクになりますので、本物の金粉を配合しているわけではありません。
手軽にインクの印刷で金色っぽい表現ができるメリットがありますが、
デメリットとしては、金の特色(DIC619、DIC620など)はコストがそれなりにかかることと、DIC619などの特色インクに対応している印刷会社が少ないことです。


■箔押しなどの特殊加工印刷にする

箔押し印刷は金箔(※本物の金箔ではありません。)などのフィルムをプレス転写する特殊加工になりますので、インクとは根本的な印刷方法が異なります。
インク印刷ではありませんので、自由に色を配合することはできませんが、
印刷会社によっては、金箔、銀箔以外にも赤、青、緑などのカラー箔や、ツヤあり、ツヤ無し、ホログラムなど、箔の種類を選ぶことができ、通常のインク印刷では表現できない高級感を演出することが出来ます。
しかし、大手の印刷会社でも箔押し加工に対応していない場合があることや、加工面積が大きくなるほどコストがかかりますので注意が必要です。

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<箔押し印刷の注意点>

箔押し印刷は特殊加工ならではの注意点があります。
●箔版をプレスするので裏面に押し跡が出ることがある。
●箔版が1mm程ズレることがある。(箔押しの位置がシビアな場所にあるデザインは注意が必要です)
●箔押しの塗りつぶし部分が広い場合は、スレが生じることがある。
(特に凹凸の質感がある用紙の場合は、箔がへこんだ部分に転写されない場合があります。)
●細い線や絵柄は潰れる場合がある。(文字などは可読性を損なう場合もあります。)

また、専門的な話になりますが、印刷各社によってデータ作成の規定が異なり箔押しデータの作成にあたって以下のような確認事項がありますので、事前に印刷を依頼する会社をお知らせ頂く必要があります。
●箔版はパスデータ以外でも作成可能かどうか?
●箔版をどのように指定するか?
●CMYK印刷との箔押し加工の順序はどちらが先か?
また、CMYK印刷との併用に支障はないか?
●箔押しができる用紙や範囲はどこまで可能か?



<上記3つの金色表現比較表>
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また、特殊加工には金箔などの箔押し加工の他にも、エンボス・デボス、UV盛り上げ、型抜きなど様々な加工があります。

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以上、簡単に印刷においての金色の表現方法をご説明いたしましたが、
ご不明な点がございましたらお気軽にメッセージよりご質問下さい。



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