印刷色についてのお話

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ご確認用画像でご提出したデザインの色味と、実際に印刷された色味が微妙に異なることがございます。
ここでは「印刷色が画面で確認した色より暗い」「モニターで見たときと印象が違う」など、今回は色味や印象が異なる原因、また、その対処法を簡単にまとめてみました。

【原因】

■モニター色は「RGB」で、印刷色は「CMYK」だから

印刷色が微妙に異ったり、色が沈む一因にカラーモードの違いがあります。モニターやスマートフォンの画面の色は「RGB」というレッド(Red)・グリーン(Green)・ブルー(Blue)の光の3原色によって色が表現されています。
一方、印刷物の色は「CMYK」というシアン(Cyan)・マゼンタ(Magrnta)・イエロー(Yellow)・ブラック(Key tone)の4色のインクで表現されており、この表現方法の違いがモニターで見る色と印刷される色の微妙な違いを生み出しています。
カラーモードが違っても「RGBの色をそのまま印刷したらいいのでは?」と思われるかもしれませんが、RGBは加法混色、CMYKは減法混色というように表現方法が異なるため、どうしても光の発色であるRGBを、印刷機のインク(CMYK)では表現することができない領域が生じてしまいます。つまり表現領域はRGB>CMYKとなり、光の発色に依存するモニター色はCMYKインクで再現することが出来ずに印刷の色味が暗く沈んでしまいます。
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■モニターの設定や、環境光による違い

4K対応ディスプレイやブルーライトを軽減するディスプレイ等、高価なものから安価なものまでモニターの数だけ表示色や設定が微妙に異なります。
また、同じモニターでも、赤いライトの下で見る色と青いライトの下で見る色は異なります。
当然、上記媒体や環境の違いから、同じデータでもクライアント様と制作スタッフ、印刷会社が画面上で見ている色は微妙に異なるため、クライアント様がモニター上で確認した色を厳密に再現することが難しい一因となっています。
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■紙質、素材の違い

印刷する用紙によっても色が沈む大きな要因となります。
紙の種類だけでも上質紙、マット紙、光沢紙、コート紙など様々な用紙があり、販促で紙以外の素材、布や、ダンボール、プラスチック、看板などに印刷することもあるでしょう。
同じ色のデータでも紙質によって発色や色の乗りやすさが違ったり、素材によって色や質感が異なるため、平板なモニター上と実際に質感がある印刷物では印象が異なります。

■インク、印刷会社の違い

また、「ロゴや写真など前回と同じデータを使用したのに、微妙に色味が違う」など、たとえ前回と全く同じデータ、同じ用紙でご入稿されても、印刷会社を変えた場合などは、印刷色が微妙に異なる場合があります。
それは、印刷機の種類や設定、インクの配合等によって色が微妙に異なるからです。
さらに、その日の温度や湿度によって品質が変化することもあるので、
同じデータ、同じ印刷会社でもよく見てみると前回と微妙に色味が違っているというケースもあります。
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【対処法】

ここまでご説明してきたように、クライアント様のモニター上でどれだけイメージ色に近づけたところで、その色がそのまま忠実に印刷されることはありません。モニター色と印刷色とでは、そもそも色の作り方が異なるため色味が全く同じになることはなく、モニターで確認した色と印刷色の乖離は多少なりとも必ず生じます。
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では、これらの問題を解決できる方法はあるのでしょうか。
モニター色を厳密に印刷色で再現することは極めて困難ですが、以下にご紹介する方法でイメージされる色に可能な限り近づけることは出来ます。

●色見本やサンプルを入手し指定する

ご依頼される印刷会社がご決定されている場合、予めその印刷会社の印刷サンプル、カラーチャート等を取り寄せ、実際の色を確認、指定することにより、イメージされている色と印刷物の乖離を軽減できます。
ほとんどの印刷会社が無料で印刷サンプルを配布されていますので気軽に利用できます。
また、お金はかかりますが「DIC」等、市販のカラー見本を購入して、
「DICの00番」というように特色を指定する方法もございます。
(※印刷会社が特色印刷に対応している必要があります。)

●色校正をする

色見本や印刷サンプルよりも、より正確に色を再現したい場合は「色校正」という方法があります。色校正には「簡易校正」や実際に使用する用紙を用いる「本紙校正」「本機校正」などの種類があり、全部数を印刷してしまう前に、一部試し刷りをして色を確認する事が出来ます。
印刷された色校正がイメージの色と違う場合、再度調整していきます。
そのため、印刷会社が色校正に対応している必要があり、時間やコストもかかるので、ややハードルが高くなります。
(名刺などであれば、色校正をするより最初は100部程度の小ロットで発注して実際の刷り上がりを確認する方が早いかもしれません。)

●RGB印刷について

実は「RGB印刷」という方法も存在します。
CMYK4色に+αのインクを追加してRGB色を再現しようという方法です。
確かに従来のCMYK印刷と比べるとビビッドなグリーンやピンクという特定の色の再現性はかなり高いですが、RGB色の厳密な再現を保証するものではありません。(※CMYK表現領域内の色や中間色にはあまり効果がありません。)
また、RGB印刷に対応している印刷会社自体はまだまだ少なく、コストも高くなるというデメリットもあります。
厳密なカラーの再現が必要な場合は、やはり最終的には色校正が必要になってきます。


以上、色味が異なる原因や対処法を簡単にご説明しましたが
カラーモード、用紙の種類、色校正、サンプルの取り寄せ方法など、
ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。


CMYK変換に注意!

ちなみに、画像加工など印刷物のご依頼でなくても、後々、印刷で使用する予定がある場合は必ずCMYKで制作してもらいましょう。
特にロゴはRGBデータで制作された場合、いざ名刺やチラシで使用する際にCMYKデータへ変換してみると色味が変化して印象が変わる恐れがあるので注意が必要です。
※特にピンク、水色、黄緑の色が使用してある場合、著しく色味が変化するのでCMYKでの再現は難しいです。

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